第8次中期経営計画については、2021年7月策定時に2026年3月期の目標として売上高360億円、営業利益20億円を打ち出している。2023年7月に計画の上方修正を行ったものの、その後の経済環境の大きな変化を受け、目標数字を引き下げ、売上高については当初の計画をすえ置いたが、営業利益については14億円とした。しかし構造改革の実行により、企業体質は確実に強化され、長年営業損失を続けていた製紙事業を抱える機能性シート事業では2025年3月期に営業利益の黒字化が達成された。このように同社は「製紙会社」から「高機能性材料メーカー」へと事業ポートフォリオの転換に成功したと言える。
「高機能性材料メーカー」ヘの、さらなる成長を支える新製品売上高においては、2023年7月発表の修正計画で2026年3月期に売上高98億円、新製品売上高比率24%の目標を掲げたが、売上高71億円、新製品売上高比率20%の見通しに変更した。この影響は高付加価値製品による「高機能性材料メーカー」への脱皮を遅らせる結果となっている。しかもさらなる成長のために設備投資、研究開発費、研究開発人員の増員などを継続しており、それらのコスト増加が利益の伸び悩みの主因と言えよう。第8次中期経営計画で、先行投資を行った様々な施策のなか収益に結びつかなかった案件については、2027年3月期以降に収益化が見込まれるものが多くある。それらの中には半導体生産拡大、EVや自動運転の普及などで伸長が見込める新製品群が含まれている。さらに時代の変化に対し、「熱・電気・電磁波」をコントロールする製品群「iCas」の拡充、「GREEN CHIP」ブランドとして自然環境への配慮と空間環境の最適化に貢献する製品群などを立ち上げている。「高機能性材料メーカー」への転換を推進するだけでなく、次期の第9次中期経営計画においては、モジュール化、部品化、装置化まで手掛ける「提案型ソリューションパートナー」を標榜し、さらなる企業成長を目指す企業として期待が膨らむ。
■株主還元策
2025年3月期は減益も15.0円配当継続、2026年3月期も15.0円配当予定
同社は、中期的視点に立って着実に株主価値を向上し、株主に対する適正な利益還元を経営の最重要課題として位置付け、安定配当を継続する方針としている。その上で連結及び単体業績水準と、内部留保の確保や財務体質の強化などを総合的に勘案し2025年3月期減益ながら15.0円配当継続、2026年3月期も15.0円配当を継続する予定である。なお資本効率の向上及び機動的な資本政策、株主還元策の一環として、2024年11月に自己株式を取得(288,900株)、2025年8月にも275,900株を取得した。取得した自己株式は、将来的なM&A時の買収対価や中長期的な検討課題である株式報酬制度に供するなど、将来的なコーポレートアクションへの活用を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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