2025年9月期通期の業績予想は、売上高で前期比19.5%増の9,500百万円、営業利益で前期比30.4%増の1,000百万円、経常利益で同31.0%増の825百万円、当期純利益で同49.9%増の570百万円と高い利益成長が続く計画である。
成長戦略としては、物件の高稼働によるストック型収入を着実に増やしながら、積極的な自社保有物件並びに大型ML物件の新規獲得を進めることで、業績拡大及び収益性向上を目指すとしている。売上高の内訳としては、ストック型売上5,904百万円(前期比7.0%増)、フロー型3,595百万円(同48.1%増)となりフロー型の伸びが著しい。ストック型では、既存物件の高稼働率を背景に賃料適正化を進め、収益性を向上させる計画である。保有物件では、2024年9月期に新規獲得した「(仮称)渋谷区鉢山町PJ(ミズレイコ72ビル)」「(仮称)渋谷区鉢山町PJ(カラート71ビル)」などが開業予定である。ML物件では、「(仮称)港区白金高輪PJ」「(仮称)横森製作所本社ビル再生PJ」などが開業予定である。フロー型では、保有物件2件の売却が決定している。また、来期以降の成長のポイントとなる物件の仕入は順調に進んでおり、年間4~6件の新規物件の獲得目標のうち、既に3件が獲得済である。
営業利益に関しては、中期経営計画の利益成長目標に従い30%成長を目指す。売上高営業利益率では10.5%(前期は9.6%)に達する予想である。新規開業する物件のリーシングを進め早期に黒字化させることや、既存物件の賃料適正化の取り組みの成否が収益性向上のカギとなるだろう。
弊社では、既存獲得物件のみで2025年9月期の売上高の達成が可能であることや、建築費上昇により、新築計画を断念したビルオーナーからの相談が増加。これに伴い、築古物件再生の需要がさらに高まっていること、リーシングに注力する物件はいずれも同社が得意とする渋谷区・港区エリアであり早期のリースアップが期待できること、などから業績予想の達成可能性は高いと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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