主力企業の冴えない決算を失望した売りが先行したが、カナダ中銀が利上げ停止を示唆したことで、米国内の金利ピークアウト期待が高まり、売りが後退。また、今週発表予定の重要経済指標などを前にした買い戻しも入り、終盤にダウ平均はプラス圏に浮上。ナスダック総合指数も下げをほぼ帳消しにし、−0.18%と小幅続落にとどまった。引け味のよかった米株市場を引き継いで、日経平均は49.63円高からスタート。しかし、寄り付き直後から失速すると、半導体などハイテクを中心とした売りが重しとなり、早々にマイナスに転じた。ただ、春節の連休明けの香港ハンセン指数が大幅高となったことや、時間外取引のナスダック100先物が堅調に推移していたことが下支え要因となり、その後は膠着感の強い展開となった。
大引けの日経平均は前日比32.26円安の27362.75円となった。東証プライム市場の売買高は9億8370万株、売買代金は2兆4657億円だった。セクターでは海運、石油・石炭、電気機器が下落率上位となった一方、不動産、精密機器、その他製品が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の53%、対して値上がり銘柄は41%だった。
個別では、米半導体企業ラム・リサーチの低調な決算を受け、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>が大きく下落。ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、ダイキン<6367>、村田製<6981>、イビデン<4062>などハイテク株も総じて軟調。
前日に大幅反発した海運が再び大きく売られ、郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>が揃って大幅安。富士通ゼネラル<6755>は決算が市場予想に未達で売り優勢。インソース<6200>は堅調な決算ながらも四半期ベースでの増益率鈍化などにより、短期的な出尽くし感が先行して急落。東証スタンダード市場では業績予想を下方修正したテクノホライゾン<6629>が急落している。
一方、ソフトバンクG<9984>、OLC<4661>、HOYA<7741>など値がさ株の一角が堅調。
三菱重工<7011>、川崎重工<7012>、IHI<7013>の原発・防衛関連、JAL<9201>、資生堂<
4911>、パンパシHD<7532>、高島屋<8233>などのリオープン関連が堅調。日置電機<6866>、信越ポリマー<7970>はそれぞれ決算が好感されて大幅に上昇。関西ペイント<4613>と住友大阪セメント<5232>は証券会社のレーティング格上げを材料に買われた。サイバーAG<4751>は、決算は冴えなかった一方、株主優待の拡充が下支え要因となり、一時上昇する場面もあった。東証スタンダード市場では業績予想を上方修正した日本パレット<4690>、日本ギア<6356>がそれぞれストップ高まで買われた。
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