年初来高値を更新。ただ、米地銀のファースト・リパブリックが決算を受けて時間外取引で急落していたことが投資家心理を悪化させ、上値を抑制。今晩控える米IT大手の決算を前にした警戒感もくすぶり、後場は上げ幅を縮める動きが続いた。
大引けの日経平均は前日比26.55高の28620.07円となった。東証プライム市場の売買高は9億6206万株、売買代金は2兆3472億円だった。セクターでは証券・商品先物、銀行、建設が上昇率上位となった一方、鉄鋼、海運、非鉄金属が下落率上位となった。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の59%、対して値下がり銘柄は36%だった。
個別では、三井住友<8316>、みずほFG<8411>の銀行、三井物産<8031>、三菱商事<8058>の商社、JR東海<9022>、JR東日本<9020>の陸運、HOYA<7741>、信越化学<4063>の値がさ株の一角が堅調。経済産業省が次世代半導体の国産化を追加支援との報道を受け、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>の半導体株の一角がしっかり。三菱電機<
6503>は自動車機器事業の構造改革を発表して大幅高。後半失速したが決算を手掛かりにニデック<6594>が買い優勢となり、コーエーテクモHD<3635>も決算を材料に買われた。業績予想を上方修正した大和ハウス工業<1925>、配当予想を引き上げた住友ベークライト<4203>は大きく上昇。レーティング格上げを受けて乃村工藝社<9716>も大幅高。東証スタンダード市場では業績及び配当予想を引き上げたアイピーエス<4335>、コスモスイニシア<8844>が急伸した。
一方、景気後退懸念が強まる中、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼が大きく下落し、DOWA<5714>、三菱マテリアル<5711>の非鉄金属、郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運なども軟調。ルネサス<6723>、レーザーテック<6920>、スクリン<7735>など半導体株は国策期待で買い先行も失速して結局下落。三井ハイテック<6966>、イビデン<4062>、新光電工<6967>などハイテクの一角も安い。ほか、Sansan<4443>、Appier<
4180>、SHIFT<3697>、MSOL<7033>などグロース(成長)株の下落が目立った。
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