株価は10月15日に発表された2026年2月期の業績予想の下方修正を受けて、500円近辺から400円を割り込むまで調整した。下方修正は、主に、AI事業における既存事業であるロゼッタ社の翻訳AIの売上計画の未達、新規事業における AI関連の受託開発案件の受注計画の未達を主な要因としている。
一方、修正された業績予想によれば、通期の売上高は前期比10.2%増の4,500百万円で過去最高売上を更新し、営業利益は同10.8%増の130百万円と増収増益に転じる見込みである。上半期の営業損益は26百万円の赤字であり、回復が鮮明化するということになる。前期の最終四半期から着手した「構造改革」(破壊と創造)は、前期の最終四半期比で122百万円の販管費削減となっており着実に進展している。売上改善に遅れがあるものの、前期の最終四半期を底として、構造改革の効果創出が始まる今期の第3四半期以降は成長再加速に向けた先行投資の効果が徐々に進むことになろう。
12月18日には、子会社である株式会社ロゼッタが、主力サービスの高精度AI翻訳「T-4OO(ティーフォーオーオー)」に、生成AIを活用した新機能「対訳自動作成」「用語集自動作成」の搭載を発表した。今回のアップデートにより、ユーザーが従来手作業で整備していた翻訳資産(過去の翻訳済み文書・用語集)を、生成AIが自動で抽出・加工し、翻訳精度と業務効率を大幅に向上させることが可能となった。新機能(1)として「対訳自動作成」:日本語文書と英語文書を読み込ませるだけで対訳を自動で生成。生成AIが文単位で対応関係を解析し、日本語と英語の文書から自動的に「対訳データ」を作成し、編集工数を大幅削減するともに、チェック作業の削減効果は最大50%に及ぶケースがある。同(2)として「用語集自動作成」:日本語と英語からなる対訳ファイルから生成AIが用語集を自動で作成し、翻訳精度が安定する効果が期待できる。
本格的な売上再成長は来期以降となる見通しだが、その発端となるサービスであろうことが想定される。今回の新機能搭載のリリースに先立ち、同社は、新ビジョン「人手の修正が不要な翻訳AIを創る」を発表している。今回のリリースは、新ビジョンの実現に向けた主力サービスの高精度AI翻訳「T-4OO(ティーフォーオーオー)」の開発成果の一環として発表したものであり、今後は、この開発投資の効果創出による収益貢献が期待される。
同社ではAIとメタバース事業とM&Aでの成長により、2028年2月期の売上高で13,400百万円を目指している。10年以上の長期スパンであると、売上100,000百万円以上が目標となる。M&Aも多用されるであろうことで、利益は読み難いものの、実力値として最低限確保できるであろう営業利益率10%を2028年2月期で達成し、これも最低限の数値となるであろう上場企業の平均PER15倍が付いたとした場合、時価総額は120億円を上回る(現在43億円)。
2024年12月には元Google三好真氏のCSO就任、4月には元P&G秋山史門氏のCMO就任、2025年8月には元RIZAPグループ取締役の鎌谷賢之氏のCFO就任など新たなCXO体制が発表されていた経緯もあり、体制構築が数値へどのように表れてくるのかは楽しみな局面といえる。
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