オイレス工業が１月２９日に業績の下方修正を発表した。これまで前期並みとしていた
今０９年３月期営業利益予想を３５％減の４６億円へ引き下げた。０８年１１月以降、自
動車の生産が急速に落ち込み、主力の自動車用ベアリングが急減したためだ。「東洋経済
オンライン」も会社計画並みに下方修正する。

　主力の自動車用ベアリングは、完成車生産が３～４割減と大きく落ち込む中、急激に受
注が減少。建築・土木機器用のベアリングも、ショベルカーなどの急減産で売り上げが急
落している。第２の柱の免震装置が計画線の微増で推移し、第３の柱のビル用窓開閉装置
が比較的好採算のリニューアル用の伸びで前期並みを確保しても、ベアリングの落ち込み
をカバーできず、利益は大幅に減少する。第４四半期（０９年１～３月）の営業利益はわ
ずか１億円（前年同期は１７億円）しか出ない見通しだ。

　営業外の為替差損が約４億円発生し、投資有価証券の評価特損が約５億円生じることも
重なり、０９年３月期純益は２３億円と前期比４６％減少する。配当についても年３５円
へ減配すると会社側が公表。「東洋経済オンライン」も同額への減配を予想する。

　来１０年３月期は、主力の自動車用ベアリングが、下期に向け下げ幅を縮小しても通期
大幅減が避けられない。中国の公共投資に関連した建築・土木機器用ベアリング、国内の
橋梁用免震支承、リニューアル用窓開閉装置などの伸びに期待するが、売上高は減少が続
くと見られる。非正規従業員２０人程度の削減や残業抑制、諸経費削減等を進めても利益
は大幅続落となる見通し。配当について会社側は配当性向５０％前後をメドとしており、
「東洋経済オンライン」は来１０年３月期の１株当たり配当を表記へ再減配すると予想す
る。
　
（福田　淳）

（百万円）　 　　売　上　　営業利益 経常利益　 当期利益　１株益￥ １株配￥
連本2008.03　 58,733 7,089 7,302 4,294 154.8 46　
連本2009.03予 53,000 4,600 4,450 2,300 69.9 35　
連本2010.03予 50,000 3,000 3,200 1,900 57.7 25-30　
連中2008.09　 28,518 3,138 3,375 1,792 65.3 15　
連中2009.09予 24,000 1,400 1,600 850 25.8 10-13　


（株）東洋経済新報社　四季報オンライン編集部