今週の新興市場は小幅上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+0.52%だったのに対して、グロース市場指数は+0.09%、グロース市場250指数は+0.09%。引き続き売買代金が1000億円台前半と商いが膨らまない状況下、決算を発表した主力株が売り優勢となったことなどが影響して上値の重い展開となった。為替が1ドル=140円台と円高に振れたことで、内需株が多いグロース市場には追い風の環境となったが、投資家心理の悪化が先行したことから買い材料とはならなかった。
時価総額上位銘柄では、12月にも月着陸に再挑戦すると発表したispace<9348>が買われたほか、証券会社が「買い」でカバレッジを開始したことからジーエヌアイグループ<2160>が週末大幅高となった。一方、決算内容が嫌気されてタイミー<215A>、GENDA<9166>が売り優勢となったほか、弁護士ドットコム<6027>も売り圧力が強く6日続落。このほかの銘柄では、プロディライト<5580>が音声から人の感情を分析できる技術に関連する特許を取得と発表し急騰したほか、千葉銀行<8331>がTOBを発表したことでエッジテクノロジー<4268>が買われた。一方、小型SAR衛星QPS-SAR5号機の通信系に不具合が生じたと発表したQPS研究所<5595>が売られた。
■日米中銀会合に対する思惑に振らされる展開か
来週の新興市場は、プライム市場同様、日米中銀会合に対する思惑に振らされる展開となりそうだ。週末の海外時間で、為替は1ドル=140円20銭台まで円高ドル安が進行していることから、円高進行によって大型株が下落すれば、投資家心理が悪化し新興市場も崩れる可能性はあるので注意は必要だ。一方、グロース市場250指数はじりじりと切り上がる25日移動平均線に沿った動きが見られる。さすがに1000億円ほどの売買代金だと、200日移動平均線を上回るような強いトレンドへの転換は期待しにくいが、25日移動平均線をサポートに200日移動平均線が位置する675ポイント水準をまでの上昇は見込めよう。
売買代金が膨らまず、主力銘柄への物色があまり広がらないことから、決算発表銘柄に短期的な関心が向かおう。好業績と資本業務提携を発表したモルフォ<3653>は買い先行となろう。アシロ<7378>、INTLOOP<9556>もポジティブな評価を受けそうだ。一方、宇宙関連のアストロスケールHD<186A>は、5-7月期最終赤字が85億円と前年同期17億円の赤字から大幅に赤字幅が拡大したことで、ネガティブな反応が先行すると想定。また、クラシコム<7110>、笑美面<9237>、メディア総研<9242>、イタミアート<168A>、学びエイド<184A>あたりも売り優勢でスタートしそうだ。先週、決算を発表したGENDAはなかなか下げ止まらなかったことから、決算発表銘柄の急落後のリバウンド狙いは注意したい。
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