今後の事業について期待が大きいものが、ガラス繊維マットプレス新工法による自動車部品での金属からの代替、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開だ。
ガラス繊維マットプレス新工法の新製品は、トヨタ自動車の「レクサス LS」の後部座席構造材に金属代替部材として採用されたことで、技術の高さを示すとともに製品に対する信頼度が高まった。ガラス繊維マットプレス新工法は炭素繊維とのハイブリッド化のニーズが期待できることからも、自動車向けはもとより自動車以外の分野からも引き合いが出始めており、収益源としての期待が高い。また、三次元加飾工法による高度加飾分野においても、トヨタ自動車の「カムリ」や本田技研工業の「オデッセイ」などに採用されている。
海外事業については、需要が回復しているタイが当面の稼ぎ頭になるだけでなく、ベトナムも期待できる地域と言えよう。東南アジアについては、同社がメーカーに部材として供給する製品が新たな需要となるだけに、これまで同社が実施してきた投資についても回収が十分見込めるだろう。
ADRによる再建が終了したことにより、今後は復配を目指すことになるが、会社側では株主還元に積極的に取り組む意向を示している。
一方、同社は2022年6月に2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「KCI2025」を策定した。事業再生を見越して、その後の10年先を見据えての事業を目指す姿を明らかにした。それぞれのセグメント名を変更したことも、その施策の一環である。
主要施策として、モビリティ事業では商圏エリアの拡張、新規顧客の開拓、新規部位への参入、リビングスペース事業では、新規顧客の拡大、新領域製品の拡大、オリジナル製品への参入、アドバンスド&エッセンシャル事業では、新複合材製品の拡大、医療・介護市場への参入拡大、新環境対応製品の拡大などを挙げている。
計画の最終年度である2026年3月期に、連結売上高22,500百万円、連結営業利益2,250百万円を確保することを業績目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<SI>
この銘柄の最新ニュース
児玉化のニュース一覧- 決算プラス・インパクト銘柄 【東証スタンダード・グロース】寄付 … 住石HD、マイクロアド、GMB (5月15日発表分) 2024/05/16
- 2024年3月期 決算短信[日本基準](連結) 2024/05/15
- 児玉化、今期経常は13倍増益へ 2024/05/15
- 国内モビリティ事業における新規取引について 2024/05/15
- <05月13日の25日・75日移動平均線デッドクロス銘柄> 2024/05/14
マーケットニュース
児玉化学工業の取引履歴を振り返りませんか?
児玉化学工業の株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。