SVFは、企業や自治体が帳票(請求書、見積書、申請書など)を効率的に作成・出力するための、日本のデフォルト・スタンダードと言えるソフトウェアである。日本特有の複雑な帳票レイアウトを直感的に作成し、PDF、Excel、紙など多様な形式での出力が可能だ。システムの高い安定性と汎用性から、多くの企業や公的機関が帳票の管理を一元化する基盤として導入、コスト削減や内部統制の強化につなげている。帳票関連ソフトウェアを取り扱う競合は富士通<6702>やオプロ<228A>などだが、同社は業界トップを10年以上堅持、市場シェアは69%にのぼる。
BD事業のもうひとつの柱は、企業や公的機関で流通している契約書や配送伝票などの帳票を電子化、クラウド上で流通・保管するソフトウェアinvoiceAgentである。SVFが企業内DXを支援するソフトウェアとすると、2021年にリリースされたinvoiceAgentは企業間DXを支援するプラットフォームとして位置づけられる。サプライチェーンの最上位に位置する企業はその取引先企業群への影響力も大きい。そのような大企業のカバレッジに強みを持つSVFの顧客ベースを最大限にいかし、その取引先企業への拡販を進める計画。SVFとinvoiceAgentの拡販を通じ、同社は企業内および企業間のあらゆる帳票ニーズを満たすデジタル帳票基盤の確立を目指すとしている。
DE事業においては、ビッグデータを加工・分析するデータ分析基盤ソリューションDr.Sum、IoTデータや画像など様々なデータを可視化・分析する情報活用ソリューションMotionBoard、大企業向けのデータマネージメントソリューションDataringの3つが主力製品だ。競合企業は米国のセールスフォースやドーモなどだが、同社はオペレーショナルBIツール市場において国内24%のトップシェアを誇る。ビッグデータの超高速集計力、様々なデータの仮想統合とリアルタイム可視化、製造、金融、自治体など業種に特化した専門部隊でのソリューション企画などが同社の優位性となっている。
2025年2月期の業績は、売上収益28,708百万円(前年比11.5%増)、営業利益8,216百万円(前年比12.4%増)、EBITDA9,650百万円(前年比12.2%増)と2桁の増収増益となった。基幹システムの更新需要や公共関連の大規模案件受注によるSVFのソフトウェアライセンスの増加や、買収したトライサーブの連結、Dr.Sumの10%超の成長などが売上高の増加に貢献した。契約区分別での売上収益を見ると、SVFの伸長とトライサーブの売上計上によりライセンス/サービスは前期比13.9%と増収、収益の安定化と継続的な拡大に貢献するとして同社が重要視しているリカーリングも、保守、クラウド、サブスクリプションの3セグメントすべてで増収となり10.0%の売上成長を達成した。
BD事業、DE事業の拡大に加え、同社は公共部門での事業拡大を成長戦略の柱のひとつとして掲げる。各自治体では2025年度末を移行期限とする「自治体情報システムの標準化」に関わるシステム更新が進められており、さらに関連する自治体DXへの取り組みも検討されている。IT技術者の人材不足もあり大手システムインテグレーターは自治体DXにまで手が回らないと現状を分析、同社は公共・自治体専門の組織を大幅に拡充、自治体のDX案件を直接獲得する方針である。加えて、6月30日付けで自治体向けCMS大手スマートバリューからデジタルガバメント事業を取得、自治体DX市場拡大のための体制を強化している。
2026年2月期の業績予想は、売上収益30,300百万円(前年比5.5%増)、営業利益8,900百万円(前年日8.3%)、EBITDA10,400百万円(前年比7.8%)を見込む。2021年3月の上場以来、累進配当を継続、2026年2月期も記念配当のあった2025年2月期と同等の配当金とする予定だ。リカーリング収益のもたらす潤沢なキャッシュフローは、十分な株主還元とM&A・資本提携などの事業投資を両立、M&A戦略が国内外事業の非連続な成長をもたらたす可能性もあろう。大企業を中心としたSVFの圧倒的な顧客カバレッジを梃子として、日本の企業間DXエコシステムの構築をリード、事業成長を継続する同社の今後の展開には注目しておきたい。
<HM>
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