1. 2021年3月期連結業績の概要
日本動物高度医療センター<6039>の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の2,847百万円、営業利益が同5.8%減の405百万円、経常利益が同8.9%減の410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%減の285百万円だった。
連携病院数、初診件数(紹介数)、総診療件数、手術件数が順調に増加して売上高は過去最高だったが、従業員数増加や待遇改善に伴う人件費の増加で減益だった。売上総利益率は34.9%で前期比2.0ポイント低下、販管費率は20.7%で同0.4ポイント低下した。連携病院数は同4.8%増の3,928施設、初診件数(紹介数)は同6.9%増の6,926件、総診療件数は同7.8%増の27,269件、手術件数は同6.6%増の2,108件と順調に増加した。いずれも過去最高となった。
なお新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響については、同社への影響は軽微だが、外出自粛で飼い主がペットと過ごす時間が増えたことにより、ペットのちょっとした異常に気付いて「かかりつけの病院」を利用することが増えたため、一次診療施設段階ではプラス影響があったようだとしている。
自己資本比率は上昇
2. 財務の状況
財務面で見ると、2021年3月期末の資産合計は前期末比84百万円減少して5,844百万円となった。主に流動資産で現金及び預金が減少し、固定資産では減価償却によって建物及び構築物(純額)が減少した。負債合計は同286百万円減少して3,507百万円となった。主に有利子負債が減少した。有利子負債依存度は同4.8ポイント低下して52.6%となった。純資産は同202百万円増加して2,336百万円となった。この結果、自己資本比率は同4.0ポイント上昇して40.0%となり、財務の健全性が高まった。なおフリー・キャッシュ・フロー(FCF=営業CF+投資CF)は434百万円だった。大型投資がなく、プラスを維持した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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