SIGグループ、2Qは増収増益、既存事業・新規受注とも好調 システム開発需要は安定、セキュリティ関連は高成長維持
アジェンダ
石川純生氏:みなさま、こんにちは。株式会社SIGグループの代表取締役社長の石川でございます。2024年3月期第2四半期の決算説明を行います。よろしくお願いいたします。
本日は、まず、会社概要・事業内容、2つ目に業績概要、最後にSIGグループの成長戦略と長期ビジョンについてご説明いたします。
会社概要
当社は、1991年より、システム開発事業とインフラ・セキュリティ事業を中心として30年以上にわたり、多くのお客さまのご要望にお応えし続けてまいりましたIT企業です。2021年より株式会社SIGを100パーセント子会社とする持株会社体制となっております。
株式会社アクロホールディングスを持分法適用関連会社としたほか、昨年には株式会社Y.C.O.を2社目、今年3月には株式会社アクト・インフォメーション・サービスをグループ3社目の100パーセント子会社といたしました。
従業員数は9月末時点で575名、拠点数は新子会社を加えて12拠点となっています。
ビジネスモデル
当社の事業内容は、システム開発とインフラ・セキュリティサービスを中心に、システムインテグレーターやメーカーと協力し、エンドユーザーである官公庁や自治体、金融や大手企業向けにITに関わる幅広いソリューションの提供を行っています。
システム開発事業では、お客さまの業務内容に最適なシステムを構築するよう、企画提案からハードウェア、ソフトウェアの選定やシステムの開発、構築・運用まで一貫して提供をしています。
また、インフラ・セキュリティサービス事業では、企業のオンラインシステム構築やクラウド環境の構築、セキュリティに関するサービスを提供しています。
事業内容
システム開発事業では、創業より30年以上にわたり、技術力を高めノウハウを蓄積してまいりました。
地方自治体や製造業、金融業、サービス業などさまざまな業種の基幹システムの開発、導入から運用などを幅広く行ってきた結果、各業態固有のノウハウを習得し、その企業独特のニーズに合わせたサービスの提案が可能となりました。
また、セキュリティ事業について、ビジネス社会におけるシステムのセキュリティは、リモートワークの拡大等で、大企業だけでなく中小企業においてもその必要性、重要性が増大しています。
当社では大手企業のパートナーとして蓄積されたセキュリティ業務のノウハウをもとに、セキュリティソリューション提供企業とも連携し、顧客のニーズに合わせたセキュリティ確保のためのサービスを構築しています。
第2四半期累計業績・通期計画サマリー
続きまして、第2四半期決算の概要説明をいたします。
2024年3月期第2四半期の当社グループの売上高は、既存事業、新規受注ともに好調に推移し、前期を大きく上回りました。特に、前期末に子会社化した株式会社アクト・インフォメーション・サービスの売上5億6,400万円を当連結会計年度から連結に取りこんだ結果、大幅な上昇となりました。
また、株式会社SIGにおいても、システム開発事業、インフラ・セキュリティサービス事業ともに、既存事業、新規受注ともに好調に推移したほか、単価アップ交渉の成果が実り、3億1,500万円の増収となりました。
利益面においては、前年同期はオフィス増床など一時的な費用増となり、営業利益は低水準でしたが、当期においては、売上高上昇に伴い、好調に推移し、前年を大きく上回りました。
一方、持分法適用関連会社である株式会社アクロホールディングスの子会社の事業損失の影響のため、アクロホールディングスの決算報告に基づき、当第2四半期連結会計期間において持分法による投資損失8,200万円を計上いたしました。この結果、第2四半期連結累計期間においては、持分法による投資損失は3,400万円となり、四半期純利益は前年を下回る結果となりました。
この結果、前年同期比では経常利益はマイナスとなりましたが、当初計画からプラス22パーセントとなっております。
なお、この持分法による損失は一過性のものであり、通期見通しについては据え置いております。決算発表同日に「第2四半期累計期間の業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」の文章を開示しておりますが、こちらでもご説明しておりますので合わせてご覧いただければと思います。
事業別概況
事業別の概況ですが、システム開発事業では、26億300万円で、前年同期比でプラス37.5パーセントの売上となりました。
先ほど申し上げましたとおり、株式会社アクト・インフォメーション・サービス社の売上5億6,400万円をこちらに計上しております。既存分野では、製造業における半導体市況の悪化の影響を受け、電子部品実装装置関連の体制が大幅縮小となりましたが、その他の分野に要員をシフトし、製造分野のマイナス分をカバーいたしました。
また、公共系では、政令都市向け人事給与システムの保守・改修や品質保証業務、自治体向けの基幹システム構築などの安定需要に加え、当第2四半期より政令都市向け国保標準システム導入案件を新規受注いたしました。
サービス系では、MVNO向けシステム開発など既存の案件が引き続き好調のほか、ホームセンター向けの大型DX案件や、物流など新しい領域の取引が拡大し、好調に推移しております。
事業別概況
次にインフラ・セキュリティサービス事業の概況です。
こちらは売上高が8億2,700万円となり、前年同期比でプラス25.8パーセントと非常に好調な結果となりました。右肩上がりで伸びを見せているインフラ・セキュリティ事業では、今期もその傾向を維持し、過去最大の成長を実現しております。
インフラ・セキュリティサービス事業では、CSソリューションセンターを中心に地方拠点の活用も進み、全国の拠点で連携した案件対応を強化しています。今まで本社中心で対応していた案件が全国の拠点で対応可能となりつつあり、より多くの需要に応えられるように準備を進めております。
ただ、需要の伸びに対して要員数がおいつかず、一部外注比率が高まった分野もあり、売上増に対し利益の成長率は少なめになっています。高付加価値案件への要員シフトや、既存案件の単価アップなど利益の確保については継続して取り組みを強化していきます。
貸借対照表
次に資産状況です。
先ほど業績サマリーの部分でもご説明いたしましたが、持分法投資損失計上の影響により固定資産が減少いたしました。その他はご覧のとおりとなっております。
事業別通期計画(売上高)
事業別の通期業績について、システム開発事業では、前期実績比でプラス21.3パーセントの48億4,000万円を計画しています。上期に引き続き半導体市況の影響は続くと見込んでおりますが、その他の分野の好調の継続と下期からエネルギー系基幹システム開発の上流工程案件がスタートする予定です。
インフラ・セキュリティサービス事業では、前期実績比でプラス16.8パーセントの16億6,000万円を計画しています。上期は計画外の商品販売や請負案件の受注が好調でありましたが、下期については請負案件の見通しが不透明なため通期ではおおむね計画どおりに着地すると見込んでおります。
これからのSIGグループ長期ビジョン ~人と共に成長し続ける企業へ~
次にSIGグループの成長戦略と長期ビジョンについてご説明いたします。
当社グループでは「ITで企業の進化に貢献すること」をミッションとして2030年に向けた長期ビジョンを発表しています。その中で、ITトータルソリューションカンパニーとして「企業の外部CIOとして顧客の成長に貢献」できる企業を目指しています。
長期ビジョン達成に向けた中期計画
長期ビジョンでは2030年に売上300億円の企業となることを目指しており、その目標達成のため2030年までの期間を3つのフェーズに分けて中期計画を策定しています。
第1フェーズ(~2024年)の目標
2024年3月期までの第1フェーズは、長期ビジョン達成のための体制構築期間とし、現在は、第1フェーズの最終年度、3年目の後半にはいったところであります。「崖越えはSIGグループ」として、顧客のIT環境のシステム変換ニーズの高需要とその需要に対応する人材の不足を当社で対応可能とするために、事業体制の強化に取り組んでまいりました。
当初計画では第1フェーズの売上高の目標を60億円としていましたが、M&Aによる体制構築への取り組みや、グループ一丸となって目標達成に取り組み、売上高は順調に推移し、今期売上高は目標を大きく上回る65億円の計画としています。
営業利益については、優秀な人材への投資として人件費の上昇やM&Aに伴うのれん償却額などにより目標には及ばない計画となっておりますが、利益率の目標達成に向け、事業計画の見直しを行い、高利益案件や直需案件の獲得、単価アップ等に取り組んでいるところであります。
また、M&A等を推進し、グループ体制の構築を進めていますが、グループ間の協力体制を一層強固なものにして、より幅広い顧客へのサービスの提供を行えるような体制構築をさらに強化してまいります。
成長戦略
また、AI・IoT事業、クラウド・セキュリティ事業とソリューションセンターの運用を成長戦略としております。
事業部間をまたいで活動するCSソリューションセンターは、2年前に成長戦略として立ち上げ、体制の整備により、好業績となっています。地方拠点の要員へ、クラウド・セキュリティ技術の教育を行い、全社的連携により地域拠点でのクラウド・セキュリティ案件対応を実施し、売り上げ拡大を計画しております。
現在、オンプレミスからクラウドへのリプレイスについては、需要がますます高まっている状態となっております。当社では、多くの案件を扱い、AWSのアドバンスト・ティア・サービス・パートナーに認定されておりますが、今後、マイクロソフト・アジュール領域まで含めて技術者層を厚くし、売上拡大を目指します。
また、今までの活動から、コンサルティング領域へ進出し、新たな顧客の獲得を行うことにも注力してまいります。
「クラウド・セキュリティ」事業の進捗と課題
クラウド・セキュリティ事業については、CSソリューションセンターの運用を通じて全社でのノウハウの蓄積を進めております。他社動向の情報を収集し分析を行い、既存サービスの見直しとともに単価の改善を検討し、利益率アップにつなげています。
また、社会インフラの整備事業を行っている会社との関係強化を行い、安定的な需要の掘り起こしを実現するなど大手企業とのプロジェクトを通して蓄積されたノウハウと経験をもとに、新規での案件受注につなげております。
現在独自のクラウドセキュリティの検査サービスをドアノックツールとして開発を検討しており、新規クラウド化案件の受注増を目指しております。
第1フェーズ終了に向け、取り組み強化
2024年3月期で長期ビジョンの第1フェーズが終了いたします。長期ビジョン達成のための体制作りに取り組んでおりますが、まだまだ先の長い計画となっていますのでさらなる経営の強化が必要だと考えております。
まず、グループとなった企業それぞれの特徴と文化を活かすこと。
具体的には、株式会社アクロホールディングスについては、組織力・開発力・営業力を活かして他のグループ会社の補強を行うこと。株式会社Y.C.O.については、独立行政法人に特化した競争力の高いソリューション開発技術。株式会社アクト・インフォメーション・サービスについては長年の大手企業との取引で培った技術力と信頼、などをそれぞれ活かし、またそれぞれが連携することにより、グループフォーメーション体制でグループ機能を強化することに取り組んでまいります。
また、今期7月よりSIGグループにサステナビリティ委員会を設置いたしました。グループ会社とサステナビリティ推進チームを編成し、サステナビリティ基本方針の策定、マテリアリティの特定に取り組んでおります。
配当について
最後に、配当につきましてご説明いたします。当社は安定的な配当を株主のみなさまに還元していくことを基本方針としております。今期は、普通配当を中間・期末とも0.5円増配し通期で14円の年間配当金を予定しています。
今後も株主のみなさまに安定した配当を行うことができるよう事業展開し、経営体質の強化に努めてまいります。
当社グループはITイノベーションの実現に向けた課題を解決することで、社会に貢献し、グループの継続的な成長と企業価値向上へと努めてまいります。みなさまには変わらぬご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
以上で2024年3月期第2四半期の決算説明とさせていただきます。ありがとうございました。
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