4. 高血圧DNAワクチン
プラスミドDNA製法を用いたワクチンの1つとして、高血圧症を対象としたDNAワクチン(AGMG0201)の開発を進めている。同ワクチンは大阪大学の森下竜一(もりしたりゅういち)教授の研究チームにより基本技術が開発されたもので、血圧の昇圧作用を有する生理活性物質アンジオテンシンIIに対する抗体の産生を誘導し、アンジオテンシンIIの作用を減弱させることで長期間安定した降圧作用を発揮するワクチンとなる。
現在販売されている主な高血圧治療薬としてはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬(経口薬))があるものの、毎日服用する必要があるため、長期的に見た患者1人当たりの治療コストは高くなる。このため、発展途上国では医療経済上の問題から使用が限定的となっている。同社が開発するDNAワクチンは既存薬よりも高薬価になると想定されるが、薬効の持続期間次第ではトータルの治療コストが既存治療薬を下回る可能性もある。
同社がオーストラリアで2018年4月から実施した第1相/前期第2相臨床試験(症例数24例)の結果については、2021年10月17日付でHypertension Researchに論文として掲載された。要旨としては、安全性に問題がなく、DNAワクチンを投与した患者では、特に高用量群で抗アンジオテンシンII抗体の産生が多く認められ、全体として同ワクチンに対する忍容性は良好であるとの結果であった。ただ、被験者ごとに抗体価にバラつきがあり、今後分析する必要があるとしており、血圧降下作用といった有効性についても別の形でデータをまとめる予定である。
同社では、抗体の産生量を増やすために、投与量をさらに増量して臨床試験を実施するなど、今後の開発方針について2023年春までに明らかにしたい意向だが、弊社では開発を継続するにしても第1相/前期第2相臨床試験を再度実施する可能性が高いと見ている。なお、高血圧DNAワクチンに関しては2020年6月に日本で、7月に米国でそれぞれ製剤特許及び用途特許を取得している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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