ベルシステム24ホールディングス<6183>は、株主に対する利益還元を最重要課題の1つとして認識しており、剰余金の配当を安定かつ継続的に実施し、業績の進捗状況に応じて配当性向及び必要な内部留保の充実などを総合的に勘案したうえで、中期的には親会社の所有者に帰属する当期利益をベースに、連結配当性向50%を目標として、中間配当と期末配当の年2回の配当を行うことを基本方針としている。
2025年2月期中間期には、減益決算ながら1株当たり中間配当30円と前期と同額の配当を実施した。期末配当も前期と同額の30円を計画し、2025年2月期の年間配当金は合計60円、配当性向は55.0%になる見通しだ。同社の配当性向は、2024年3月期東証プライム市場サービス業の平均水準39.0%を大きく上回り、株主重視の経営姿勢を示していると評価できる。
なお、東証では2024年8月に、上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する今後の施策について要請を行った。同社では、ROEについては2024年2月期の株主資本コストは8%程度で、株主資本コストを上回るROE水準を維持しているが、引き続き資本収益性の向上を目指す。PBRについては、2024年2月期のPBRは1.9倍程度で、過去5期も恒常的に1.0倍を大きく超えて推移しているが、引き続き市場評価の改善を進める。さらにキャッシュ・アロケーションでは、2024年2月期の営業キャッシュ・フロー135億円は、株主還元に44億円、事業投資・設備投資に31億円、有利子負債の返済に59億円を利用しており、株主還元、成長投資(事業投資・設備投資)、有利子負債の返済にバランス良く配分する方針である。同社では、引き続き株主重視の経営を継続すると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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