~調剤薬局のネットワーク事業で業界No.1、独自の地域ケアシステムを展開~
【ポイント】
・医薬品ネットワークのプラス効果が顕在化しつつある。加盟件数が5000件を超えて、医薬品の単品単価をベースに流通の効率化が表れ、2021年3月期はコロナ禍にもかかわらず大幅増益となろう。この効果は来2022年3月期も見込めよう。
・新型コロナショックの影響で、薬局での処方箋枚数は減少している。クリニックの科目によっては行かなくなり、定期的に通院する人は薬を長めにもらうようになった。枚数が減ると、薬局の収入も減少する。1Qはこの影響が大きく出たが、2Q以降の回復もまだ鈍い。3波、4波も想定されるので、今下期について、会社側ではかなり慎重にみている。
・医薬品ネットワークへの加盟件数が、11月末で5709件(前期末比+464件)となった。薬局経営の健全性を確保しようと、中堅の調剤薬局の加盟が加速している。加盟件数は3期前+739件、2期前+1281件、前期+1455件と加速している。競合も出ているが、当社の優位性は揺るがない。
・LINE(ライン)の公式アプリをジョイントで開発し、2021年1月より薬局向けサービスを開始する。薬局と患者がラインでやり取りして、処方箋メール、服薬サポート、健康相談などが簡便にできる。当社の加盟店だけでなく、全国の薬局への展開も視野にある。これも圧倒的No.1のネットワークを有する効果として注目できよう。
・中期4カ年計画では、ネットワーク部門の拡大を柱に、医薬品メーカーから卸、薬局、患者に至るサプライチェーンの効率化を通して、営業利益50億円を目指している。医薬品ネットワーク部門に加え、医薬品製造販売部門の利益貢献も高めるべく、自社ブランドのジェネリック医薬品の製造販売を強化している。
・課題は、調剤薬局部門の収益変動をいかに抑えていくか。地域包括ケアの中で、「未病・予防-医療-介護」を支える「かかりつけ薬局」への対応が勝負となる。医薬品ネットワーク部門を軸に、中期計画の営業利益50億円は、数年遅れるとしても十分射程にある。加盟件数1万件が見えてくるにつれて、株式市場での評価も大きく高まろう。
目 次
1.特色 調剤薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み 地域薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針 新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績 新型コロナの影響を乗り越えて
5.企業評価 医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2020年11月19日) |
648円 |
時価総額 | 199億円 (30.6百万株) |
PBR | 2.00倍 |
ROE | 7.6% |
PER | 26.2倍 |
配当利回り | 1.5% |
総資産 | 63269百万円 |
純資産 | 9817百万円 |
自己資本比率 | 15.5% |
BPS | 323.8円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2012.3 | 25410 | 1357 | 1314 | 518 | 20.0 | 3.75 |
2013.3 | 54827 | 2046 | 1912 | 756 | 29.1 | 8.0 |
2014.3 | 66181 | 2091 | 2019 | 668 | 27.7 | 8.0 |
2015.3 | 75548 | 2641 | 2540 | 885 | 37.1 | 8.0 |
2016.3 | 87715 | 3783 | 3860 | 1720 | 60.1 | 9.5 |
2017.3 | 88865 | 2113 | 2109 | 571 | 19.3 | 10.0 |
2018.3 | 93977 | 3163 | 3250 | 1022 | 34.5 | 10.0 |
2019.3 | 98232 | 1428 | 1501 | 462 | 15.3 | 10.0 |
2020.3 | 105241 | 1615 | 1560 | -895 | -29.5 | 10.0 |
2021.3(予) | 103000 | 2500 | 2500 | 750 | 24.7 | 10.0 |
2022.3(予) | 107000 | 3800 | 3700 | 1450 | 48.3 | 10.0 |
(2020.9ベース)
(注)2012.3期は決算期変更で6ヵ月決算。ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。09.9期で1:200、12年4月、6月に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku202011.pdf
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