1. ソーシャルサポート業務戦略:メタバース・NFTなど成長分野に全方位営業
主力のソーシャルサポート業務では、監視とカスタマーサポートを強みとしつつ、様々な領域を新たに開拓して成長してきた。2018年からの仮想通貨(本人確認審査など)、2020年からのキャッシュレス決済(加盟店審査など)、2021年からの動画監視やワクチン接種サポートなどいずれも成長市場を捉えて、事業化に成功してきた。2022年の注力分野としては、メタバース・NFT・ギガスクール、自動運転などが挙げられる。イー・ガーディアン<6050>の参入ステップは、まず新サービスを想定したプロトタイプとしてのサービスモデルを開発し、顧客の反応を確認しながら精度を上げ、拡販していくというものである。自社に足りない経営資源は積極的な提携を行って補うのも同社の特長である。具体例を挙げると、同社は2022年4月に、開発中のゲームが著作権違反等の指摘を受ける可能性を評価、検証する「コピーコンテンツテスト」をメタバースやNFTプラットフォーム上で取引されるNFT作品における著作物にも対応させることになった。2022年5月にはメタバースプロダクトの研究開発及び導入支援を手掛けるメタフロンティアとの連携を開始した。市場成長の初期に参入し、監視やカスタマーサポートのニーズを的確に把握して基盤を築くのが同社の成功パターンとなっている。
2. サイバーセキュリティ業務戦略:クラウド型WAFを開発しサービス提案機会を最大化
同社としてはサイバーセキュリティ領域を次代を担う成長分野と捉えており、脆弱性診断などネットセキュリティ(人的サービス)とクラウド型セキュリティ(自動・機械的サービス)の両輪で市場を開拓している。2022年の新たな挑戦としては、サイバーセキュリティ事業のサブスクリプション型ビジネスへの進化を狙う。具体的には、子会社のEGセキュアソリューションズが提供するソフトウェア型WAF「SiteGuard(サイトガード)シリーズ」と、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も有効性を認めた次世代クラウド型WAF「GUARDIAX SaaS版」を融合し、新たなクラウド型WAFを開発する取り組みである。サイバーセキュリティ業界ではクラウド型モデルを開始しているサイバーセキュリティクラウド<4493>が上場するなど、クラウド型のビジネスモデルが注目されており、業界の草分けの同社としても早期の参入をめざしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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