東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、水産農林、精密機器、ゴム製品、輸送用機器など20業種が上昇。一方、石油石炭、パルプ紙、鉱業、その他金融など13業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>、ホンダ<7267>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、トレンド<4704>、ファナック<6954>、武田<4502>が軟化した。
東証が前日に発表した5月第1週(1~2日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は先物合算で5週連続買い越したことが判明した。このところ、東京市場は年初来の高値圏にあるだけに、海外投資家による買いが続くのではないかとの思惑から買いが続いた。また、欧米など主要国の経済見通しが不透明ななか、日本に消去法的な買いが入っていることが日本株高の要因との見方が多い。また、好決算や株主還元策の強化を発表した銘柄に投資マネーがシフトしている。
東京市場は投資マインドが好転してきているため、日経平均の3万円大台乗せも時間の問題とみている向きが増えている。しかし、米地銀の経営不安に対する警戒感は拭えないうえ、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレの持続性に驚いている」と述べるなど、物価上昇率の高止まりを懸念する見方もある。来週以降は再び米国のインフレ状況など見極めながらの展開となりそうで、日経平均の騰勢が一服することも想定される。
<CS>
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