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三機サービス Research Memo(6):経営基盤及び事業基盤を再構築することで、収益基盤強化を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2023/09/08 15:26
*15:26JST 三機サービス Research Memo(6):経営基盤及び事業基盤を再構築することで、収益基盤強化を目指す ■今後の見通し

2. 新中期経営計画「SANKI NEXT STAGE 2025」
三機サービス<6044>は2022年7月、2023年5月期~2025年5月期を対象とする新中期経営計画「SANKI NEXT STAGE 2025」を策定した。コロナ禍等による事業環境の変化を踏まえ、2023年5月期~2025年5月期を中長期に成長するための収益基盤を強化する時期と捉え、経営基盤及び事業基盤の再構築を行う方針だ。

(1) 中長期経営ビジョン
2030年の目指す姿として、「安心・快適な空間のインフラを技術・データ・ITでプロデュース(クリエイト)する会社」とし、「事業を通じて環境負荷低減を実現し、地球の未来に貢献する会社」「高い技術とITの力でお客様の課題解決のその一歩先行く提案ができる会社」「社員が将来にわたっていきいきと安心して働くことができ、会社と共に成長し続けられる会社」を目指している。2030年以降については、「持続的成長期」と位置付け「付加価値提供型」「環境をプロデュースする」企業への変革を推進する。また、2030年のありたい事業規模として、売上高500億円、営業利益率10%、ROE28.2%を掲げている。

また、これを達成するために、「既存事業の深化」「環境分野の事業拡大」「成長投資」「人材育成」を基本方針とし、2023年5月期~2025年5月期を「収益基盤強化期」、2026年5月期以降を「発展期」、2030年以降を「持続的成長期」とした。

(2) 重点施策と数値目標
目指すべき方向としては、品質と技術力を高め、垂直方向へトータルでソリューションを提供する企業へのシフトを行う。また、重点施策として、事業規模の拡大(2026年5月期以降の発展期に売上高約2倍)、成長投資(M&A、内部強化)、付加価値向上(2026年5月期以降の発展期にROE10%アップ)、人材育成(技術力・営業力・人間力強化、ワークエンゲージメント向上)の4つに加え、サステナビリティ(ESG)経営としてCO2削減への貢献及び健康経営の実現を掲げている。なお、事業構成としては、全体に占めるトータルメンテナンス及び環境ソリューションの割合を増やしていく。なお、製品の性能向上等により、メーカーメンテナンスの需要は今後大幅に変化がないことを想定している。

また、数値目標としては、最終年度の2025年5月期に売上高21,450百万円(2023年5月期は14,733百万円)、営業利益1,034百万円(同575百万円)を掲げている。

a) 事業規模の拡大
付加価値提供型ビジネスによる既存事業の拡大と環境事業拡大により、発展期に売上高約2倍を目指す。

このうち、付加価値提供型ビジネスによる既存事業の拡大では、2025年の目指す姿として、蓄積してきたノウハウを強みに事業領域の拡大を掲げ、一歩先を行く提案で顧客の実現したい未来をサポートしていく。具体的には、設備設計段階から顧客に関われるようにソリューション営業を強化するほか、設備設計・施工設置・定期点検・メンテナンスのサイクルを確実に回し、サイクルそのものを拡大する。また、機器メーカーとの協業により機器の施工・設置・点検・メンテナンス需要を取り込んでいく。

環境事業拡大では、2025年の目指す姿として、環境事業を第三の柱にすべく、よりSDGsを意識したソリューションへ深化させるほか、カーボンニュートラルを見据えた付加価値の高いソリューション提案を行う。具体的には、省エネシステムの拡販として、大規模病院に加えて他業種にも拡販するほか、提案メニューの拡充・深化を図る。ソリューション提案力強化としては、環境分野の人材補強、顧客の問題を瞬時に解決できるソリューションスタッフの増加を推進する。また、エネルギーマネジメントシステム事業者登録によって補助金申請業務を強化する。このほか、新たな取り組みとして、サービス範囲の拡大、熱源及び空調機器の高効率機器への置き換え提案(重油から電気利用等など)、新規業界(物流センター)への横展開を計画している。

b) 成長投資
2025年の目指す姿として、出資等を伴う投資(アライアンス・M&A)や内部強化のための投資を掲げ、成長投資の実行やDX推進及びスマート化・デジタル化対応を進めていく方針だ。具体的には、戦略的なM&Aの実行や、知識習得・技術習得を推進するための出資に向け、M&A及びアライアンス強化を図る。また、研修内容の拡充や研修施設の充実、人材育成・採用、スマート化・デジタル化対応により、内部強化を図る。

c) 付加価値向上
品質向上施策及び原価低減施策を推進することで、発展期にROE10ptアップを目指す。具体的には、標準化の更なる推進(品質基準の設定と浸透)、ナレッジ共有・スキルトランスファー(知識の見える化による労働生産性向上)、パートナー施策(全国のパートナー企業網強化)、コールセンターの進化(顧客・パートナー企業・同社でwin-win-winを目指す)を進める方針だ。

d) 人材育成
専門技術者内製化・育成及び営業体制の強化を図ることで、人財ポートフォリオを進化させる。2025年の目指す姿としては、エンジニアでは空調・冷設スペシャリスト育成、営業ではソリューション営業、カスタマーサポートではスタッフ育成・増強を挙げているほか、新企業理念・新人事制度の浸透により、自ら動き新しい価値を創造できる人財及び次世代経営人財の発掘・育成を目指す。また、ナレッジマネジメントの推進・研修体系・採用強化も進めていく。

e) サステナビリティ経営
同社では、新中期経営計画の重点施策の1つとして、サステナビリティ(ESG)経営を掲げ、CO2削減への貢献及び健康経営の実現を目指している。Environment(環境)では、2022年5月期に約55万本※のCO2削減を実現し、顧客のCO2削減目標達成へ貢献した。また、他社の省エネ・再エネ等の活動への積極的な協賛も引き続き行っていく。Social(社会)では、健康経営の推進、多様な働き方の確保、ダイバーシティの推進に向けて、今後5年間で女性管理職比率を現在の6%から12%へ引き上げる方針だ。Governance(ガバナンス)では、社会及びステークホルダーからの信頼を高めるコーポレートガバナンス体制を構築していく。また、東京証券取引所プライム市場上場を目指し適用範囲の拡大を進めている。

※1本当たりCO2吸収量14kgとして計算。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ

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