2. 市場環境
保険業界の国内市場規模についてエージェント・インシュアランス・グループ<5836>によると、2023年3月時点での生命保険が38.0兆円(保険料等収入ベース)、2024年3月時点での損害保険は9.1兆円(正味保険料ベース)であった。生命保険は損害保険の4倍超で、かつ米国、中国に次ぐ第3位の規模。国策の影響で、NISAやiDeCoなどをはじめとした投資に興味を持った人も多く、2023年3月時点の国内の生命保険市場規模は一時的に拡大したものの、少子高齢化や労働力人口の減少などにより、今後は緩やかな減少傾向が続くと見られている。一方、同社が属する損害保険市場は、近年増加傾向にある天災リスクやサイバーリスク等により毎年その規模が拡大しており、2023年3月時点では初めて9兆円を突破した。ポートフォリオの内訳では、自動車保険及び自賠責保険合計で全体の約55%(正味保険料ベース)を占めている。
国内の損害保険市場規模は年間9兆円台を突破し、拡大傾向が続いている。一方で、損害保険代理店数は1999年以降大幅に減少しており、2024年3月時点では15.0万店となった。今後も減少傾向が続くと見られているが、これは保険代理店に求められる募集品質レベルや管理体制等の高度化、保険代理店事業主及び従業員の高齢化問題(代理店主の年齢のうち50歳以上は75.5%、60歳以上は40.6%)が背景にある。
このような市場環境の下、同社は後継者不足などから存続が困難である保険代理店及び保険募集人をパートナー社員もしくは勤務型代理店として受け入れる「保険代理店支援プラットフォーム」を展開している。具体的には、営業・事務両面からのサポートとして、週1回の面談による業務フォロー、定期勉強会やe-ラーニングを活用した研修支援、FP(ファイナンシャル・プランナー)資格を持った社員の営業同行支援等を通じて、保険業法や各保険会社の規則に則った業務の継続をサポートし、合流したパートナー社員もしくは勤務型代理店が「あんしん」して働ける環境を創出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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