1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
KeyHolder<4712>の2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上収益で前年同期比60.7%増の14,190百万円、営業利益で同22.1%増の1,590百万円、税引前四半期利益で同3.5%増の1,556百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益で同2.4%増の1,241百万円と、増収増益となった。
コロナ禍の規制緩和による事業環境の改善に伴い、大型イベントの開催やライブ・ツアーやドラマなどの各種番組への出演が増加した。また、特番放送のレギュラー化のほか、ドラマ制作や資本参画した映画製作案件などの制作も増え、事業環境は好転した。広告代理店事業については、前期よりインターネット広告事業及びインターネットメディア事業を開始し、SNS広告や動画広告が順調で売上収益をけん引した。
(1) 総合エンターテインメント事業
総合エンターテインメント事業の売上収益は前年同期比14.6%増の5,916百万円、セグメント利益は同19.6%増の1,690百万円と、増収増益となった。
ライブ・エンターテインメントについては、これまでコロナ禍における感染対策による行動制限があったものの、直近ではこれら規制が緩和されたことにより、各種大型イベントやライブ等の開催における観客の声出しが可能になったことから、同社グループに所属するアーティストの積極的な活動を再開した。ファン層の購買意欲も向上したことで、各種イベントにおけるグッズ売上やDVD等の原盤収入も想定を上回り、業績が増進した。なお、et-アンド-や若月佑美、小栗有以、生駒里奈、古畑奈和、まるりなどの所属アーティストやタレントについても、ドラマや各種イベント、舞台並びに情報番組への出演のほか、アニメや企業とのタイアップなど、様々な場面において活躍の場を増やした。
デジタル・コンテンツは、リリースから7周年を迎えた乃木坂46公式の「乃木恋」や、2020年11月の発表より順調にダウンロード数を伸ばしている日向坂46公式の「ひなこい」など、スマートフォン向けのゲームアプリに関する事業で堅調に業績を伸ばした。
(2) 映像制作事業
映像制作事業の売上収益は前年同期比19.9%増の3,208百万円、セグメント利益は同23.7%減の134百万円となった。既存のバラエティ番組をはじめ継続的に特番を多数制作しており、積極的に受注を獲得し実績を積み上げた。TechCarryでは、世界的な半導体不足の影響を受けた市場の機材流通量の減少が解消に向かい、一定のレンタル商材を確保できたことで事業が軌道に乗り、需要も増加している。また、制作スタッフの派遣事業については、派遣先である映像制作会社の状況によって受け入れ変動はあるものの、引き続き順調に推移した。
(3) 広告代理店事業
広告代理店事業の売上収益は前年同期比518.1%増の5,015百万円、セグメント利益は132百万円(前年同期は4百万円の損失)と、増収・黒字転換した。メンズ脱毛サロンやフィットネスジム、ゴルフスクールなどの広告案件において、AF(アフィリエイトプログラム:提携プログラム)を介してプロモーションやマーケティング支援を年間通して行っており、これが大幅な増収増益に寄与した。既存案件では収益性が高い案件が減少したことに伴い減収減益となったが、これをカバーした。
このほか、有名アーティストの「go!go!vanillas オフィシャルグッズ販売」「Dragon Ash 25周年記念 オリジナルグッズ販売」「Dragon Ashドラマー 桜井誠プロデュース桜井食堂ダブルペッパーポークカレー」に加え、芸能プロダクションリリースの「5ビースト オフィシャルアイテム販売/フォロー&リツイート キャンペーン」や「UNICORNデビュー35周年記念ギフト」「Live the SPEEDSTAR オリジナルグッズ販売」における売上を伸ばした。
そのほかの案件では、allfuzが資本参画している乃木坂46の公式ライバル結成プロジェクトにおいて、女性アイドルグループ「僕が見たかった青空」が乃木坂46のライバルとして始動した。また、有名スポーツ選手を起用したテレビCMに関する案件、スポーツ競技や各種イベント、著名アーティストの協賛に関わる業務、行政機関や各企業、学校法人等からの依頼案件においても実績を積み上げた。
FA Projectにて展開するデジタル広告事業では、前期に開始したインターネット広告事業及びインターネットメディア事業を展開しており、男性用脱毛サロンやフィットネスジム、ゴルフレッスンスクール等の顧客を新たに獲得した。
(4) その他の事業
その他の事業の売上収益は、前年同期比71.7%減の50百万円、セグメント利益も同67.8%減の11百万円となった。2022年9月末に運送事業を担っていた会社の全株式を譲渡したこと及び収益不動産を一部売却したことが減収減益の要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)
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