SANEI、各段階利益の2Q進捗率はいずれも50%超と好調 価格改定・商品ミックスの変化に加え、費用抑制が奏功
1 2024年3月期 第2四半期 業績ハイライト
早川徹氏:SANEI株式会社2024年3月期第2四半期決算説明資料をご覧いただき、誠にありがとうございます。当社の第2四半期決算内容ならびに当社について、よりご理解を深めていただきたく書き起こしとしてまとめました。
まず、前期比較です。第2四半期は、第1四半期に引き続き売上・利益ともに増収・増益となりました。特に、利益は大幅な増益となっており、こちらは大きな要因が2つあります。
1つ目の要因は、前期第2四半期累計では、当社製品の主要材料である銅合金を中心とした原材料価格の高騰により、利益率が低下しておりました。前期第3四半期頃より販売価格改定の効果が出始めて収益性が改善できました。
2つ目の要因は、前期第2四半期にはテレビCMの広告宣伝費が発生していますが、当期は高額の広告宣伝費は発生しておりません。その他、生産性の改善や製造コスト・営業費用の抑制に努めた結果、大幅な増益となりました。
次に計画(業績予想)との比較です。第2四半期累計の業績予想に対しては、売上は若干予想を下回りました。一方、利益面では販売価格改定・商品ミックスの変化に加え、経費を中心とした費用抑制の改善を図った結果、営業利益は計画比プラス35.1パーセント、四半期純利益もプラス27.9パーセントとなり、利益面では予想を大きく上回る結果となりました。
2 損益の概要
続いて、損益の概要です。売上高は販売価格改定の浸透とデザイン水栓シリーズ、ウルトラファインバブル製品や高機能シャワー製品など高付加価値製品の販売拡大により、増収となりました。
売上総利益は、売上総利益率が前期28.0パーセントから当期31.1パーセントへと約3パーセント改善されています。こちらは売上と同様、販売価格改定の浸透と高付加価値製品の販売拡大に加えて、生産の効率化やコストダウンも収益性改善に貢献しました。
販売管理費は約8,300万円減少しましたが、広告宣伝費(テレビCM費用など)が1億9,000万円減少した一方、会計方針の変更による増加が4,700万円、他に設備投資による減価償却費や物流費などの増加が主な要因となっております。
3 四半期業績の推移
売上高の通期業績予想に対する進捗率は47.0パーセントとなりました。なお、第2四半期累計業績予想に対しては、96.8パーセントの進捗率となり、計画をやや下回りました。年間進捗率としては、前年をやや下回りましたが大きな変動ではありません。
一方、利益の通期業績予想に対する進捗率は営業利益が55.0パーセント、四半期純利益が52.8パーセントといずれも50パーセントを超える結果となり、計画に対して想定以上に好調な結果になったと考えております。
4 販売ルートの概況
販売ルート別の売上構成は、第1四半期と同様に前期から大きな変動はありませんでした。前年からの売上高増減は、資料中の矢印では横ばいになっているルートもありますが、3ルートともに増加しております。販売価格改定による売上増加に加え、「管工機材ルート」では、デザイン水栓シリーズの売上が堅調に推移しています。「リテールルート」では、ウルトラファインバブル製品など高機能なシャワー商材とホームセンター向けのプライベートブランド商品が好調でした。「メーカールート」では、住宅設備機器メーカー向けの混合栓の販売が増加しました。
5 営業利益の増減要因
営業利益の前期増減要因については、「材料・仕入価格の高騰」による調達コストの上昇と、「価格改定の効果」が大きく影響しています。前期の第2四半期は、「材料・仕入価格の高騰」により大幅に調達コストが増加したのに対し、「価格改定の効果」がまだ浸透しておらず、調達コストの上昇分をカバーできなかったために営業利益が低くなりました。
一方、当期においては、「材料・仕入価格の高騰」は続いていますが、「価格改定の効果」により調達コスト上昇分をカバーできるようになったため、営業利益が増加しました。
また、前期第2四半期には、テレビCMの放映開始により広告宣伝費が一時的に増加しましたが、当期は発生しておりません。その他、高付加価値製品の販売強化や製造コスト・営業費用の抑制などに努めた結果、営業利益は7億4,300万円(前年より6億3,900万円増)と大幅な増益となりました。
6 連結BS(資産・負債・純資産)
続いて、連結BSです。総資産は12億7,000万円増加し247億2,600万円となりました。資産では棚卸資産が7億9,100万円増加しておりますが、当社は4月から8月頃にかけて棚卸資産が増加し、3月に向かって減少していく傾向があり、例年どおりの変動となっています。また、これに連動して仕入債務も増加しております。
建物及び構築物が4億2,300万円増加しておりますが、岐阜工場の建て替え工事が順調に進んでいることが要因です。
7 連結キャッシュフロー
連結ベースでの現金及び現金同等物の期末残高は、期首から1億7,900万円増加して24億2,600万円になりました。営業活動によって稼ぎ出したキャッシュを岐阜工場の建て替えなどの設備投資支出に充てて、次の稼ぎを生み出すサイクルが順調に回っています。
8 株主還元(配当実績・計画)
当期の配当は中間配当49円を実施し、期末配当49円の年間98円を予定しています。前期より2円増配となり、8年連続の増配となります。当社では、将来にわたり安定的な配当を実施することを基本方針とし、今後も長期、継続的な増配を目指してまいります。
9 企業価値向上への取り組み
当社の今後の企業価値向上への取り組みと当期の業績予想、コンセプトについて説明します。企業価値向上については「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」と「継続的な株主価値の向上」を2本の柱にしています。「継続的な株主価値の向上」については、前のスライドの「8 株主還元(配当実績・計画)」にて説明しましたので、ここでは、「売上高・収益性の向上(事業領域の拡大)」を中心に説明します。
事業領域の拡大では主に3つの方針があります。1つ目は「『上質をデザインする』SANEIブランドの更なる向上」です。水の音、流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、どこまでも美しい体験を追い求め、意匠、仕上げ精度、使用感、すべてにおいて最上級に相応しいものづくりへの挑戦を続けています。
2つ目は「水まわりにおける住空間全体をトータルに提案できる事業展開」です。当社は2018年に株式会社三栄水栓製作所から現在のSANEI株式会社へと社名変更を行いました。これは、生活空間における水栓という「点」から、水の通り道すべての「線」、そして水まわり空間全体の「面」への事業展開の広がりを意味しています。キッチン、バス、洗面と定型化されている従来の住まいに、新たなカルチャーを持ち込む試みでもあります。このような取り組みの一環として、ショールーム&ショップ「WAILEA」を東京の表参道と大阪の御堂筋に展開しております。
3つ目は「宿泊施設・飲食店・介護医療・公共施設など非住宅市場におけるシェア拡大」です。当社はこれまで住宅市場を中心に事業を拡大してまいりました。今後、国内人口の減少に伴い、住宅着工戸数も減少することが予測されています。非住宅市場向けの商材を拡充することにより、事業領域の拡大を進めてまいります。
10 2024年3月期 連結業績予想
2024年3月期第2四半期累計と通期の業績予想です。前スライドで説明しました事業領域拡大と収益性の向上の取り組みを行ってまいります。なお、当第2四半期決算の時点では、連結業績予想の修正はございません。
11 SANEI 2023 CONCEPT ~VERSE~
最後に、当期2023年度のコンセプト「VERSE(ヴァース)」について説明します。「VERSE」とは、「韻文、詩歌」を原義とする音楽用語で、主題(サビ)に至るまでの導入部分を指します。当社は2024年に創業70周年を迎えます。これまで培ってきたブランドの理念はそのままに、私たちSANEIはさまざまな新しいテーマを内包しながら未来に向かって創造を続けてまいります。この「VERSE」のコンセプトをもとに、人と水との出会いがもっと心地よい素敵なものであるように、次のステージへと進んでまいります。
当社ホームページにも、「2023CONCEPT特設サイト」がございますので、ぜひご覧ください https://www.sanei.ltd/library/2023concept/
Ⅰ 企業情報
ここからは、当社の企業情報などの補足資料です。
当社の企業概要です。1954年に創業し、来年2024年に創業70周年を迎えます。またグループ会社として、水道設備工事・メンテナンス業務を行う「株式会社アクアエンジニアリング」、中国にて水栓部品製造を行う「大連三栄水栓有限公司」、岐阜県にて水栓部品製造販売を行う「株式会社水生活製作所」、水栓部品鋳造を行う「美山鋳造株式会社」があります。
Ⅱ 企業理念
当社は1954年の創業以来「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。独自の技術と柔軟な感性で、数々の画期的な商品を提供することはもちろん、水まわりから快適な暮らしを追求し、空間全体をコーディネートするなど、自然環境やニーズの変化を見つめながら、今なお進化を続けています。
「水とともに生きる時間が、いつも“歓び”で溢れるように…。」これからも、人々にとっての心地よさを常に考えながら、SANEI視点で水と暮らしの理想の姿をご提案していきます。
Ⅲ 当社のあゆみ
当社の創業以来のあゆみと事業の展開について、簡単にご説明したいと思います。
1954年の創業からしばらくは、水栓金具やシャワーヘッドなどを単体で販売していました。この時代を、我々は製品単体を売っていた「点」展開の時代と考えております。
1980年頃から、家の水道メーターから蛇口まで、家の水道インフラ全体をカバーするものづくりを推進してきました。水栓金具単体でなく、配管部材も合わせて販売していくという態勢を整えてきたこの時期を、我々は「線」展開の時代と考えております。
2018年頃からは、水まわりに対して機能性・安全性だけでなく、リラックスしたい・ゆとりを感じたいといったことに応えることを目指しています。そのために、水栓金具を使う空間全体をトータル的にカバーする「面」の展開を提案しています。
Ⅳ 取扱製品
当社の取扱製品についてご説明いたします。
当社が近年力を入れている水回りの「面」展開に対応した製品として、デザイン水栓シリーズがあります。従来から販売している「線」展開としましては、継手や配管部材があります。また、創業当初より取り扱っています「点」展開の製品として給水栓や給排水金具がございますが、これらも非接触で給水できるセンサー式水栓や、ウルトラファインバブルのシャワーヘッドなど、より高機能な製品も取り扱っています。
Ⅴ SANEI DESIGN COLLECTION
前スライドのデザイン水栓シリーズのご紹介をします。国内外で活躍するデザイナーのみなさまとのコラボレーションから生まれた製品、人と水のより良い関係を現代空間の中で追求するSANEIインハウスデザインによる製品など、さまざまなシーンに合わせられる製品を開発しております。
当社ホームページにも、「DESIGN PRODUCT」ページがございますので、ぜひご覧ください。 https://www.sanei.ltd/design/
Ⅵ 販売ルート
スライドで説明している販売ルートの概要をご紹介します。
水まわり資材を扱う管材店向けの管工機材ルート、ホームセンターや家電量販店・ネット通販向けのリテールルート、住宅設備機器メーカー向けのメーカールートの計3ルートがあり、バランス良く展開しているのが当社の特徴になります。このほか、構成比はまだまだ低くはありますが、海外ルートも含めて全社的には4つのルートで展開しています。
Ⅶ 営業拠点
管工機材ルートは、地域に密着した販売ルートになります。日本全国、北海道から沖縄まで、支社・支店・営業所・出張所を合わせて27拠点を展開しております。
リテールルートとメーカールートにつきましては、大都市圏にある支社・支店を中心に展開しております。 (営業拠点の一覧:https://www.sanei.ltd/company/office/)
Ⅷ ショールーム
東京・大阪・名古屋・福岡の各支社・支店にあるほか、東京の表参道と大阪の御堂筋に「WAILEA」が1店舗ずつ・東京の青山に「FLUSSO」が1店舗ございます。
大阪市中央区にあるWAILEA御堂筋は、2023年5月にグランドオープンしました。
Ⅸ Think Life. Make Act. 行動しよう。未来のために
当社は、1954年の創業以来、「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。
当社のSDGsへの取り組みはこちらにまとめていますので、ご覧いただければ幸いです。 https://www.sanei.ltd/company/sdgs/
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