■質疑応答
【ご質問】
TMS-007のJIXING社による臨床試験準備について、ボトルネックとなっている点について可能な範囲でコメントください。
【回答:ティムス 若林】
我々の理解している範囲では、これがネックになっているものがあるとは考えておりません。データ移管や、その次のプロトコルの準備など、それぞれのステップで少し時間がかかっているかもしれませんが、どれかが突出して時間を取っているわけではないと考えております。臨床試験デザインについても、Biogen社のデザインそのままというわけにもいかないところもあり、例えば、サイエンティフィック・アドバイザイリーボードを新たに設置し、先生方の意見を入れる等の必要があり、どうしても時間がかかります。2025年3月までにと申し上げましたが、我々としては、少し余裕を持ったタイムラインを示しているところもあるため、それより少しでも早いタイミングでの発表ができればと考えている次第です。もちろん、それまでに必ず何かがあるという保証はございません。
【ご質問】
TMS-007に関して、御社からのリリースにてアップデートがあるかもしれないというのは、臨床試験開始のニュースということでしょうか。
【回答:ティムス 若林】
もちろん臨床試験の開始に関わる発表を想定しています。非常に説明が難しいところですが、2通り考えられると思っています。1つは、臨床試験開始の前段階において、JIXING社の意図に関わらず公開される情報もあろうかと思われるため、そのことを当社は想定しています。もう1つは、当社からJIXING社へ、何か発表できないかとお願いすることを想定しております。
【ご質問】
TMS-007について3点。
1つ目、次のマイルストーンはピボタル試験の開始、あるいはFPI(First Patient In)の時点であると考えてよろしいでしょうか。
2つ目、ピボタル試験のN数、終了時期などはいかがでしょうか。Biogenは次の臨床試験でフェーズ2bを実施予定だったと思うが、次をピボタル試験とできる背景を教えてください。
3つ目、臨床試験終了時期、上市時期についてアップデートがあれば教えてください。
【回答:ティムス 若林】
大変申し訳ないのですが、現時点においては詳細についての回答を差し控えさせていただきます。なお、ピボタル試験と申し上げたところについては、少しご説明申し上げます。
Biogen社のフェーズ2b臨床試験も、ClinicalTrials.govに登録されていましたが、パート1、パート2に分かれており、パート1で 複数ドーズを試して、そこでピックアップした最適な単一ドーズを1対1でプラセボと比較するのがパート2という試験です。このデザインは、パート2をピボタルにする意図があったと考えております。なお、そのような臨床試験になると申し上げているものではなく、可能性として十分に考えられるということでございます。
臨床試験の症例数や、時期等については回答を差し控えさせていただきます。いくつかのマイルストーンが考えられると思いますが、投資家の方々の見方によって、何をマイルストーンとして捉えられるかは、違ってくると思っております。日本のバイオベンチャーである当社としては、先ずは次の臨床試験の開始。その後は、いくつかマイルストーンが出てくると考えております。
【ご質問】
カントリーリスクについてどのように考えておられますか。
【回答:ティムス 若林】
カントリーリスクというのは、おそらく当社の重要なパートナーであるJi Xing Pharmaceuticalsが 中国に拠点を持っている企業であることを指しているのではないかと考えます。ただ、JIXING社は確かに中国を1番大きな拠点としていますが、中国企業であるのか、というと実態はそうではないところがあります。 グループ企業となっており、持株会社はケイマンにあり、傘下にアメリカ法人と香港法人がぶら下がっております。香港法人の下に中国の上海法人がある形になっております。
また、ケイマンの持株会社の80%以上の株式を保有しているのは、アメリカのニューヨークに拠点を持つ投資会社のRTW社であり、アメリカの会社と言った方が良いのではないかと思っております。当初は中国での開発に重点を置いていたため、中国の拠点が大きいものの、現在は、グローバル会社となる方向へ舵を切っており、ビジネスモデル的にも中国企業としての色は、ほとんど無くなってくると思っております。よってカントリーリスクというものは非常に考えにくい会社ではないかと思われます。
【ご質問】
TMS-008は26年2月期にデータ・リードアウトの予定とのことですが、その後の開発計画として、導出予定なのか、あるいはフェーズ2を自社で行うのか、現在のお考えを教えてください。
【回答:ティムス 若林】
当社のパイプラインに関する基本的なシナリオとしては、 アーリーステージで取得したものは、ヒトPOCを当社で得てからパートナーと提携するというのが基本シナリオです。これはあくまでも基本シナリオであり、より良い条件があれば、それよりも早い段階で提携をする可能性もあります。あるいは自社で開発を行う方が、企業価値が高まると考えれば、リソース見合いのところはあるものの、後期の臨床試験までを自社で行うことを除外するものではないと考えております。
【ご質問】
これまでにTMS-007のフェーズ2a臨床試験結果の詳細を開示されていないのは、なぜでしょうか。
【回答:ティムス 若林】
TMS-007の臨床試験の結果については、確かに論文等で開示していないのですが、2022年2月に開催された大きな学会「International Stroke Conference(ISC)」において、ポスター発表を行っており、フェーズ2a臨床試験の概要を発表しております。ちなみにその際に「Paul Dudley White International Scholar Award」という賞を受賞しました。論文については準備を行ってきたところですが、パートナーが変わるなど、手続き面のこともありましたので、ご理解いただければと存じます。手を付けてないという事ではございません。
【ご質問】
JX09、TMS-008・TMS-010について開発優先度はありますか。
【回答:ティムス 若林】
TMS-007以外のパイプラインの優先度についてですが、現時点で明確に優先度というものは設定しておりません。各プログラムの特徴が違っており、その特徴をどうやって当社が生かしていけるか、あるいはどのように外部の力を使っていくかなどを、総合的に考え、シナリオを決めていきます。そうした中で当社としての優先度が決まってくると考えております。
【ご質問】
新規シーズの導入も達成され、次に社長が実施したいプランはどのようなものでしょうか。
【回答:ティムス 若林】
当社としては理念にあるように、画期的な薬を作ることが当社の存在意義であると思っており、それをアカデミアからグローバル市場へつなげていくことが 現在当社が担っている役割であると考えております。それをより着実に、かつインパクトがある形で実現していく、しかもそれをサステナブルな形で実現していく組織にしていくということが1番大事なことであると思っております。そのためにはやらなければいけないことは非常に多いと考えております。それぞれのパイプラインがどういった価値を持っていくかというところに当社の企業価値は依存するところが大きいわけであり、そこを見ながらも組織体制や開発能力、新しいシーズの獲得能力、あるいは導出能力などをよりロバストな形で備えていけるように様々な手を打っていきたいと考えております。
●司会者
ありがとうございました。それでは、ご質問も一巡したようですので、これを持ちまして質疑応答のお時間を終了といたします。 最後に、若林社長よりご挨拶がございます。若林社長、よろしくお願いいたします。
■ティムス 若林
本日は、大変ご多忙の中、当社の説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。 TMS-007について、昨年のBiogen社の発表、それから今年の1月にJIXING社との新たなパートナーシップということで、投資家の皆様、株主の皆様には色々と気を揉ませてしまったのではないかなと考えておりますが、いよいよ次の臨床試験に向けて具体的にかつ着実な形で進捗をお見せできるタイミングに近づいてきたのではないかと考えております。ぜひ、今後もご支援いただき、見守っていただければと考えております。
本日は大変ありがとうございました。
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