個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で7.4%安、フリー<4478>が同10.7%安と軟調。一部証券会社の投資判断引き下げが観測されたBASE<4477>は同23.7%安で、週間のマザーズ下落率トップとなった。売買代金上位ではAI inside<4488>のほか、2月上場のQDレーザ<6613>やアクシージア<4936>が売りに押された。一方、東証1部への市場変更を発表したラクス<3923>は同11.6%高。売買代金上位では仮想現実(VR)と翻訳システムを組み合わせた新サービスを発表したロゼッタ<6182>が大幅高となった。また、一部地域での緊急事態宣言解除が伝わり、和心<9271>などが上昇率上位に顔を出した。ジャスダック主力も、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.5%安、ワークマン<7564>が同3.0%安となるなど全般軟調。東映アニメーション<4816>は同8.0%安、出前館<2484>は同9.0%安と下げが目立った。また、プラコー<6347>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、日本マクドナルドHD<2702>は同2.5%高と堅調で、セレスポ<9625>などが上昇率上位に顔を出した。IPOでは3社が新規上場し、このうちアピリッツ<4174>が公開価格の約4.7倍、coly<4175>が約2.0倍となる初値を付けた。
来週の新興市場では、引き続き金融市場の不安定感が警戒されつつも、押し目買いを探る動きが出てきそうだ。今週末の米国市場では長期金利の上げ一服とともにハイテク株比率の高いナスダック総合指数が反発し、マザーズ銘柄にとっては安心材料となるだろう。前回の当欄でも述べたIPO銘柄の初値好調や、2月26日のマザーズ指数の下げ渋りを見ると、個人投資家の新興株に対する物色意欲はまだまだ根強そうだ。
今週の波乱局面では、セレスポなど経済活動の再開で恩恵が期待される銘柄が物色の受け皿となっていた印象だ。これらの銘柄はまだ出遅れ感が強いため、物色が続く可能性はありそうだ。もちろん、財務面などで銘柄選別する必要はあるだろう。また、IT・インターネット関連の新興企業でも昨年12月上場のKaizen Platform<4170>が比較的強い値動きを見せており、フリーなど今週売られた銘柄も押し目買いの動きに期待したいところ。
IPO関連では、3月16日のヒューマンクリエイションHD<7361>及びウイングアーク1st<4432>上場まで間が空くことになる。今週はジーネクスト<4179>(3月25日、マザーズ)など3社の新規上場が発表され、3月IPOは13社。来週から順次ブックビルディング(BB)期間に入っていくが、2月IPOが好調を維持し、投資家の参加意欲は引き続き強そうだ。
<HK>
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