■株式見通し:買い一巡後のこう着がコンセンサスに
■イオン、1Q営業利益 12.0%増 438億円、コンセンサス上回る
■前場の注目材料:清水建設、原発の構造設計効率化、BIM活用のシステム開発
■買い一巡後のこう着がコンセンサスに
7日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。6日の米国市場はNYダウが69ドル高だった。ISM非製造業指数やJOLT求人件数が予想を上回ったため景気後退懸念が緩和し買い優勢の展開。米連邦準備理事会(FRB)による6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表を控え一時下落に転じる場面も見られたが、その後公表されたFOMC議事要旨において、労働市場や消費に楽観的な見解を示し利上げを計画通り継続していく想定内の方針が示されたことで、引けにかけて上昇幅を広げた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比265円高の26265円。円相場は1ドル135円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まろう。ただし、昨日の日経平均はFOMC議事要旨への警戒から300円を超える下落だったこともあり、これを修正する動きが中心になりそうである。アク抜けを意識した買いの勢いが強まる展開は期待しづらいところであろう。また、ナスダックは続伸となり、上値抵抗線として意識される25日線を捉えてきた。同線を明確に上放れてくるかを見極めたいところであり、SOX指数の戻りの鈍さも気掛かりである。指数インパクトの大きい東エレク<8035>は依然として年初来安値での推移を継続するなか、短期的な値幅取り狙いの動きにとどまりそうである。
また、明日にはETFの分配金支払いのための売り需要が見込まれるため、警戒されている。先物市場では先回り的にショートを仕掛けていた可能性があるため、いったんニュートラルに戻す格好でのショートカバーを入れてくるだろう。ただし、買いの動きを強めてくる動きは限られると見られ、買い一巡後のこう着がコンセンサスになりそうだ。
また、米長期金利は上昇したものの、景気後退の予兆とみなされる「逆イールド」状態が続いたため、景気後退を織り込む動きは引き続き警戒されるところである。足元では長期金利の低下を手掛かりにグロース株への物色が見られていたが、本日はやや利食い優勢の動きが意識されよう。参院選を控えて政策に関連したテーマ性のある材料株などでの短期的な値幅取り狙いの動きが中心になりそうである。
■イオン、1Q営業利益 12.0%増 438億円、コンセンサス上回る
イオン<8267>が発表した第1四半期業績は、営業収益が前年同期比2.3%増の2兆2032.27億円、営業利益は同12%増の438.97億円だった。コンセンサス(420億円程度)を上回る進捗だった。総合金融事業は減益となったが、国内外でのカード取扱高の伸長や貸倒関連費用低減の取り組みなどにより想定を上回る着地。3月に発売したトップバリュプレミアム生ビールは、発売3カ月で販売本数が4百万本を突破した。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(31037.68、+69.86)
・ナスダック総合指数は上昇(11361.85、+39.61)
・シカゴ日経先物は上昇(26265、大阪比+265)
・1ドル=135.80-90円
・SOX指数は上昇(2494.11、+16.47)
・VIX指数は低下(26.73、-0.81)
・米国景気は拡大
・コロナ流行下の経済活動正常化
・日銀は金融緩和を長期化
・清水建設<1803>原発の構造設計効率化、BIM活用のシステム開発
・ヒロセ電機<6806>韓国拠点拡充、48億円投じコネクター増産
・富士通<6702>カメラ設置せず高精度見守り、ミリ波センサーで姿勢推定
・ルネサス<6723>台風4号で熊本・川尻工場停止、11日めど全面復旧
・愛知製鋼<5482>北米で鍛造部品新ライン、29億円投資、現地供給を安定化
・豊田合成<7282>中国の内外装部品生産社に34%出資、ホンダ向け供給強化
・大同特殊鋼<5471>東北大と共創研究所、CASE対応加速
・JMC<5704>試作専門から量産品へ、鋳造部品を月産1万台、トヨタ方式で効率化
・日本航空電子<6807>ドローン制御装置開発、車載コネクター採用
・凸版印刷<7911>米にベンチャー投資管理社を設立
・UBE<4208>米でリチウム電池用電解液原料生産、新工場の基本設計開始
・レンゴー<3941>木材由来のセルロース微粒子増産、マイクロプラビーズ代替
・エーザイ<4523>アルツハイマー治療薬、米FDA受理、生物製剤ライセンス申請
・三井化学<4183>グローバル・ブレインとCVCファンド設立、ベンチャー投資加速
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・10:30 豪・5月貿易収支(予想:+108.25億豪ドル、4月:+104.95億豪ドル) <ST>
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