1. 2025年11月期の業績動向
property technologies<5527>の2025年11月期の業績は、売上高が50,909百万円(前期比22.3%増)、営業利益が2,041百万円(同49.9%増)、経常利益が1,684百万円(同65.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,082百万円(同70.3%増)と大幅な増収増益となった。期初予想に対しても、売上高で4,909百万円、営業利益で401百万円の超過達成と好調に推移した。
日本経済は、企業収益が全体として高水準で業況も良好さを維持している。また、雇用の改善や物価上昇の鈍化を背景に消費マインドも改善が見られ、緩やかな回復基調で推移した。一方で、各国の通商政策などの不確実性の影響による景気下押しのリスクが依然として残っており、金融資本市場の動向などに引き続き注意を要する状況が続いた。中古住宅再生事業の属する中古住宅流通市場は、同社決算と同期間の首都圏中古マンションの成約件数が前年同期比30%以上の増加、過剰感のあった平均在庫件数は同数%の減少と、順調に推移した。
このような環境下、中古住宅再生を扱うホームネットでは、各拠点で厳選仕入を強化して競争力の高い物件供給に努めるとともに、在庫保有期間が長期化している物件の販売を促進することで保有在庫のリフレッシュを進めた。また、ポータルサイト「KAITRY」の活用を進め、仲介会社への情報提供機能を強化することで独自の仕入ルートの拡充を図った。加えて商品多様化の観点からプレミアムマンションの取り扱いを本格化し、仕入からリノベーション、販売までのビジネスフローを確立した。注文住宅2社については、新設住宅着工数の前年割れが続くなか、住宅ローン金利上昇懸念や建設資材・物流コストの上昇、人手不足による人件費高騰、工期遅れなど厳しい状況が続いたが、顧客ニーズに沿った土地の仕入強化や新商品の開発投入、顧客との接点を増やすイベントの開催などに注力し、売上高と利益の確保に努めた。
同社の業況は、厳選仕入による魅力ある物件の販売が好調に推移したことを背景に、長期保有在庫の処分販売を第4四半期中心に強化したため、仕入契約額と販売契約額が2ケタ増となった。期末在庫額(実需)の抑制と期末在庫額(オーナーチェンジ※)の減少にもつながり、長期保有在庫の問題はおおむね終息した。査定数は厳選仕入によって絞り込んだため伸びが低くなった。この結果、売上高はマンションの伸びをテコに大幅な増加となった。利益面では、売上総利益率が長期保有在庫の販売を強化した第4四半期を中心に低下した。一方で、販管費率は売上高の増加に伴う変動費は増加したものの、固定費の伸びを抑制したため改善し、営業利益は売上高を上回る伸びとなった。
※ 賃貸としても魅力がある物件に関して、同社がリフォームし販売までの保有期間中に賃料を得る方式。長期保有在庫の有効な活用方法でもある。
期初予想との比較では、第3四半期までは販売数の増加、販売価格の上昇、売上総利益率の改善といった厳選仕入の効果が想定以上に大きく、加えて開発物件の収益性が高かったため、売上高、利益ともに高進捗となった。第4四半期は、第3四半期までの貯金を背景に長期保有在庫の処分を加速したことで売上総利益率は下がったが、通期でも売上高、営業利益はともに大幅な超過となった。
子会社別の業績は、ホームネットが売上高42,739百万円(前期比28.5%増)、営業利益1,746百万円(同65.0%増)となった。全部門で大幅増収増益となったことが好調の要因である。スタンダードマンションは、厳選仕入した物件が想定以上に好調に推移し長期保有在庫の処分も加速したことで、引き続きホームネットの収益の柱となった。立ち上がったばかりのプレミアムマンションと好採算案件のあった開発案件も収益への貢献が大きかった。戸建住宅2社は、2社の引渡件数が前期比4.2%減の249件となり、減収減益となった。戸建て住宅の環境が厳しく、またリフォームの体制構築を進めているなか、新商品の開発や追加工事の確保などにより相応の売上高と利益を確保したことは大いに評価できる。
なお、プレミアムマンションの売上総利益率が低下しているのは、スタートしたばかりの2024年11月期に特に利益の高い物件が売れたことによる。また、プレミアムマンションの販売強化のため、2025年10月に中国の富裕層向け資産管理会社のリーディングカンパニーであるNoah Holdings Limitedの100%子会社であるアーク(株)と業務提携契約を締結した。足元では、2026年1月に、外国人顧客向けに不動産ビジネスを展開するYAK ホールディングス<375A>の100%子会社である(株)YAKと業務提携基本合意契約書を締結した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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