●はっしゃん
質問よろしいでしょうか。
■DIT市川
どうぞ。
●はっしゃん
御社の中で大きな割合を占めるソフトウェア開発事業において、ビジネスソリューション事業は、他社の業務システムやプログラムを御社が代わりに作り、その会社のIT化やDXをうまくできるようにするという仕事。エンベデッドソリューション事業は、携帯電話やカーナビなどの他社製品の中に、御社の作ったプログラムが入っているという認識でよろしいでしょうか。
■DIT市川
おっしゃるとおりです。
●はっしゃん
よく分かりました。
■DIT市川
優良な顧客群について説明します。メガバンク、証券会社、通信キャリア、完成車メーカー、部品メーカーといったような、きちんと予算取りをして計画的にIT投資をされる顧客がほとんどです。安定的な仕事を長期的に築かせていただけていますので、当社の業績も安定しています。
2点目のビジネスのご紹介。具体的なセグメントごとにお話します。
まず、ビジネスソリューション事業について説明します。一番大きなセクターとしては、金融関連のシステムがあります。それ以外では、流通系、ECサイトの構築等、多種多様な開発を行っています。それぞれ、新規の開発後は保守開発としてメンテナンスを続けていきます。ビジネスソリューション事業の中の開発のうち、70%程がエンハンス開発、保守開発で、会社として非常に安定しています。ビジネスソリューション事業のサブセグメントとして運用サポートがあり、顧客に納品したシステムを当社が運用サポートしていくセグメントです。顧客からは年間契約でメンテナンス、運用のオーダーを頂いており、およそ100%継続していきます。ゆえにビジネスソリューション事業が収益の安定基盤になっています。
2つ目のセグメント、エンベデッドソリューション事業について説明します。こちらのメインは車載分野のソフトウェア開発です。車1台にさまざまなソフトウェアが入っていますが、自動運転、インターネットを介して通信をしていくコネクティッドカーなどに強みを持っています。このセグメントでは車関連が全体に占める割合の70%程度です。完成車メーカー、Tier1との取引が中心で、単価も高めです。現在は車関連が中心ですが、IoT関連案件がまだまだ広がる可能性があります。これからも成長していけるセグメントがエンベデッドソリューション事業です。
自社商品事業には大きく3つの商材があります。1つ目は、セキュリティ商材「WebARGUS」です。ウイルスなど外側からの攻撃に対して守る製品は出回っていますが、手を替え品を替え攻撃してきますので、守ることには限界があります。「WebARGUS」は、大きく考え方を変え、守るのではなくて正しい状態を保持し続けます。少しでも変化があれば、元の状態に戻す。検知して復旧するまで、1秒未満、0.1秒程度で元の状態に戻すため、どんな攻撃に対しても、実害がゼロにできるという考え方の商材です。
■DIT市川
2つ目の商材は、「xoBlos」(ゾブロス)です。各企業でさまざまなシステム使われていますが、基幹システムと呼ばれるものはなかなか賄いきれません。Microsoft製品のExcelを活用している企業が多くみられますが、このExcel業務は人に根付いているため、なかなかプラットフォーム化、一般的な形になりません。「xoBlos」では、Excel業務を1回設定してしまえば自動的に集計などが便利にできる商材です。2010年に製品リリースしてから、600社弱の企業に利用いただいています。
3つ目の商材は「DD-CONNECT」です。電子契約システムを導入しても使い切れない、導入の障壁が高いといった企業に対し、導入の支援から運用までフルサポートで行う商材です。基幹システムとの連携もシームレスで、大きな企業からの受注をたくさん頂いています。
プロダクトソリューション事業が将来の収益のドライバーだと認識しています。最初の投資の期間から、成長期、成熟期と投資してから回収するまで、どうしても時間がかかるものです。弊社では製品発表の時期をずらしながら、ちゃんと刈り取りの機会を迎えている。これを継続してやっているからこそ、このプロダクトソリューション事業が大きな成長のドライバーになっています。
最後のセグメント、システム販売事業では、中小企業向けにカシオ計算機製の楽一という事務機器を販売しています。アクティブユーザーが現在2,200社ほどあり、1台当たり200万円ぐらいの売値で5~6年のリース販売です。5~6年ごとに、新しい楽一を発表します。すると5~6年後にリピートして、また新しいものを買い直していただける。そのリピート率が80%と、非常に根強い人気があります。販売事業ですが当社の安定基盤でもあるセグメントです。
最後に、中期目標や株主様への配当、直近の第1Qの業績について説明します。まず、経営目標として、直近2024年6月期の売上高が198億、営業利益が24億2,000万、配当性向41.1%です。
それを踏まえた2030年の新スローガンとして、売上高500億円、営業利益50億、配当性向50%超えと、大谷翔平選手の成績になぞらえ50・50・50に挑戦したいと考えています。
目標設定するだけでなく、そこに向けてちゃんと事業構造を改革しながら成長軌道を実現し、最終的には、冒頭で触れたパーパス経営を定着させながら、同業他社のなかから選んでいただける会社になっていくことに取り組みます。株主様への還元・配当は、配当性向50%以上に引き上げており、今期の年間の配当目標を60円と設定しました。
また、直近で自社株買いを行っています。株主様への還元、当社社員に対するインセンティブも含めて、2024年8月13日から12月23日まで実施。上限は24万株です。当社1Qの決算は、売上高は前期比19.6%増の56億3,200万円、営業利益は同17.4%増の6億4,100万円で着地、営業利益率11.4%となりました。通期の目標に対して4分の1程度の進捗で非常に順調な数字に仕上っています。以上、ご清聴ありがとうございました。
■質疑応答
●はっしゃん
ありがとうございました。
他社様向けの開発や組み込み向けの開発は非常に比率が高くて安定しているものの、収益ドライバーとしては自社開発商品に期待しているというお話だったかと思います。今後の成長計画として、どういった形で収益の高い自社商品を伸ばし続々と新しい商品を出していくかというビジョンを伺えますか。
■DIT市川
自社商品は、1回投資をして1回作って売れていけば、売上=粗利に近く、本当に収益力が高いという性質があります。そういった中、セキュリティの商材はウェブサイトを守るだけではなく、会社内にあるファイルサーバーポートに格納されている大事なデータがランサムウェア被害に遭わないようにする製品にアップデートされています。また、まだあまり世の中には出回っていない話ですが、組み込みの製品に対して当社のセキュリティの商材を入れていく。こうしたデファクトを取ることができれば、本当の意味での収益の大きなドライバーになる可能性があます。つまり今の強み、セキュリティの領域の中で、いろいろなものにいろいろな範囲を広げていく考え方です。
直近でM&Aでグループ会社化したジャングルという会社は、国内で事業を進めてきた当社とは異なり、良いと判断した海外の製品に手を加えて日本に流通させ、本当の意味でエンドの皆さんに喜んでもらえる商材にしています。元になるものを海外から仕入れ、手を加えて世の中に出すことで、非常に粗利の高い商材になります。当社が独自でやっていくものとグループ会社のものとを活かしつつ、自社商品のセグメントを大きく広げていきたいと考えています。
●はっしゃん
なるほど、分かりやすかったです。つまり、自社商品や仕入れて改良した商品とかの販売先については、既存の取引先からのニーズがあり、それに応えるものを用意している相乗効果が見込めるということでしょうか。
■DIT市川
おっしゃるとおりです。
●はっしゃん
なるほど。そこが強みになっているということですね。よく分かりました。
▲フィスコ高井
説明ありがとうございました。
■DIT市川
ありがとうございました。
【デジタル・インフォメーション・テクノロジー】著名投資家はっしゃん氏が市川社長に質問!Vol.3に続く
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