シーボン、2026年の創業60周年に向けたブランディングプロジェクトを始動 重点課題を遂行し更なる成長を目指す
2024年3月期第2四半期決算説明
崎山一弘氏(以下、崎山):社長の崎山です。あらためまして、本日はお忙しい中、当社の2024年3月期第2四半期決算説明会にお越しいただきありがとうございます。
本日は、管理本部責任者の瀧より第2四半期の決算のご報告を、私から事業の取り組みとして、主にブランディングについてご説明します。
2024年3月期 第2四半期 連結決算のポイント
瀧礼江氏:それでは2024年3月期第2四半期の決算報告をします。まず、連結決算のポイントについてご説明します。
売上高は、直営店舗事業はほぼ計画値での着地となりましたが、海外事業の中国向け出荷が計画未達となったため、当初計画比98.7パーセントの43億8,600万円となりました。
利益においては、イベントプロモーションやWeb広告等の宣伝活動に対する投資の拡大により広告宣伝費が増加したものの、地代家賃などの販管費の合理化を進めたこと、また、ブランディングの費用や店舗改装計画の一部後ろ倒しにより、営業利益は1億1,100万円、経常利益は1億1,200万円、当期純利益は6,900万円となりました。
2024年3月期 第2四半期連結PL
2024年3月期第2四半期における連結PLはスライドのとおりです。連結売上高は、新規顧客・既存顧客ともにキャンペーンなどが功を奏し、顧客単価が増加したため、前年同期比で増加となりました。
また、前期は特別損失に六本木本店ビルの建て替えに伴う退店などの支払補償費や解体撤去費用など2億3,400万円が計上されていましたが、今期は大きな特別損失の計上はなく、純利益段階まで黒字での着地となりました。
営業利益差異分析(前期比)
前年との営業利益差異分析です。原価や広告宣伝費などの増加があったものの、売上高が増加したことに加えて、前期で一時的に発生していた六本木本社ビル建替に伴う減価償却費の減少や、地代家賃や消耗品費等の販管費の合理化などを進めた結果、黒字での着地となっています。
貸借対照表
バランスシートです。資産・負債ともに大きな変化はなく、自己資本比率は前年度末に64.6パーセントだったのに対して、65.7パーセントと微増で推移しています。
販売チャネル別 売上高
販売チャネル別の売上高についてご説明します。主要チャネルである直営店の売上高は39億9,200万円で、構成比は91パーセントとなりました。通信販売は1億5,200万円、国内代理店は8,200万円、海外代理店は4,100万円、子会社を含むその他は1億1,700万円という結果になりました。
主力の直営店舗は、キャンペーンや新製品が堅調に推移したことなどを受けて購入単価が上昇し、売上高の増加につながりました。海外代理店はALPS処理水放出の影響を受け、当初想定していた販売計画から乖離があるものの、前年と比べて増加しています。
新規顧客の状況 - 直営店舗 -
直営店舗における新規顧客の状況です。新規顧客の来店者数は、第1四半期は前年を割ったものの、第2四半期は来店促進キャンペーンなどを行い前年同期比で増加しました。これにより第2四半期累計では前年同期比100.1パーセントと、前年並みでの着地となっています。
新規顧客に対する売上高は、新規顧客向けの期間限定キャンペーンを実施したため顧客単価が上昇し、前年同期比で112パーセントとなりました。新規顧客に対する売上高は上昇トレンドにあり、引き続き適切な投資を実施し、新規顧客の獲得に努めていきます。
既存顧客の状況 - 直営店舗 -
既存顧客の状況です。前期に新規顧客の獲得に注力したことで顧客数の減少に歯止めがかかり、継続数は前年同期比99.5パーセントと横ばいの着地となりました。
既存顧客の売上高に関しては、キャンペーンや新製品販売などが堅調だったことに加え、10月の当社会員規約の改正に向けて、一部顧客の中で駆け込み需要が発生したことにより顧客単価が上昇し、前年同期比103.9パーセントとなりました。
直営店舗以外の動向(代理店事業・海外事業)
直営店舗以外の動向についてご説明します。国内代理店事業では、4月からバラエティショップ向けの製品「LLL(スリール)」を販売しています。販売網は、4月販売時点の110店舗から、10月末時点で404店舗と確実に拡大しています。今後は、引き続き販売網の拡大に努めるとともに、市場での認知向上を図り、各販売先での販売数増加に努めていきます。
海外代理店は処理水放出の影響を受け、当初の想定を下回る進捗となっています。また、下期の受注も不確実性が高く、先を見通せない状況です。当初の目標達成のため、中国での販売だけではなく、その他地域の開拓をあわせて進めています。
続いて、2024年3月期のトピックスについて、崎山よりご説明します。
ブランディングの目的
崎山:私からは経営戦略の、主にブランディングに関してご説明します。
当社は2026年に60周年を迎えます。60周年を迎えるにあたって、2023年に策定した中期経営計画に基づいて60周年プロジェクトを始動しました。新たなフィロソフィー、新たなロゴを制定するなど、主力事業であるサロンのリブランディングを実施していきます。
ブランディングに際して、まずは外部から見た当社の強みや課題に対する意見を集めてみました。その結果、既存の課題としては企業、あるいはブランドの商品認知度が今ひとつ低いこと、加えて市場におけるブランドのイメージが具体的に形成されていないことが挙げられました。
また、製品の効果があり、非常に説得力があるという強みに対して、サロンを中心とした対面販売に比重を置いた結果、一般市場やECなど非接触型販売のノウハウが足りていないことが課題です。
直営サロンに関しては、スタッフの教育や商品管理、顧客管理のコントロールができていますが、やはり新規顧客の獲得に苦戦している現状です。しかし、継続顧客の満足度や顧客との信頼関係の醸成という面は、当社の強みだと感じています。
また、研究開発センター、生産センターが自社工場であり、研究開発も製造も行う製販一体の企業であるにもかかわらず、エビデンスファクトの収集をうまく活用・発信できていないところにも課題を感じています。
現在、六本木に本社ビルを建設中ですが、好立地であるにもかかわらず活用されていません。企業やブランドの価値を発信する情報発信基地として、さらに活用すべきという外部からの意見を踏まえ、ブランディングをスタートしました。
ブランディングについては、企業のブランディング、サロンのブランディング、商品のブランディング、テクノロジー・研究開発、企業内のインナーブランディングと、それぞれの目的をしっかりと定めて全社で共有していきます。
同時に、経営戦略との整合性、あるいはアウトプットの有効性や実効性を十分に整理整頓し戦略を練り、ブランディングとの相乗効果を狙います。コンセプトやロジック、ビジュアルにおいてズレが生じないように行っていきたいと考えています。
C’BON New Philosophy
私たちは創業以来、「美を創造し、演出する」という企業理念のもと、お客さまの肌に最後まで責任を持つことを第一に、製品作りと丁寧なサロンサービスに徹してきました。多くの女性に魅力と自信を提供し、日々の生活に輝きを持っていただくことを通して、企業として成長し、社会に貢献してきました。
60周年を迎えるにあたり、激変する社会環境と価値観へしなやかに対応していくために、また、新しい未来に向けた価値を追求し提案し続けていくために、新たなフィロソフィーを整備しました。
MISSIONは企業理念である「美を創造し、演出する」をそのまま据え置き、その解釈を「Orchestrate the Beauty」としました。VISIONは「未来を拓く Above and Beyond」、VALUEは「4つのC」と定めました。
美を創造し、演出する
私たちの存在意義であるMISSIONについてご説明します。「美を創造し、演出する」は、創業以来、私たちが非常に大切にしてきた言葉です。今の時代の変化に寄り添うように、解釈に少し変化を加えて「Orchestrate the Beauty」と定めました。
オーケストラの協奏のように個々がそれぞれの役割をまっとうし、オーディエンスに感動を与えるという解釈です。お客さまに寄り添い、共奏し、美しいハーモニーを作り上げていきたいという意味を込めています。
未来を拓く
VISIONについてご説明します。私たちが向かう方向性として、「未来を拓く Above and Beyond」と掲げています。60周年にとどまらず、未来の100周年に向けて新しいイノベーションを常に生み出し続けていくために、私たちには未来を拓く新しい力が必要であると実感しています。
「Above and Beyond」は、通常の領域を超える、期待や予想を上回るという意味があります。私たちが築いてきた価値を大切に守りながら、固定観念にとらわれない新しいシーボンを切り拓いていくという強い意志を表す言葉として、VISIONに設定しました。
4つの「C」
VALUEでは、私たちの価値観、行動規範を定めています。4つの「C」とは、「CUSTOMER」「CONTRIBUTION」「CONFIDENCE」「CHARM」のことで、社章にも記されています。創業時から、「CUSTOMER」を顧客第一主義、「CONTRIBUTION」を社会貢献、「CONFIDENCE」を相互信頼、「CHARM」を魅力ある女性と解釈し、長年使用してきましたが、今回これらの行動規範を改めました。
CUSTOMERは「『お客さまの肌に最後まで責任を持つ』ことを約束します」、CONTRIBUTIONは「人と地球に優しい、持続可能な活動を推進します」、CONFIDENCEは「公正な判断・誠実な行動・創造的な発想で、人を豊かで、幸せにする製品・サービスを提供します」、CHARMは「感謝・感動・尊重を大切に、探求心と誇りを持ち、革新と挑戦を続けます」と定めました。
研究開発・製造、製品の品質、販売方法・サービスに至るまで、すべてのビジネスシーンにおいて、この価値基準にもとづき行動・実行していきます。当社にとって非常に大切な価値基準として位置付けていきたいと思っています。
4つの「良い会社」
主に我々経営陣の価値観・行動規範として、4つの「良い会社」を掲げました。
まずは、「お客様・従業員・お取引先・周辺地域の住民の方々など、会社に関わるすべての人を幸せにできる会社」で、「企業活動により利益を出せる会社」「継続的な成長を見込め、経営者が発展の希望を示せている会社」「コンプライアンスを遵守し社会性のある会社」と続きます。このように経営陣の行動・価値規範をあらためて設定し、これに沿った経営を行いたいと思っています。
CIの刷新
CIの刷新についてです。長年使用してきたロゴを、ご覧のように変更します。変更した理由としては、デジタル化が進む現在において、SNSなどでの視認性の高く、優しさが伝わるものにブラッシュアップしました。今後の企業広告やサロン看板に、こちらの新ロゴを使用します。
また、フェイシャリストの制服や製品デザインなどの各種制作物においても、新しいシーボンを発信していきたいと考えています。
製品価値を高めるために
中期経営計画のご説明でも挙げましたが、「サロン価値向上」「製品価値向上」「新たな価値の創造」を掲げています。その中でもブランディングに関わるものとして、現在は大学研究機関との共創連携により、脳科学的、皮膚科学的アプローチから、精神的な状態と肌の関係を解明してきました。
研究部門は、「脳科学的皮膚科学的アプローチ」「細胞間コミュニケーション」「新たな施術開発への挑戦」というオリジナリティのある3つの研究領域に注力し、製品・サービスの価値向上を目指していきたいと思っています。
サロン価値を高めるために
「サロン価値向上」の中で、当社は「ホームケアとサロンケア」で美を提供するというビジネスモデルで長年行ってきていますが、当社の他にも同じようなビジネスモデルを展開している化粧品メーカーが続々と出てきています。
そのような中で、いかに競合他社との差別化を図っていくかということで、「サロン価値向上」には非常に重きを置いています。
「技術的価値」「情緒的価値」「科学的価値」の3つに対し、美容研究部門、販売部門、製品開発部門がタッグを組み、「製品価値向上」「サロン価値向上」に向けて取り組んでいます。今あるシーボンの美容理論に加えて、さらにしっかりとしたシーボンビューティーメソッドを確立していこうと考えています。
「シーボンらしさとは何だろうか」「他には真似できない強みは何だろうか」「どんな価値を提供できるのだろうか」、強いて言えば「何のために存在しているのだろうか」など、当社のサロンのビジネスモデルがなぜそこまで違うのかという、しっかりとしたメソッドとして確立していきたいと思っています。
リブランディングに伴う店舗改装
ブランディングに伴い、上半期に行ったトピックスをご報告します。
今回のリブランディングにより、当社にとって大型店に属する池袋店、千葉店を含めた5店舗の改装または移設を行いました。ロイヤルカスタマー専用ルームを設けたり、サービスを充実させたりと、今までのサロンの作りとは若干趣を変えて、ご覧のようなかたちにしました。スライドの写真は、改装後の池袋店の写真です。
リブランディングに伴う店舗改装
池袋店、千葉店は、こちらのスライドのとおりロイヤルルームを設けたり、プライベート空間を演出する仕組みにしたり、あるいは千葉店においては入口付近を少し開放感のあるものにしたり、そのようなサロンのリブランディングに伴う改装を行いました。
リブランディングでの改装効果
5月に池袋店、7月に千葉店がそれぞれ改装を行いましたが、結果としては、新規売上、既存売上、特に既存ロイヤルのお客さまの売上いずれにおいても高い成長率となりました。
現場の声を聞くと、ロイヤルのお客さまを中心にさらに満足度が上がっており、ロイヤルブースをご使用になるお客さまにおかれましては、「ロイヤルで居続けないとね」というお声をいただいています。非常に高い満足度を得られているという報告が上がってきていますので、こちらは引き続き進めていきたいと思います。
下期に関しては、さらに4店舗、2025年3月期に関しては15店舗、翌2026年3月期には10店舗で同様の改装を予定しています。
直営店会員規約改正
先ほどの瀧からの説明でも触れましたが、直営の美容サロンのビューティアップポイントの規約改正を行いました。こちらはビューティアップポイントの価値向上、利便性の向上を目的としたものです。換算額の単位を変更することにより、お客さまのビューティアップポイントを通常のお手入れ以外にも、オプションのお手入れや他製品との交換などに、利用幅を拡大しました。
また、少ないポイントでオプションケアのメニューを追加できるなど、利用幅の拡大を行いました。今後はさらにポイント交換品などを順次増やしていく予定です。
新ブランドムービー
すでにホームページでも公開していますが、ブランドのWeb Movieを新たに制作し、6月から公開しています。こちらは「スキンケアに、新しいあたり前を」をテーマに制作しました。
6月1日より公開しており、YouTubeや地方のテレビCMでの放送を行っています。また、ヘアサロンにデジタルサイネージ等を設置して配信していきたいと考えています。
ヘアーサロンニーフ 出店
「ヘアーサロンニーフ出店」とありますが、当社はヘア部門のサロンが2店舗あります。1店舗目が六本木、2店舗目が恵比寿にあります。
こちらのヘアサロンは、25年ほど前にスタートしましたが、もともとは当社の六本木のフェイシャルサロンの中に鏡面と椅子を置き、1人の美容師がヘアカットも行うというかたちではじまった事業部門です。そこから顧客が増えていき、六本木にヘアサロンとして独立した店舗ができ、さらに恵比寿で出店というかたちをとっています。
蒲田店は、今度は反対に既存のフェイシャリストサロンに併設するというかたちで、サロンの一角にヘアサロンをオープンしました。
トライアルでの出店なのですが、現場の声を聞くと、現状では蒲田店のフェイシャルサロンとヘアサロンの双方においてシナジー効果が生まれているということですので、今後はより展望やマーケットを見極めた上で展開していきたいと考えています。
既存顧客の相互送客を促すとともに、それぞれのサロンからの新規開拓を目指していければと思っています。
連結数値目標
連結数値目標になります。中期経営計画で掲げた目標に向け、今のブランディングにより細かく、さらなる成長を促した上で、「製品価値向上」「サロン価値向上」「新しい価値の創造」というご覧の3つの重点課題をしっかりと遂行し、再成長を目指していきたいと思っています。
2024年3月期 配当予想について
株主還元です。現時点では期初の配当予想どおり変更はありません。1株当たり配当金は中間で5円、期末で10円予想の年間15円の配当予想で行っていきます。
最後になりますが、ブランディングプロジェクトを始動していくにあたり、創業時のミッションの本質をしっかりと守りながら、企業自慢ではなく、顧客視点でブランドの目指す姿を具現化、明文化し、しっかりと発信、浸透、実践して、今後の成長につなげていきたいと考えています。
以上でご説明を終わります。ありがとうございました。
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