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2024/11/27 - オーケーエム(6229) の関連ニュース。 目次奥村晋一氏(以下、奥村):株式会社オーケーエム、代表取締役社長の奥村です。どうぞよろしくお願いします。本日の内容はスライドに記載のとおりで、1章から5章までをご報告します。PURPOSE

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【QAあり】オーケーエム、営業利益が前年比+65.5%と大幅伸長 舶用市場は需要回復に伴い販売拡大、船舶排ガス用バルブも堅調

投稿:2024/11/27 08:00

目次

奥村晋一氏(以下、奥村):株式会社オーケーエム、代表取締役社長の奥村です。どうぞよろしくお願いします。本日の内容はスライドに記載のとおりで、1章から5章までをご報告します。

PURPOSE

当社のパーパスは「いい流れをつくる。」です。この言葉には3つの思いを込めています。

1つ目は、独創的な技術で製品・サービスのいい流れを作ることです。2つ目は、お客さま・仕入れ先さま・株主さま・社会といい関係を作り、社外との間にいい流れを作ることです。3つ目は社内の話です。働きやすい職場環境を作り、社内のいい流れを作ります。

この3つの思いを込めたパーパスとなっています。

社是

社是は1973年(昭和48年)に制定したもので、現在もこの4つを掲げています。

1つ目は「独創的な技術」です。製品開発、設計だけではなく、製造、ものづくり、営業、管理に至るまで、すべてのプロセスで独創的な技術をもって、それぞれのプロセスで独自の工夫・改善を織り込んでいきます。

2つ目は「最高の品質 最低の資源消費」で、顧客満足度の向上ということです。3つ目は「余裕ある生活と豊かな心」で、社員満足度の向上ということです。4つ目は「地域社会に貢献する」で、株主さまを含め、社会の満足度を向上させます。

「独創的な技術」をもって、売り手・買い手・世間の「三方よし」を目指すという社是です。当社はこのようなパーパスと社是を掲げて、事業展開を行っています。

オーケーエムとは

「オーケーエム」と聞いて、何を作っている会社かご存知でない方も多いと思います。

最初に、社名の由来をご説明します。1962年から長らく「奥村製作所」という社名で事業を展開してきましたが、新たな可能性を広げる企業としてイメージを刷新する思いを込めて、1993年に「オーケーエム」へと社名変更しました。

会社ロゴマークの「M」のところに5つの赤い線が入っています。これは「5つのMをOKにする」という意味を込めています。5つのMとは、モラール、マーク、メカニクス、マーケット、マネジメントのことです。

社名変更には、副次的な効果もありました。右側の写真はバルブの鋳物製品です。鋳物製品には鋳出しと呼ばれる表示があります。社名変更前は「OKUMURA」と7文字を記していたのですが、鋳物は文字がつぶれやすいため、「OKM」というシンプルな3文字に変更することにより、鋳出し表示もクリアに出るようになりました。

バルブとは?

バルブを簡単に説明すると、身近なところでは水道の蛇口で、流体を「流す」「止める」「絞る(調節する)」という3つの機能を持った機器のことです。

このバルブは2000年以上前から存在し、時代のニーズに合わせて進化してきました。現在も我々の生活や産業のインフラ設備など、配管があるところには必ずバルブが取り付けられており、当社のバルブも幅広い業界で使われています。

将来的にも配管設備がある限りバルブは必ず使われるため、非常にサステナブルな業界であると言えます。

オーケーエムの主要製品

当社の3つの主力製品をご紹介します。

1つ目は、売上の82パーセントを占める「バタフライバルブ」です。輪っかの中に円板を配置し、これを90度開閉することで流体の「流す」「止める」を切り替えることができます。また、中間開度で流量調節が可能になっています。

特徴としてはコンパクトで軽いため、大口径の配管に取り付けられる時には非常にメリットがあります。

2つ目は「ナイフゲートバルブ」です。同じように、輪っかの中にプレートを配置し、その出し入れによって、流体の「流す」「止める」を切り替えます。

3つ目は「ピンチバルブ」です。こちらはゴムチューブをつぶすことで流体を「止める」、開放して「流す」という仕組みです。身近なところでは点滴もピンチバルブの一種です。点滴の袋から腕につながるゴムチューブをつまむと点滴が止まる、放すと点滴が流れます。

ナイフゲートバルブ、ピンチバルブの特徴としては、混ざり物が多い泥のようなもの、泥水、スラリー状(液体の中に固体を混ぜ合わせた泥状のもの)の制御が可能ということが挙げられます。

さらに、このような標準的なバルブだけではなく、お客さま個別のニーズに合わせて、特殊なカスタマイズをしたバルブを提供していることが当社の大きな特徴となっています。

オーケーエムの強み

当社の特徴、強みを3つにまとめています。

1つ目が、営業・マーケティングの分野に関してです。当社は従来、時代や市場のトレンドをいち早く察知してニーズを捉えてきました。

さまざまなお客さまの環境や流体にマッチしたバルブの開発・設計を行うことで、幅広い市場や業界のお客さまへバルブを提供してきました。また、それにより幅広い流体制御の情報を収集し、その蓄積したデータを新たな製品の開発やマーケティングに活かしています。

流体制御情報だけでなく、製品クレームや不具合の情報データも蓄積しています。それを基にした解決方法をお客さまに提供している点も、当社の大きな強みとなっています。

2つ目は、製品開発機能です。カスタマイズバルブを開発・設計する段階においては、お客さまが使われる流体や環境をできるだけ再現して検証実験を重ねています。そのデータを蓄積し、次の開発に活かしています。

3つ目は、カスタマイズ製品をタイムリーに提供する生産体制です。それぞれの流体や環境にマッチしたカスタマイズバルブを組み合わせて提供していますが、カスタマイズバルブで取り扱う流体は、油、固体、スラリー状、酸性からアルカリ性、低圧力から高圧力、低温から高温とさまざまな条件があります。

当社の扱うバルブは20機種ほどあり、配管のサイズ、流体の条件に合わせたバルブの材質(ステンレス・鉄・アルミ・樹脂・ゴムなど)や、動作の方法(手動、モーター、空気圧、油圧など)もさまざまです。それらを掛け合わせると標準的なラインアップでも10万種類を超え、さらに特殊な個別設計をするとなると無限大の可能性があると考えます。

競争優位性を発揮した成功事例

時代や市場、業界に合わせたカスタマイズ製品を提供してきたことによる成功事例をご紹介します。

1950年代は紙パルプのプラントがたくさん作られ、そこに使われるバルブとしてナイフゲートバルブを販売しました。現在はこのようなプレート式のバルブは2種類程度と少なくなりましたが、当時は紙パルプ業界向けとして10種類近くのカスタマイズバルブを提供し、評価をいただきました。

1980年代に入ると、高層ビルが多く建設されるようになりました。当時の冷暖房設備は、冷水や温水を制御して循環させる方式で、細かく温度制御するための流量制御電子コントロールバルブを開発し、お客さまに評価をいただきました。これは現在も主力製品となっています。

2000年代は、造船業界にカスタマイズバルブを提供してきました。船の種類もタンカーやバルクキャリアなど数多くあり、カスタマイズするニーズもさまざまですので、船種ごとにカスタマイズ製品を設計して提供することにより、お客さまから評価をいただきました。

2013年以降は船舶のエンジンに使われる排ガス用バルブが業績に寄与しています。

世界シェアの約40%を占める船舶排ガス用バルブ

近年は船舶排ガス用バルブが伸びています。これは船舶の中でも、エンジンに使われるバルブです。

世界的に、船舶エンジンからの窒素酸化物(NOx)の排出量が規制強化されていますが、そのためには窒素酸化物を除去するための装置が必要となります。エンジンとその除去する装置の間をつなぐパイプラインに当社の船舶排ガス用バルブが使われており、需要が拡大しているため業績に貢献しています。

オーケーエムが解決するお客様の課題

幅広い業界、市場のお客さまのさまざまな流体制御に関わる課題を一つひとつ丁寧にヒアリングし、製品やサービス、情報などお客さまに合わせた最適なソリューションをタイムリーに提供していくことが、当社の大きな強みとなっています。

2025年3月期第2四半期トピックス

木田清氏:取締役の木田です。私からは、2025年3月期第2四半期の決算概要、2025年3月期通期業績予想を報告します。まずは2025年3月期第2四半期のトピックスを3つご紹介します。

1つ目です。脱炭素社会に向けた製品の開発を進めました。未燃アンモニア除去装置用バルブは実船搭載をされ、また、アンモニア燃料向けのバルブは試験搭載に向けて準備を進めています。

2つ目です。舶用市場の需要が堅調に進みました。新造船竣工量の回復に伴い、売上、受注が増加しました。国内各造船所では新造船建造注残を2年半から3年分確保され、現在2028年までの船台の商談が進んでいます。

3つ目です。DXプロジェクトを推進し、新基幹システムへの投資を決定しました。

2025年3月期第2四半期決算サマリー

2025年3月期第2四半期の決算サマリーです。経営成績は、売上高50億6,000万円、営業利益4億7,600万円、経常利益4億6,200万円、親会社株主に帰属する中間純利益は3億2,300万円となりました。

前年同期比および今期期初予想に対する進捗率は、スライドの表に記載のとおりです。

売上高は増加しましたが、期初予想から3.6パーセント、金額にして1億9,000万円未達の結果となりました。上期に予定していた案件が資材の高止まり、工事人工の不足等により、下期へずれ込んだことが要因です。

なお、当中間連結期間における受注高は53億4,500万円となり、前年同期比8.5パーセント増となりました。

業績予想に対する進捗率

業績に対する進捗率です。売上高は期初の上期予想を下回り、一部の案件が下期にずれ込みました。営業利益は前年同期比で増益となっています。

経常利益増減分析

経常利益増減分析です。経常利益は前年同期比37パーセント増、1億2,700万円の増益となりました。しかし、今期期初予想比に対しては90パーセント止まりとなっています。

売上高は陸用、舶用とも対前年同期比で増加となり、特に舶用が大きく伸長しました。売上増加に伴い材料費も増加していますが、材料費アップに対する価格転嫁を進めました。

また、定期昇給を含む賃上げに伴い、人件費が増加しています。

売上高構成(市場、業界別)

市場別の売上高構成です。連結売上高市場構成比は、陸用市場48パーセント、舶用市場52パーセントと、前年同期比舶用市場が1パーセント増加で推移しています。しかし、単体売上構成比では陸用43パーセント、舶用57パーセントと舶用の売上構成比が大きく増加しました。これは、国内造船所の進捗があったことが大きな点です。

業界別では、前年度に受注した製鉄所向け大口案件の納入が始まり、鉄鋼・金属業界が増加しています。また、首都圏を中心とする再開発案件の納入時期となり、建築設備業界が対前年同期比27パーセントの増加となりました。

反対に、電力・ガス業界は前年度に海外発電所向け大口案件があったことから、対前年同期比では減少となっています。石油化学、電力・ガス業界の減収を建築設備、鉄鋼・金属、機械装置でカバーした結果となりました。

売上高構成(地域別)

地域別の売上高構成です。韓国では船舶排ガス用バルブの価格競争が続いていますが、規制対象船の増加に伴い、売上は増加しました。

中国では中国経済停滞の中、大型半導体工場水処理向けの需要が続いており、大きく増加しています。

マレーシアでは水道向け・パーム油工場向けの納入の谷間となり、前年同期比で減少しました。

売上高、受注高、受注残(市場別、単体)

単体での四半期ごとの売上高、受注高、受注残の推移です。第2四半期の受注高は21億3,600万円と低調でしたが、中間期累計では対前年同期比9パーセントの増加で推移しています。

受注残も45億円台を確保しています。今期、毎月初受注残は45億円以上を確保できており、前年期中平均に対し5億3,000万円増で推移しています。

貸借対照表

貸借対照表です。流動資産、固定資産はともに増加し、資産合計は前期末比で6億9,300万円の増加となりました。

2025年3月期 業績予想サマリー

2025年3月期の業績予想です。売上高101億5,000万円、営業利益7億8,500万円、経常利益8億2,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億6,000万円を見込んでいます。

また、1株当たり配当金は40円を予定しています。この見込みは2024年5月15日に発表した予想から修正はありません。

経常利益増減分析

通期の経常利益の増減分析です。原材料価格やエネルギーコストの高止まり、人件費の増加等が見込まれますが、継続して生産性の向上や売上原価の低減、原材料高分の価格転嫁を進め、利益増大を図っていきます。

中長期ビジョンと中期経営計画の位置づけ

奥村:ここからは成長戦略についてご説明します。

まず、中長期ビジョンについてご説明します。中長期ビジョン「Create 200」は、2031年3月期に売上高200億円を目指すビジョンです。そのためには既存領域の拡大はもちろんですが、新規分野への展開を行っていきます。

クリーンエネルギーへの移行や環境対策の推進に伴い、新しい流体制御のニーズが出てきています。そこに向けてしっかりとマーケティングや開発、カスタマイズ製品の拡充を行っていきます。

そして、現在の主力製品事業であるバルブをコアとし、その周辺の流体制御機器や、ソフトウェアも含めたシステムも視野に入れていきます。

さらに、現在五月雨式に注文をいただいているメンテナンス需要に関しても180度転換し、当社側からの積極的な提案型のメンテナンス営業を行い、積極的に需要を取り込むことで、メンテナンス事業として変革していこうと考えています。

そして、事業成長の過程で足りないピースに関しては、M&Aも視野に入れていきます。今取り組みを進めている第1次中期経営計画において、今年度は最終年度となります。来期に向けて検討を進めていきたいと考えています。

事業を取り巻く環境

当社を取り巻く事業環境についてご説明します。大きなところではGX、カーボンニュートラルがあります。

2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。これにはカーボンニュートラルに向けたロードマップが示されています。その中には天然ガスへの移行や、燃料としてのアンモニア、水素のエネルギー転換について言及されています。

また、今後10年間で官民合わせて150兆円の投資を見据えているとあります。カーボンニュートラルに向けたクリーンエネルギーへのシフトが加速していく状況です。

船舶に関しても、ゼロエミッション船の普及を促進すると記載があり、海運業界、造船業界も含め、カーボンニュートラルへの動きが活発化しています。

そのような動きの中、バルブ・流体制御の業界もこの変革に注目しており、開発を含めてしっかりと取り組んでいるところです。バルブへのニーズの変化も、それに合わせて変化していきます。したがって、新たなカスタマイズのニーズも出てくると認識しています。

脱炭素社会に向けたバルブの役割

カーボンニュートラルへの動きの中、クリーンエネルギー、例えばアンモニア、水素などのサプライチェーン全体で、上流から下流までの至るところでバルブ・流体制御の新たなニーズが出てきます。

オーケーエムでは、大量にクリーンエネルギーを作り、貯めて、運ぶといった上流プロセスに向けて、マーケティングや開発を進めています。

第1次中期経営計画方針

第1次中期経営計画のビジョンと方針です。脱炭素化に向けて、クリーンエネルギー市場を含む成長市場に対応できる新商品開発と、生産体制を含む販売体制を確立します。

基本経営戦略

基本戦略として4つを展開し、それぞれに取り組んでいます。

1つ目に成長市場に対応できる新商品開発と販売体制の確立、2つ目に既存の商品力の強化、3つ目に企業風土の変革、4つ目に社員満足度の向上に向けた取り組みです。

代表的な施策の進捗

基本戦略の中でも代表的な施策の進捗をお示しします。

スライドの上から、戦略Ⅰ・施策①として、アンモニア用バルブの製品開発を行っています。燃料用のアンモニア用バルブの中でも、特に船舶に使われるものです。船舶エンジンの燃料がアンモニアに置き換わってくることにマッチしたバルブの開発を進めています。現在はほぼ開発を完了しており、実地テストに入る段階です。

船舶の中でも燃料のラインや、アンモニアをエンジンで燃やした後の排ガスのラインについても、新たなバルブの開発を行いました。

また、スライドには記載していませんが、水素用のバルブも開発しています。マイナス253度の液化水素にマッチしたバルブの開発を進めており、過去3ヶ年にわたるプロジェクトとして取り組んできたもので、現在、製品化に向けての開発を進めている最中です。

次に、戦略Ⅲ・施策①です。ガバナンスの向上として、現在第2次中期経営計画の策定を行っています。新たな製品やサービスに加え、重点的に海外市場へ展開していくことを見据え、M&Aもメニューに入れて検討を進めているところです。

ここについては、できるだけ社員が参画して腹落ちするように、全員参加で計画を練っています。

2025年3月期 社長方針

第1中期経営計画の最終年となる今年度の重点施策として、3つの方針を展開しています。

1つ目は収益性の強化です。数字をご覧いただいたとおり、収益性が年々少しずつ落ちています。収益性向上のため、付加価値の高い製品やサービスの開発を進めていきます。

既存製品と新たに投入した製品も含めて、当社の付加価値をお客さまにしっかりとご理解いただきます。各業界に対して説明が足りないところはあるかと思いますので、お客さまに対して丁寧な説明を行い、付加価値を認めていただく活動を展開していきます。

2つ目は全体最適の徹底です。近年、会社の成長に伴って組織も大きくなり、社員数も増えてきています。したがって、組織間の壁もできていると認識しています。グループ全体にいい流れを作る、すなわち全体最適の視点で、業務の整理整頓やシステムの再構築を進めています。

3つ目は戦略的な人材施策の実行です。材料の「材」の「人材」から、財産の「財」の「人財」へと変えていきます。社員がスキルアップし、成長を実感できるように教育や育成の仕組みを再構築していきます。

サステナビリティへの取り組みについて

サステナビリティへの取り組みです。パーパスや社是に掲げているように、当社は事業活動の中で企業に求められるサステナブルの精神を創業時から実践しており、現在もさらに前へ進めています。

バルブをはじめとする製品の提供、会社としての社会貢献活動、社内の環境整備など、マテリアリティをしっかりと設定し、サステナビリティへの取り組みを進めています。

ESGへの取り組み(サステナビリティ戦略)

ESGへの取り組みです。製品を通じて貢献するもの、地域貢献活動を通じて貢献するもの、社内の活動で実現していくものなどの取り組みを展開してきました。今後についてもさらに取り組みを展開していきます。

各種取り組みに対する評価

スライドでは、各種事業の地域社会への取り組みなどで評価をいただいた一例をご紹介しています。

現状分析

企業価値の向上についてご説明します。まず、現状分析です。

当社の現状として、ROEは2021年3月期の11.2パーセントをピークに低下傾向にあります。これは利益率の低下が大きな要因だと捉えています。また、PBRについても2021年5月に1倍を割ってから、継続して1倍を下回っていると認識しています。

また、投資家のみなさまに対して、当社の中期経営計画の展開や、脱炭素・GXに関わる成長戦略について、まだ十分にお伝えし切れていない認識です。さらに言えば、オーケーエム自身そのものの認知度が低いと、当社として分析・認識しています。

企業価値向上に向けた施策

そのような分析を踏まえ、企業価値向上に向けた施策を3つ展開しています。1つ目が収益性の強化、2つ目が株主還元の強化、3つ目がIR活動の強化です。

収益性の強化

1つ目の収益性の強化です。スライドに記載のとおり、3つの重点項目を含め、計画した事業戦略を着実に実行していきます。

市場・業界の状況は刻々と変化しています。その変化にしっかりと対応した施策、あるいはカスタマイズ製品を、早く手を打って出していきたいと考えています。また、安定してROE8パーセント以上を実現する企業を目指し、作っていきます。

株主還元の強化

2つ目は、株主還元の強化です。研究開発や設備投資の充実を図ります。配当性向30パーセントを目処に、継続的かつ安定性に配慮した配当を実施していきたいと考えています。

2024年3月期においては、期初予想から5円増額した40円の配当を実施しました。2025年3月期においても、40円を安定的に配当したいと計画しています。また、事業の成長で企業価値を高め、キャピタルゲインにも貢献できるよう展開していきます。

IR活動の強化

3つ目は、IR活動の強化です。当社の認知度をさらに上げていくこと、正しく理解していただくことが課題です。決算情報や適時開示情報の開示は当たり前ですが、個人投資家向けIR説明会を年に4回から5回程度は継続的して実施していこうと考えています。

結びとなりますが、オーケーエムはお客さまの流体制御のニーズに細かくお応えすることで事業を発展させていきます。事業発展を通じて、顧客満足度、社員満足度、株主さま満足度の向上に加えて、持続可能な社会に貢献していきます。

以上でご説明を終わります。ありがとうございました。

質疑応答:生産体制の拡充について

司会者:「受注残が高水準で推移していますが、生産体制を拡充する必要はありませんか?」というご質問です。

奥村:生産設備については、2019年頃に東近江工場を建設し、2020年に研究開発センターを竣工、そして中国の工場を移設・拡充した経緯があります。

現状、生産は一定程度増えても大丈夫だと見ていますが、社内では「Create 200」に向けて第二次中期経営計画や、その先も含めた議論を進めています。その中で、現在の主力工場である日野工場の老朽化が進んでいます。

また、「Create 200」に向けた生産量の増大や新たに開発した製品、生産品目の増加・変化に対応する必要があるだろうと議論しています。

このような先を見据えると、工場への投資がもう少し必要になるのではないかという意見や議論も出ています。工場の建て替えも含めて、どのような施策を打てばいいのかという、将来の成長に向けた可能性について議論を深めているところです。

ご説明のとおり、DXへの投資を決定し、現在は実行段階に入っています。システム投資に関するプロジェクトを組み、生産工程、いわゆる主に作る部分のDXを進めています。

生産工程や製品群の標準化は、外部から見るとカスタマイズ製品として特殊に見えますが、社内では標準品にしてしまおうという検討を進めています。

また、それに伴うシステムの再構築によってこの仕組みをしっかりと固めようと考えています。その結果、生産工程を見える化し、リードタイムを短縮し、在庫を減らすことで、生産性の向上を実現します。

このようなかたちでハードウェア、あるいはソフトウェア面への投資を進めていきたいと考えています。

質疑応答:業績予想が達成できない場合に想定されるリスクについて

司会者:「業績予想の進捗について、売上高は半分、営業利益は61パーセントとありました。売上も利益も順調に進捗していますが、これが達成できないことがあるとすると、どのようなことが想定されますか?」というご質問です。

奥村:一般的に言われるリスクとしては、地政学的リスクの増大や、新型コロナウイルスのように新たな感染症等の蔓延による経済活動の停滞はあるかと思います。

それ以外には、昨年もご説明しましたが、日本国内の工数が逼迫し、生産調整を行ったところがあります。需要の拡大とともに受注量も増えてくる中、現在は生産体制を整えていますが、この増加いかんによっては工数が逼迫する可能性もあるというリスクをはらんでいます。

これについては現在、中国やマレーシアなど海外工場との生産の分担をしっかりと再配分し、工数逼迫にならないよう分散を行っています。海外工場の活用、あるいは外注先の活用によって需要の増大に対する生産体制の拡充を行い、リスクを回避している段階のため、当面は問題ないと見ています。

今期は予想どおり、もしくは利益が少し上振れするかと見込んでいます。

質疑応答:トランプ政権による脱炭素市場への影響について

司会者:「御社は今後、いわゆる脱炭素対応商品に傾斜していくと理解しました。一方で、米国では2025年1月20日にトランプ大統領が返り咲き、『脱・脱炭素』とも呼ばれるエネルギー・社会政策にシフトすると言われています。脱炭素を巡る市場の変化の可能性をリスクとして捉え、準備されていますか?」というご質問です。

奥村:トランプ氏が再選されたことで、産業構造がまた変わるのではないかというご質問です。

短期的には若干の踊り場であり、少し停滞する可能性はあると認識していますが、大きな流れとして、次のエネルギー対策についてはしっかりと取り組まなければならないため、全世界的な課題だと捉えています。

米国・ヨーロッパの動きとして、クリーンエネルギーや脱酸素については米国の影響を受けるだろうとは思いますが、一方でしっかりと推進もしていくだろうと認識しています。

また、現在はクリーンエネルギーに対して開発に注力していますが、それ以外の動きに対してもマーケティングやリサーチを行い、そこに合わせたカスタマイズ製品を生み出していけると考えています。市場の動きに合わせて柔軟に対応していきたいと考えています。

質疑応答:前四半期から営業利益率が半減した要因について

司会者:「2025年3月期第1四半期と第2四半期の会計期間で比較した際、営業利益率が12.9パーセントから6.4パーセントと半減している主な要因は何ですか?」というご質問です。

奥村:こちらは、第1四半期における海外法人である子会社との連結決算の処理において、第1四半期だけの一時的な数字の影響が出たためです。また、第1四半期にカスタマイズ製品の納入が集中し、出荷されたところも重なっています。

この連結処理の影響は、第1四半期に限定された事象です。また、第2四半期の営業利益率が特段大きく下がったとは認識していません。

今後は下期においても、第2四半期水準での営業利益率で推移すると見ています。ただし、7月に価格改正を行っているため、その効果が下期から出てくると見ています。したがって、利益に関しては現在の見込みを少し上回るかと見込んでいます。

質疑応答:DXプロジェクトで見込まれる効果や投資金額の妥当性について

司会者:「DXプロジェクトについてご説明がありましたが、プロジェクトの結果、どのような効果を見据えていますか? また、3億円という投資金額は妥当ですか?」というご質問です。

奥村:DX投資に対する効果について、狙いも含めて回答すると、現在、当社の製品群のカスタマイズが増え、複雑化しています。それにより、これから先は原価精度の正確性がさらに求められる中で、この複雑なカスタマイズ製品を処理していく必要があります。

そのような背景を踏まえ、生産工程や製品群を見直し、標準化しました。外部から見るとカスタマイズは特殊ですが、当社の中ではこのような製品群を標準化しています。最終的には、その仕組みの変更をシステムで強力にサポートするための投資を、現在進めています。

これにより、生産管理や工程の見える化、リードタイムの短縮、在庫の圧縮、生産性の向上がしっかりと効果として出てくると見ています。

また、この投資判断の前段階においては、社長を長とするプロジェクトを発足させ、工程を含めた細かな現状分析を行い、これからの事業や会社の成長に合わせた将来のシステムの姿を描いてきました。

社内外の知見を取り入れて細かく検討してきた結果、この投資が中長期で当社の企業価値向上のベースになると判断し、投資額を3億円としています。

質疑応答:第2次中計の内容、第1次中計の課題や反省点について

司会者:「『第2次中期経営計画の策定を推進する』とお話しいただきましたが、すでに具体的に決まっていることはありますか? また、第1次中期経営計画について、現時点での課題や反省点があれば教えてください」というご質問です。

奥村:第2次中期経営計画については申し訳ありませんが、現在検討を進めている最中であり、具体的な紹介や開示できる情報はありません。こちらについては、来年5月の決算説明会には開示します。

また、現時点での反省点についてです。策定における反省点を挙げると、前回の中期経営計画では社内で腹落ちしきれていなかったのではと考えています。

したがって、第2次中期経営計画の策定においては、できるだけ多くの社員がこの策定に携われるよう委員会やプロジェクトを拡大して検討を進めています。

現在もさまざまな議論が活発に行われているため、非常に良い第2次中期経営計画ができるのではないかと見込んでいます。

配信元: ログミーファイナンス

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