同社の競争優位性は、まず第一に「顧客業務の現場フローに合わせる柔軟性」にある。多くの外資系CRMが「システムに業務を合わせる」発想であるのに対し、ジーネクストは顧客企業が持つ独自のルールやワークフローに寄り添う構築を強みとする。例えばセールスフォースや外資大手の1ライセンス単価が高額な中、同社はクライアントごとに席数・BPO単位で契約を柔軟に設計し、コスト優位性を確保している。また、Discoveriezは単なるCRMやFAQシステムではなく、VoCや事故・品質情報をリアルタイムに収集・分析するカスタマーデータプラットフォームであり、国内大手メーカーや小売、食品、流通業などに広く採用されている点も特徴的である。取材によれば、顧客間の横連携が強く、信頼関係の積み重ねがエンタープライズ導入拡大の背景にあるという。
11月14日に発表された2026年3月期第2四半期決算では、売上高351百万円(前年同期比38.0%増)、営業損失71百万円の赤字(前年同期99百万円の損失)と、増収・赤字縮小で過去最高売上を更新した。9月単月営利ベースでは黒字化を達成している。Discoveriez事業では、新規獲得/旧サービスからの移行案件が第1四半期を超えるエンタープライズ企業からの4案件受注、既存顧客へのアップセル(Discoveriez AIをサントリーHDへ導入、ライセンス増、値上げ等)が増益を引き続き牽引したようだ。SRM Design Lab事業では、コンサルティング、ハードウェア含む新規案件を獲得、既存顧客への周辺領域商材販売強化による収益貢献と合わせ、各段階利益ともに増収増益で着地したようだ。与信リスクでの受注不振状況は解消し、今期、来期案件での受注増加傾向になるという。ストック売上高は227百万円(同12.6%増)と堅調、ストック売上比率は64.7%、クラウドMRR成長率は14.7%、解約率0.65%と安定した推移を続けている。通期計画は売上高970~1,050百万円(前期比40.2%増~51.8%増)、営業損益5~10百万円の黒字に転換する見通し。
市場環境として、コンタクトセンター関連市場を中長期的なターゲットとして市場拡大を図っていくようだ。コンタクトセンターソリューション市場5,013億円の中で、同社売上高6.9億円(2025年3月期時点)となっており、拡大余地は大きい。中長期的に目指す市場としては、国内CRM市場とコールセンターサービス市場で、両方合わせると1兆6000憶円を超える市場規模となる。加えて、SRM Design LabではJapan Sparkを活用したマーケティング共創やライブコマース支援サービス「VoX Live」も開始し、非SaaS型売上の裾野を広げている。
中期経営計画では、2028年3月期に売上高2,500百万円・営業利益90百万円、時価総額70億円を目標としている。既存事業「Discoveriez」、成長事業「SRM Design Lab」、新規事業「新規事業開発、M&A」の各事業間での連携を重視しており、Discoveriezの年平均成長率20%、SRM Design Labの同70%以上を掲げている。「Discoveriez」では、Discoveriez AIの提供拡大/導入加速、旧提供サービスBizVoiceのリプレイスを促進。「SRM Design Lab」ではクライアントの課題解決のため、コンサルティング、BPO、受託開発の強化、パートナーとの連携強化による課題解決手法の拡大、課題解決集団へと成長させていく。また、新規領域としてハードウェア事業ではリユース領域への参入を計画し、AIデータセンター販売との相乗効果を狙い、直近も案件として創出されてきているようだ。
株主還元では、株主優待の継続及び拡充を目指している。また、黒字化後は配当開始を明示し、IR活動強化や投資家コミュニケーション拡充を進める方針である。なお、継続企業注記は依然残るが、赤字案件の減少・値上げ施策・原価率改善が進み、解消に向けた道筋が見えつつある。
総括すると、ジーネクストは「プロダクト主導のSaaS企業」から「AI・BPO・ハードウェアを融合した顧客価値共創企業」へと進化しつつある。Discoveriezを軸とした安定基盤のもと、SRM Design Labが高成長を牽引し、ハードウェア新事業が将来的なレバレッジを生み出す構図だ。過去には会社側と創業株主の間で経営権争いが起きていたが、2024年9月13日より新経営体制にて運営されており、経営再建、持続的成長とガバナンス強化を両立する観点から多様なバックグラウンドを持つ取締役を配置している。同社が描く中計が実を結べば、株価の再評価余地は大きく、今後の動向を極めて注目しておきたい。
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