タメニー<6181>は、企業理念に「よりよい人生をつくる。」、存在意義(パーパス)に「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」を掲げ、婚活事業及びカジュアルウェディング事業を中心に展開している。
1. 婚活・カジュアルウェディングの高い信頼性・ブランド認知度が強み
結婚相談所・オンライン結婚相談所・婚活パーティー・オンライン婚活サービス等の婚活事業、カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュース等のカジュアルウェディング事業を中心に、周辺領域として、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム・結婚相談所連盟や成婚後サポート・保険代理店等のライフ&テック事業、地方自治体向けの婚活支援システムや婚活支援センター運営受託等の地方創生事業にも展開している。4つの事業分野で幅広く全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、業界首位の成婚率など高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。
2. 2024年3月期第2四半期累計は前年同期比、計画比とも損失縮小、EBITDAは黒字基調
2024年3月期第2四半期累計業績(非連結決算に移行)は売上高が2,583百万円、営業損失が119百万円、経常損失が149百万円、四半期純損失が129百万円だった。前年同期の連結業績との比較で見ると売上高は109百万円減少したが、営業損失は32百万円縮小、経常損失は27百万円縮小、四半期純損失は63百万円縮小した。売上面は法人向け事業譲渡などが影響して減収となったが、利益面は販管費削減効果などにより損失縮小した。EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却費)は70百万円で2百万円減少したが黒字基調となっている。なお計画との比較で見ると売上高は109百万円下回ったが、営業損失は20百万円縮小、経常損失は20百万円縮小、四半期純損失は13百万円縮小した。各利益は前年同期比、計画比とも損失縮小した。
3. 2024年3月期業績予想を据え置き、下期は改善基調で通期では黒字予想
2024年3月期の業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が5,780百万円、営業利益が50百万円、経常利益が0百万円、当期純利益が20百万円としている。2023年3月期連結業績との比較では売上高が175百万円増加、営業利益が201百万円増加、経常利益が230百万円増加、当期純利益が257百万円増加の見込みである。売上面では下期にカジュアルウェディング事業の増収を見込み、利益面では下期に一段の販管費減少を見込んでいる。販管費では特に拠点統廃合効果による地代家賃削減効果が下期から本格化する。カジュアルウェディング事業では、カジュアル挙式披露宴プロデュース「スマ婚」シリーズと結婚式二次会プロデュース「2次会くん」の施行件数が下期に大幅増加する見込みだ。また地方創生事業では、婚活支援システム関連の収益の大部分が第4四半期に計上される見込みだ。収益は改善基調である。弊社では、期初時点で下期偏重の計画だったこと、上期の損失縮小が計画を上回る水準で着地したこと、下期にカジュアルウェディング事業の施行件数増加が見込まれることに加え、施行金額も上昇傾向であることなどを勘案すれば、会社予想の達成は可能であり、さらに上振れの可能性もあると考えている。
4. 経営基盤再整備により短期的な業績回復を達成
同社は2022年3月期までは債務超過を解消するための短期的な業績回復施策として、広告投資抑制や固定費削減などの経営合理化施策を優先したが、2023年3月期は高収益体制の確立、プロダクトの競争力強化、財務基盤強化など、中長期視点で成長に向けた経営基盤再整備を推進した。2024年3月期は、2025年3月期以降の成長路線回帰に向けて構造改革を継続する方針としている。さらに中長期戦略の要として、パーパス(存在意義)を定義した。短期的な業績回復の達成により、中長期的な成長に向けた戦略を改めて推進する方針だ。
5. 攻めの経営施策に転じることで収益力回復が加速する可能性に期待
同社は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて一時的に収益が大幅に悪化し、バランスシートも大きく悪化したが、経営合理化施策の推進による固定費削減効果等が寄与して、2024年3月期は黒字回復を見込んでいる。経営合理化施策を優先して短期的な業績回復を達成したことにより、弊社では最悪期を脱したと評価している。今後はバランスシート改善に向けた収益力の向上が課題となるが、事業環境は改善基調であり、同社の特徴・強みを活かした攻めの経営施策に転じることで、収益力回復が加速する可能性に期待している。
■Key Points
・婚活事業及びウェディング事業を主力に4つの戦略領域で高品質サービスを提供
・2024年3月期第2四半期累計は前年同期比、計画比とも損失縮小、EBITDAは黒字基調
・2024年3月期予想を据え置き、下期は改善基調で通期では黒字予想
・経営基盤再整備により短期的な業績回復を達成
・攻めの経営施策に転じることで収益力回復が加速する可能性に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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