―4~12月期決算通過、業績・配当予想の増額で水準訂正余地膨らむ銘柄リストアップ―
期初に懸念されたトランプ米政権の関税政策などの逆風を跳ね返し、企業業績は想定以上の強さを示している。先週までに一巡した25年4~12月期決算では、東証プライム上場企業の6割超が増益を達成した。上期時点では製造業を中心に先行き不透明感が燻っていたものの、世界的に拡大するAI(人工知能)関連需要の取り込みや収益力の底上げなどが牽引し、通期業績見通しを引き上げる企業が相次いだ。決算通過を受けて好業績銘柄を改めて見直す動きが広がるなか、ここでは直近決算で上方修正に踏み切った企業のうち、株主還元にも積極的で上値期待が膨らむ妙味株を探った。
●上方修正ラッシュ、業績拡大の裾野広がる
1月5日から2月20日までに26年3月期通期の業績予想を修正した企業を集計したところ、経常利益または税引き前利益の計画値を従来予想から引き上げた企業は439社に上り、上期決算発表シーズンに続いて400社を超えた。期初は米国の関税政策や為替動向などを警戒し、慎重な計画を立てていた企業が多かったが、生成AIの急速な普及やコスト上昇に対する値上げの進展などを背景に上方修正が相次いだ格好だ。同時に配当を増額するケースも多く、企業の株主還元姿勢は一段と鮮明になっている。
業種別では、AIへの積極投資を追い風とする半導体製造装置関連に加え、 データセンター増設ラッシュの恩恵を受ける電力設備や電気工事、高機能素材などの周辺企業に上方修正が目立つ。とりわけ、構成銘柄のおよそ4割が通期計画を引き上げた非鉄金属では、フジクラ <5803> [東証P]や古河電気工業 <5801> [東証P]といった電線大手がAIインフラ需要を捉えたほか、貴金属市況の上昇を背景に住友金属鉱山 <5713> [東証P]なども大幅な増額修正に踏み切り、セクター全体の好調さが際立っている。
内需関連では、建設セクターの存在感が増している。人手不足や資材高といった逆風が続くなかでも、追加工事の獲得や価格転嫁の進展によって収益力を高め、清水建設 <1803> [東証P]など大手ゼネコンを筆頭に利益水準を大きく切り上げた。株価に大きなインパクトをもたらしたケースも多く、決算発表後に上場来高値を更新する銘柄も相次いだ。一方、中国経済の停滞やコスト上昇などの影響を受け、下方修正を余儀なくされた企業は165社となった。
今回は、直近の決算発表で業績・配当予想の上方修正と最高益見通しを打ち出した絶好調銘柄に照準を合わせた。以下で取り上げる銘柄はいずれも決算発表後に上場来高値を更新しているが、予想PERやPBRといった指標面では依然として割安感を残している。業績という確かな裏付けを武器に、更なる株価上昇が期待される優良バリュー株を6銘柄ピックアップした。
◎リケンNPR <6209> [東証P]
リケンと日本ピストンリングが経営統合して誕生した自動車部品大手。主力製品のピストンリングなどで世界有数のシェアを誇る。足もとでは、両社の拠点統廃合や資材調達の共通化といった統合効果の順調な進展に加え、製品の価格適正化や為替の円安基調も追い風となり、利益率が着実に改善している。これを背景に、今期の経常利益を従来の減益予想から一転、過去最高益見通しとなる150億円(前期比2.2%増)へ上方修正し、配当も165円と前回から30円積み増した。配当利回りは4%近辺で予想PER10倍台、PBR0.7倍台と割安感も際立つ。また、長年培ってきた内燃機関向け技術を応用し、半導体製造装置向けヒータユニットや医療機器など新領域の育成にも注力しており、中長期的な成長余力も備えている。
◎日東工業 <6651> [東証P]
配電盤大手で、電気設備を保護するキャビネットの国内トップメーカー。4~12月期は、企業の底堅い設備投資需要やIT投資意欲の高まりを背景に、高圧受電設備やネットワーク部材などの販売が好調に推移した。決算発表とあわせて、今期の経常利益を149億円(前期比10.2%増)へ上方修正し、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。配当も132円(従来比8円増)に増額している。配当性向50%、DOE(株主資本配当率)4.0%を下限とする方針に前期から移行しており、手厚い株主還元も評価ポイントだ。一方、旺盛なデータセンター需要の取り込みを狙い、約74億円を投じてシステムラックの新工場を建設する計画を示すなど、成長投資にも余念がない。株価は着実な下値切り上げトレンドを描き、24日には2024年3月につけた上場来高値の更新を果たしている。
◎都築電気 <8157> [東証P]
1932年創業の老舗ICTベンダー。24年1月に電子デバイス事業を売却し、主力の情報ネットワークソリューション領域へ経営資源を集中させる事業ポートフォリオの変革を断行した。この構造改革が実を結び、足もとの業績は絶好調だ。成長分野へのリソースシフトによって収益性の高い開発・構築案件が拡大基調にあるほか、適正価格での受注徹底や生産性向上も奏功し、売上総利益率が急改善している。今回の上方修正で通期の経常利益は81億5000万円(前期比23.6%増)と4期連続の最高益更新を見込み、配当は121円(前期は99円)と5期連続の増配を予定する。官公庁や金融機関向けを中心に豊富な受注残高を抱えており、来期に向けた視界も良好だ。一方、予想PERは12倍台にとどまり、指標面の割安感から見直し買いの余地は大きい。
◎日本空調サービス <4658> [東証P]
独立系の設備メンテナンス大手。大型病院や製造工場など、厳密な温度・湿度管理が求められる特殊環境施設向け空調の維持管理に強みを持つ。売上高の約4割を年間契約が占めており、景気変動に強い安定したストック収益基盤を確立している。企業の旺盛な設備投資需要が続くなか、工場における環境改善や省エネのニーズ拡大、適正価格での受注が奏功し、決算発表と同時に今期の経常利益を50億円(前期比14.3%増)に上方修正するとともに、配当も6円増額修正した。足もとでは九州の半導体工場などからも案件を受注しており、AI普及を受けた関連施設の建設ラッシュも追い風に、将来的な保守・リニューアル工事の更なる拡大が見込まれる。ROE12.5%という高い資本効率に加え、配当性向50%、DOE5%程度を目安とするなど株主還元にも極めて積極的だ。
◎FJネクストホールディングス <8935> [東証P]
資産運用型マンション「ガーラ」を東京都心や横浜など入居ニーズの高いエリアに展開。開発から販売、賃貸管理までの一貫体制と高いブランド力が強みだ。4~12月期は中古マンションの販売増が収益を力強く牽引し、売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。更に、主力の資産運用型マンションの販売が計画を上回って推移していることや保有物件の賃料上昇も考慮し、今期の経常利益を135億円(前期比42.7%増)へ大幅に上方修正。配当も62円(前期は54円)に増額した。これを受けて株価は上場来高値を大幅に更新したものの、予想PERは6倍台と過去平均と比較しても依然として割安水準にある。70%を超える自己資本比率に裏付けられた強固な財務基盤もポイントであり、業績成長と株主還元の両立が期待される優良銘柄といえよう。
◎富山第一銀行 <7184> [東証P]
富山県を地盤とする第二地方銀行。4~12月期決算は、前期に自己資本の積み上げを目的として計上した多額の株式売却益の反動で大幅減益となった。ただし、日銀の政策変更に伴う貸出金利息の増加という追い風に加え、有価証券の利息配当金も想定を上回って推移しており、本業の収益力は力強く伸びている。こうした状況を背景に、今期2回目となる業績・配当予想の上方修正に踏み切った。期初予想は経常利益92億円(前期比51.5%減)としていたが、一転して同7.1%増の203億円に見直し、配当も78円(前期は34円)へ大幅に引き上げている。他の地銀株と比較しても予想PER11倍台、PBR0.8倍近辺と指標面での割安感は強く、相対的に下値不安が意識されにくい銘柄として注目される。
株探ニュース
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