東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の8割近くを占めた。セクターではサービス、医薬品、その他製品が上昇した半面、海運、輸送用機器、電力ガス、非鉄金属、鉄鋼の弱さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>が堅調。アドバンテスト<6857>、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>が下落。
日経平均株価は最高値更新後に膠着感が強まったが、直近5営業日で1500円超上昇するなか、短期的には過熱感が警戒されやすかった。また、海外勢のフローが限られていることから、利食いも入りやすい需給状況だったとみられる。ただし、後場は下げに転じたものの、下を売り込む流れにはならず、持ち高調整の範囲内だったようだ。また、祝日明け後の米国では6月の雇用統計の発表を控えているが、警戒感はそれ程強まらなかった。
雇用統計では雇用者数と賃金の伸び鈍化が見込まれており、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げを後押しする可能性があるだろう。予想通りとなれば米長期金利低下から米ハイテク株や大型テック株への物色が強まる可能性があるため、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうである。さらに、国内においても経済界では行き過ぎた円安に懸念を示したうえで、金利を上げるというメッセージを早急に出す必要があるとの認識を示している。7月下旬の金融政策決定会合で日銀による政策変更が意識されるなか、金融セクターなどへの物色も引き続き強まりやすいだろう。
来週はパッシブ型ETF(上場投資信託)の決算日における分配金捻出のための売り需要が発生する。売り需給が警戒される局面があるだろうが、足もとでの急ピッチの上昇によって買い遅れているファンドにおいては、買いを入れるタイミングになりそうである。
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