1.本実証の背景・目的
2050年カーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の導入拡大が求められており太陽光発電はその主力電源とされていますが、日本は平地面積が少なく従来のシリコン系太陽電池では適地が限られることが課題として挙げられます。一方、フィルム型ペロブスカイト太陽電池には、軽量で柔軟という特徴があり、従来設置が難しかった場所に適用できる可能性が増すことから、再エネ導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されています。
本実証は、積水化学が製造するフィルム型ペロブスカイト太陽電池を、朝日エティックの設置・施工技術を用いて、コスモエネルギーグループが運営するサービスステーション屋根や事業所のタンク壁面等へ設置することを検証するため、取り組むものです。
本実証で得られた結果を、全国の耐荷重が少ない屋根や垂直曲面設備等へも展開することで、ペロブスカイト太陽電池を用いた再エネの導入の拡大とカーボンニュートラルへの貢献を目指してまいります。
2.共同実証実験内容
1.タンク壁面設置を想定した実証実験
設置場所:コスモ石油中央研究所のタンク壁面
実証期間:2024年7月より1年間を予定
実証内容:事業所のタンク壁面を想定した、垂直曲面設備への設置・施工方法の検証と発電データの測定
実証実験の様子(タンク壁面1.)
実証実験の様子(タンク壁面2.)
2.サービスステーション屋根設置を想定した実証実験
設置場所:朝日エティック東京工場のモデルサービスステーション屋根
実証期間:2024年7月より1年間を予定
実証内容:サービスステーション屋根を想定した、耐荷重の小さい屋根への設置・施工方法の検証と発電データの測定
実証実験の様子(モデルサービスステーション屋根)
<各社紹介>
コスモエネルギーグループ
コスモエネルギーグループは、「2050年カーボンネットゼロ」を宣言し、Vision 2030および第7次連携中期経営計画 Oil&New ~Next Stage~において「グリーン電力サプライチェーン強化」を掲げ、再エネ発電容量の拡大に取り組んでおります。今後も本実証を含めグリーン電力に対する様々な取り組みを通じて、2050年カーボンネットゼロを実現してまいります。
積水化学
積水化学は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の肝といわれる屋外耐久性において10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築しました。さらに、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しており、さらなる耐久性や発電効率の向上、1m幅の製造技術の確立に向けて開発を加速させています。
朝日エティック
朝日エティックは、70年に渡る給油所等ロードサイド店舗の建設・看板・電気・塗装・設備、並びにプラントの防爆電気計装の実績とノウハウを活かした設計・施工技術を用いて、本実証を始め省エネルギー化と再生エネルギー利用に関する取組みに貢献してまいります。
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