1. 2024年2月期の業績概要
サインポスト<3996>の2024年2月期の業績(非連結)は、売上高が前期比13.8%増の2,929百万円、営業利益が101百万円(前期は110百万円の損失)、経常利益が94百万円(同119百万円の損失)、当期純利益が128百万円(同132百万円の損失)だった。期初計画(売上高2,914百万円、営業利益30百万円、経常利益27百万円、当期純利益17百万円)を大幅に上回る黒字に転換して着地した。主力のコンサルティング事業が順調に拡大し、先行投資段階であるイノベーション事業とDX・地方共創事業の営業損益も改善した。全社ベースの売上総利益は前期比14.9%増加し、売上総利益率は27.4%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同13.4%減少し、販管費率は23.9%で同7.6ポイント低下した。販管費ではオフィス賃料が減少したことに加え、人材紹介に係る手数料の発生が想定を下回った。なお当期純利益については法人税等調整額(益)の計上も寄与した。
2. セグメント別の動向
コンサルティング事業は売上高が前期比14.4%増の2,821百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同26.6%増の494百万円だった。期初計画を上回る大幅増収となり、順調に拡大した。銀行の基幹システム移行・統合プロジェクト推進支援を中心に受注が好調に推移し、従業員の増加に伴って金融機関以外の一般事業会社へのコンサルティングサービスも拡大した。利益面では従業員の待遇改善に伴う人件費の増加、一部のプロジェクトにおける外注費の増加などコストアップ要因があったものの、増収効果に加え、販管費の減少も寄与した。
イノベーション事業は売上高が同16.2%減の78百万円、営業利益が154百万円の損失(前期は206百万円の損失)だった。売上高は期初計画を下回り減収となったが、利益面は研究開発テーマの絞り込み、体制効率化、固定費削減などの効果により営業損失が縮小した。
DX・地方共創事業は売上高が同108.3%増の30百万円、営業利益が2百万円の損失(同63百万円の損失)となった。先行投資段階だが、地域金融機関との協業により、同社のITスキルやプロジェクト推進ノウハウを活用して顧客のDX実現と持続的成長を支援するサービスの開発に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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