【QAあり】サーバーワークス、売上高は14四半期連続で最高値を更新 各社ともにストックビジネスのリセール売上を堅実に積み上け
【再掲】連結業績予想
大石良氏(以下、大石):サーバーワークス代表取締役社長の大石です。本日は当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。それでは、2025年2月期第1四半期の決算内容についてご説明します。
第1四半期のサマリーの前に、期初にガイダンスとして発表した連結業績予想を再掲しています。2025年2月期は売上高333億9,200万円、経常利益4億9,200万円という予想を出しています。
業績ハイライト(実績)
連結業績予想に対し、スライドに示しているのが第1四半期のグループ全体の実績です。売上高86億3,600万円、営業利益4億4,300万円です。
個別のサーバーワークス単体では、売上高70億9,400万円、営業利益は4億2,300万円です。
「Google Cloud」を手掛けている2社については、G-genが売上高7億2,300万円、営業利益3,300万円です。トップゲートが売上高8億3,200万円、営業利益1,000万円の着地でした。
2025年2月期からは、今までのSky365に加え、富士フイルムクラウド、パーソル&サーバーワークスの2社が新たに持分法適用関連会社になっています。これらの3社合計で1,000万円の投資損失を計上しています。
以上を連結した数字が、グループ全体の数字となっています。
業績ハイライト(実績)
主要科目の前期比較表です。サーバーワークス単体では、売上高は70億9,400万円、経常利益は4億円と、非常に高い着地となっています。
業績ハイライト(実績)
期初に開示した連結業績予想に対する進捗率です。売上高は通期で333億9,200万円の予想に対し、第1四半期は86億3,600万円、進捗率25.9パーセントと、上々の進捗だと理解しています。
経常利益は通期で4億9,200万円の予想に対し、第1四半期は4億500万円、進捗率82.4パーセントと、非常に余裕のある実績となっています。
しかし、後ほどご説明しますが、人材投資やAWSさまとの戦略的協業に関するコストなど、将来の成長に資する投資をこれから加速させていく方針のため、現時点では通期予想は据え置きとしています。
【再掲/参考】為替レート
ご参考までに、為替レートの感度を出しています。2025年2月期のガイダンスでは、期初にお話ししたとおり1ドル134円の為替レートを採用しています。
現実問題として、現在は1ドル160円前後で推移しているため、1円円安に振れた場合や逆に円高になった場合は、売上高および営業利益がスライドの表のように推移するという感度をお出ししています。
現在は1ドル160円台とかなり円安に振れており、これが私どもの売上や営業利益の増加に貢献していることがおわかりいただけると思います。
主要トピックス1
第1四半期の主要な3つのトピックスについてご説明します。
1つ目は、なんと言っても2024年7月1日に「Google Cloud」を手掛けているG-gen、トップゲートの2社を合併しました。この統合により、リソースの共有による効率的な組織運営やナレッジの共有が可能となります。
また、G-genはインフラが非常に強く、トップゲートはアプリが強い会社ですが、この2社の統合によって広いカバレッジを獲得することになります。私としても、「Google Cloud」のマーケットでも非常に強いプレイヤーになっていくと期待しています。
主要トピックス2
2つ目は、サーバーワークスは新しいサービスとして「Not A Chat」を発表しました。現在は「Gmail」に限定していますが、生成AIを使い、メールの返信文をワンクリックで作成することができるサービスとなっています。
メール本文を踏まえ、文章を自動的に提案してくれます。提案に対し、例えば「もう少しカジュアルに」「もう少し丁寧に」というように、ボタンをクリックするだけで生成AIが文章をブラッシュアップするため、届いたメールに対してあまり労力をかけることなく返信文を作成できるサービスとなっています。
現在はエンタープライズのお客さま中心にトライアルユーザーを集めており、今後も正式なサービスインに向けて準備を進めていく所存です。
主要トピックス3
3つ目は、「サバソック」という「安心・安価・スピーディ」の3つを謳っているクラウドセキュリティサービスの提供です。
当然ながら、私どもが手掛けているAWSのセキュリティ強化の需要に応えていくため、24時間365日、AWS環境のセキュリティサービスを提供していくものです。正式なサービスインは、今年8月を予定しています。
売上高の推移 -連結-
第1四半期の業績の詳細についてご説明します。売上高の推移は、スライドにも示しているとおり、前年同期比46パーセント増と非常に高い成長率を維持できています。
グラフの黄色い部分がサーバーワークス、青い部分がG-gen、オレンジの部分が旧トップゲートです。ご覧のとおり、3社とも順調に成長することで前年同期比146パーセントの売上高が達成できている状況です。
売上高の推移 -製品・サービス区分別-
3社を統合し、クラウドインテグレーション・リセール・MSPで分解したものが、スライドのチャートです。
クラウドインテグレーション、リセール、そしてMSPともに順調に伸びています。この3本柱がしっかりと伸びていることで、高い成長が維持できていると理解しています。
製品・サービス区分別 -売上高前期比較表-
先ほどお話しした内容を、数字で詳細に示したものがスライドの表です。
クラウドインテグレーションは前期比137.2パーセント、リセールは149.5パーセントです。これらには多少円安の効果もありますが、それを加味してもしっかりと伸びています。
そして、保守サービスのMSPも前期比116.7パーセントと、3つともきちんと成長していることがおわかりいただけると思います。
製品・サービス区分別 -各社売上構成-
先ほどお話しした内容を、さらに会社別に分けたものがこちらのスライドの表です。サーバーワークスは記載のとおりですが、G-genとトップゲートでは、トップゲートのほうがインテグレーションが多くなっています。
それに対し、G-genはリセールが非常に伸びている状況です。この2社が合併することによって、インテグレーションもリセールも非常に強化されます。
さらに、トップゲートは2社よりも社歴があるため、MSPもしっかり積み重なってくることで、さらに強い会社になっていくことを期待しています。
2025年2月期 主要子会社の状況
主要子会社2社のトピックスです。G-genは、幅広いお客さまの獲得によって安定したリセールの収益基盤を構築できています。そして、Googleさまとの共同施策も非常にうまくいっています。このような取り組みにより、高い成長を維持できていると考えています。
2025年2月期 主要子会社の状況
トップゲートは、大型のインテグレーション案件が非常に多いため多少増減はありますが、全体としては右肩上がりで伸びていることがおわかりいただけると思います。
G-genと統合することになり、さまざまな準備を進めていましたが、主要なメンバーの離脱もなく順調に統合作業が進んでいると私も理解しています。
クラウドインテグレーション -各指標の推移-
クラウドインテグレーションの各指標をまとめた図です。当然ながら、プロジェクト単価、取引社数、プロジェクト数は大型案件があると多少の波がありますが、全体としては右肩上がりで成長しているトレンドが見られると考えています。
リセール -為替レートの推移-
こちらの図は、先ほどもお話しした為替レートです。スライドをご覧のとおり、未だに円安が続いている状況です。
今年の頭には、いずれの金融機関ももう少し円高に振れるのではないかと予想していましたが、現実的には円安が続いている状況です。私どもも、それにつられて円安の影響を受けています。
リセール -リザーブドインスタンス・Savings Plans-
為替に関係ない、ドルベースのAWS利用料の推移を表した図です。私からも、決算説明会においてこのKPIが私どもにとって決定的に重要であることを何度かお伝えしています。
薄い黄色の部分が純粋なAWS利用料、濃い黄色の部分がオプション製品、つまりお客さまが1年から3年の期間で予約した分の利用料です。いずれも円安ということもあって、コストセーブのためにお客さまのオプション料金の購入量が非常に増えています。
実は、このオプション料金が増えることで薄い黄色の部分をどうしても押し下げる効果もありますが、その効果を差し引いても順調に伸びています。
それだけしっかりとお客さまのAWS利用も伸びており、そして私たちの活動もうまくいっていることがおわかりいただけると思います。
リセール -AWSアカウント数・ARPUの推移-
AWS利用料を決定づける、アカウント数と単価です。アカウント数が増えているということは、当然ながら成長しているということです。しかし単価については、私もこの場で何度かお話ししているとおり、上がりすぎることはあまり良くないと考えています。
特に海外製クラウドは、円安影響によって非常に高額になってしまうというお客さまの懸念を払拭すべく、お客さまのAWS利用が適切な規模となるよう、AWS利用料をセーブするコンサルティングなどの活動を通じて、高額になりすぎないようにブレーキをかける作業に一生懸命取り組んでいます。
このような取り組みが奏功し、お客さまとしても「自分たちで直接AWSを使うより、サーバーワークスと一緒に進めたほうがコストセーブのガイドなどをしてくれる」といった期待感もあり、契約してくださるお客さまが増えていると理解しています。
LTV(顧客生涯価値)
こちらは、私が好んで毎回示しているチャートです。私どもは2012年頃とかなり昔からAWSを提供していますが、それぞれの年にご契約いただいたお客さまに、これだけ未だ契約を継続していただいています。
こちらのチャートのように、継続のお客さまを地層のように積み重ねることで私どもの高い成長が維持できていることがおわかりいただけると思います。
営業利益額 / 営業利益率の推移
営業利益額と利益率の推移です。第1四半期は売上高の増加などにより利益も増加していますが、冒頭にお伝えしたとおり、第1四半期から第3四半期にかけて将来の成長に資するコストを積極的に使っていこうと考えているため、通期業績予想は据え置きとしています。
営業利益の前期比増減要因分析
営業利益の前期比増減の比較です。詳細な検討が必要な方は、こちらのスライドをご活用いただければと思います。
グループ人員数推移
グループの人員数推移については、今期から表示の仕方を少し変えています。私どもの事業にとってエンジニアの確保が決定的に重要になっているため、こちらをもう少し詳細にわかりやすく表示したものが、こちらのチャートです。
スライド左側がグループ全体の人員計画数です。2025年2月期の濃い黄色部分が現在の実数であり、点線で示した計画残は80名となっています。
販管および製造スタッフはそれぞれグラフのようになっています。今期は残り52名の製造スタッフおよびエンジニアを採用していく計画であることがおわかりいただけると思います。
足元では非常に順調に採用が進んでおり、この計画も、現状は青信号であると考えています。
グループ人員数内訳
こちらは、人員数内訳を会社別に表したチャートです。
最新情報
最後に、グループ会社の概況です。G-genは先ほどから順調だとお伝えしていますが、事例に関しても大きなお客さまの事例がいくつか上がってきています。
人材会社のディップさまはマルチクラウドを選択されていますが、AWSはサーバーワークス、「Google Cloud」はG-genと、サーバーワークスグループでマルチクラウド需要をしっかり獲得している非常に美しい事例です。
キリンビジネスシステムさまでは、「Vertex AI」という「Google Cloud」のAI基盤を使ったユニークな事例が上がってきています。
案件数・サービス提供実績
事例としてご紹介したようなエンタープライズのお客さま利用も増えており、おかげさまで案件数も464件と、順調に成長を続けています。
最新情報
トップゲートは、「Google Cloud パートナーアワード 2024」において、「Expansion : JAPAN」を受賞しました。トップゲートのさまざまな活動が、しっかりとGoogleさまにも評価されていると理解しています。
サービス提供実績(例)
主要なお客さまのロゴを挙げています。今回、社名はG-genに一本化しますが、以前からトップゲートとお付き合いいただいているお客さまにも、より安心して「Google Cloud」をお使いいただけるような関係をこれからも作っていきたいと考えています。
私からの説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:業績予想の上方修正について
司会者:「現段階で上方修正などは計画していないのでしょうか?」というご質問です。
大石:今回から決算説明資料に想定質問と回答を載せているため、そちらも併せてご覧いただければと思います。
現時点で業績予想の修正は予定していませんが、今後、利益を損なう大きな損失を想定しているわけではありません。
第一に、今日も為替介入があったと報道されていますが、為替動向の先行きが不透明であること、そして当社グループの一番の課題である人材確保について積極的な投資を行っていく方針であることから、現時点では計画を据え置いています。
当然ながら、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示したいと考えています。
質疑応答:第1四半期の営業利益増の要因について
司会者:「第1四半期の営業利益が大幅に伸びた要因は何でしょうか?」というご質問です。
大石:先ほどもお話ししたとおり、サーバーワークスはもちろん、子会社であるG-gen、トップゲートの主要3社すべてが業績予想を超過しました。特に子会社については、これまで赤字の四半期もありましたが、順調に黒字化できています。
買収した会社のPMIや新会社G-genの立ち上げも、順調に進捗しています。このような取り組みが奏功し、連結ベースで利益増に貢献しました。
利益の大幅な増加については、このまま利益を出し続けていくというよりも、一定の上振れ分は人材投資やSCAと呼ばれるAWSさまとの戦略協業など、将来の成長に資するものに積極的にコスト投下していき、今後もさらに成長を加速させていきたいと考えています。
質疑応答:SI事業の粗利率について
司会者:「AWSのリセールというビジネスモデル上、SI事業としては粗利率が低位となっています。今後もこの傾向は続くと思いますが、一方で、粗利率を高めていくアクションとしてリセール以外の領域を開拓する計画はあるのでしょうか?」というご質問です。
大石:ご質問いただいたとおり、当社とAWSさまとの契約の料率から、リセールの利益率向上には一定の限界があることは事実です。
リセールの金額が多くなれば、全体的に粗利率が低く見えてしまうことも致し方ないと考え、当面はAWSのリセールを着実に獲得し、利益の絶対額を積み上げていく方針です。
一方で、利益率向上については、クラウドインテグレーション、MSPなどの積み増しに加え、今回新たに発表したMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダ)のような領域でも、さらに付加価値の高いサービスの提供により利益率を着実に上げていきたいと考えています。
質疑応答:G-genとトップゲートの合併の背景について
司会者:「G-genとトップゲートの合併にはどのような背景があるのでしょうか?」というご質問です。
大石:先ほどもお話ししたとおり、G-genと旧トップゲートで得意な領域が違うという事情がありました。
G-genはサーバーワークスのDNAをピュアに引き継いで作ったため、リセールが非常に大きく、成長している企業です。一方でトップゲートは、「Google Cloud」上で新たなシステム開発を行うケイパビリティを持っています。このように、それぞれ得意な領域が異なっています。
トップゲートにも「Google Cloud」をリセールする機能が必要であり、G-genはその機能を持っているため、これらを統合することで互いの得意な領域で補完し合って無駄なコスト削減し、高い事業シナジーを実現できると期待しています。
合併によって人材育成等もよりスムーズになり、今後も高い成長が実現できるものと期待しています。
質疑応答:AWSアカウント数の増加率について
司会者:「AWSアカウント数の推移を見ると、順調ではありながら増加率が下がっているように見えます。要因を教えてください」というご質問です。
大石:私どもの認識では、現時点で何か悪化しているとは思っていません。
四半期単位でどうしても多少の増減が生じますが、トレンドという意味では、お客さまからの引き合いも以前に増して強くなっており、ネガティブな状況が生まれているわけではありません。案件数は今四半期で百数十件増加しているため、今後の成長を踏まえれば大きな問題はないと考えています。
直近では、AWSのクラウドインテグレーション単価も少しずつ上昇し、プロジェクトの難易度も上がってきている状況です。以前に比べて小規模案件を多く獲得するようになっていますが、新型コロナウイルス収束を受け、お客さまもITにまとまった投資ができるようになってきたことから、大型案件が少しずつ増えてきていると考えています。
その結果、アカウント増加率自体は下がっているかもしれませんが、現実的には、より多くのお客さまがAWSクラウドを使う取り組みが増えていくのではないかと考えています。私どもとしては、今後も高い成長が維持できるのではないかと期待しています。
質疑応答:採用計画の進捗について
司会者:「採用計画は順調でしょうか?」というご質問です。
大石:先ほどのプレゼン資料に記載のとおり、採用結果は第1四半期末時点で順調に推移しています。
みなさまもさまざまな場面で見聞きしていらっしゃるとおり、採用環境が厳しくなっていることは事実ですが、当社はエンジニアにとって大変重要な完全リモートワークに加え、AWSや「Google Cloud」という最先端のプロジェクトに携わることができます。
さらに、東京と地方の給与格差がないため、東京・大阪などの大都市圏だけでなく、地方からも非常に優秀なエンジニアを採用できています。
このように、エンジニアが働きやすく、何を求められているのか、何ができるのか理解しやすい環境が私どもの採用にプラスに働いていると考え、この環境をしばらく維持し続けられるのではないかと期待を持っています。
大石氏からのご挨拶
本日は、当社決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございました。
先日の株主総会で投資家や株主のみなさまからご指摘があったとおり、前回の決算説明時には、決算開示から説明会までの期間が少し空いてしまい、株価にネガティブな影響がありました。そのようなご意見を反映し、今回は開示即日に決算説明会を開催する取り組みを行いました。
今後も、株主、投資家のみなさまに正確な情報をできる限り早くお届けしていきたいと考えています。我々はまだ成長途上であり、クラウドマーケットの将来をポジティブに捉えています。また、みなさまが安心して、中長期にわたって当社株を保有していただける環境作りに邁進していきたいと考えています。
株主、投資家のみなさまには、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願いします。本日はありがとうございました。
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