Object Browser事業の売上高は前年同期比0.7%増の5.19億円、営業利益は同8.9%増の1.26億円となった。「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウエア開発の生産性を向上させるツールとして業界で多く利用されており、安定した収益源となっている。統合型プロジェクト管理ツール「OBPM」は、2021年3月からクラウドサービスモデル「OBPM Neo」へとリニューアルし、導入実績は約240社にのぼる。また、2022年12月からデータの加工・利活用を効率化する新オプション「xoBlos for OBPM」をリリースした。「OBPM Neo」のストック収益が安定的に伸びていることから、増収増益となった。
E-Commerce事業の売上高は前年同期比34.9%減の6.56億円、営業利益は同65.2%減の1.29億円となった。当年度からは新たに「SI Web Shopping」とクロスセルする、内製化を支援する「EC&リテールDXサポート」、多機能PaaS「Adobe Commerce」という2つのビジネスを立ち上げている。新たな取り組みを積極的に行っているが、前年度に発生した顧客事情による大型案件中断以降に再開した新規案件獲得活動による受注が遅れていることに加え、開発リソースに依存しないビジネスとして立ち上げた「Adobe Commerce」ビジネスも計画通りに受注出来ていないことにより、開発業務量が十分に確保できず、減収減益となった。
ERP事業の売上高は前年同期比9.2%減の19.45億円、営業利益は同70.5%減の0.47億円となった。Web-ERPパッケージ「GRANDIT」を主力製品としている。基幹業務システムの更改ニーズの高まりに対応するため、多数の新卒および中途社員の採用を実施したが、企業の経営資源を一元管理するシステムを構築するため非常に難易度が高く、戦力化するのに時間を要している。当第3四半期累計期間では、新規案件の規模や内容が戦力レベルに適合せず計画通りに受注出来ていないことや案件中断などが発生した影響から、減収減益となった。なお、採用数が増加したことによる間接コストの増加は、利益率を大きく低下させているが、事業拡大推進のための投資計画であり、中長期的には売上・利益ともに貢献するものとしている。
AI事業の売上高は前年同期比132.7%増の0.27億円、営業損失は0.43億円(前年同期は0.82億円の損失)となった。ディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」を主力製品としている。「AI・ディープラーニング画像処理ソフト」市場は、2019年から2023年の成長率が10.6倍と急成長する市場となっている。しかし、日本企業が求める高品質基準に対応することは非常に難しく、この市場での成功には外観検査の実績を増やしていき、より高度な実用化レベルに達することが重要として、実運用の知識と経験を増やし続け、高品質基準に対応しうる製品にアップデートし続けていくとしている。
2023年2月期通期については、同日、業績予想の修正を発表した。売上高が前期比8.7%減(前回予想比12.0%減)の44.00億円、営業利益が同42.1%減(同43.3%減)の3.40億円、経常利益が同41.4%減(同42.8%減)の3.45億円、当期純利益が同38.9%減(同43.9%減)の2.39億円としている。
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