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大和コンピューター、売上高・営業利益ともに期初計画を大きく上回る ソフトウェア開発関連の受注が堅調に推移

投稿:2024/03/29 17:00

大和コンピューターの経営理念

中村憲司氏:本日はお忙しい中、当社2024年度7月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。株式会社大和コンピューター代表取締役社長の中村です。それではさっそく説明に入ります。

本日はいつもと順番を変えて、大和コンピューターの経営理念についてあらためてご説明します。当社の存在意義は、「安心」、「安全」、「信頼」という絆作りを追求し、魅力ある会社を創造し会社の発展と社会に貢献することです。

経営理念の「和魂」については、「和」は車輪の「輪」、あるいは「環」を意味し、丸や円に通じるものをイメージしています。「協調」、「平和」、「和する」など、和を重んじる精神からつながる良好な関係を作り上げ、今風に言えばネットワークを構築して、「大きな輪」を目指します。

その和の魂、「和魂」で、経営の根幹である品質、環境、技術を支え、ミッションの遂行とビジョンの実現に邁進します。同時に、顧客満足度の高い、より良いソリューションサービスの提供を目指しています。

INDEX

本日の進行はスライドのとおりです。

2024年度第2四半期 決算サマリー

はじめに、第2四半期決算サマリーについてご説明します。売上高は前年同期比23.5パーセント増の16億4,300万円、営業利益は前年同期比36.7パーセント増の3億2,900万円で増収増益となり、計画を上回って着地しています。第2四半期では、過去最高の売上高と営業利益を記録しています。

インボイス制度や電子帳簿保存法改正に対するIT需要は落ち着きを見せているものの、企業のDXやAI等へのIT投資は継続しており、業績には追い風となっています。

2024年7月期通期業績見通しについては、人材投資を含む各事業における先行投資や、新たな連結対象子会社によるコスト増を吸収し、前期比での増収増益を計画しています。

下期業績に関しては、通期業績予想を31億4,000万円とし、期初予想比プラス9,000万円へ上方修正しています。

2024年7月期第2四半期(累計) 業績ハイライト

続いて、2024年7月期第2四半期の連結業績についてご説明します。人手不足の解消やDXに関するIT需要は堅調に推移していくものと考えています。その結果、上期の売上高は16億4,300万円、営業利益は3億2,900万円の増収増益となりました。働き方改革による生産性のさらなる向上や、業務効率化の効果だと考えています。

また、期初計画に対しても、売上高は12.3パーセント増、営業利益は36.2パーセント増と大きく上回ることができました。親会社に帰属する四半期純利益も、期初計画比9.5パーセント増の1億7,300万円となっています。

セグメント説明

すでにご承知の方も多いと思いますが、当社の事業セグメントは大きく3つです。

1つ目はソフトウェア開発関連です。システムに関する統合的なICTソリューションの構築と提供、ソフトウェア開発、その手法として当社でも用いている「CMMI」コンサルティングの提供を行っています。このソフトウェア開発関連をメイン事業と位置づけています。

2つ目が、サービスインテグレーション関連です。こちらはスポーツクラブや各種スクール向けクラウドソリューションの提供と、それに伴うサービスやソフトウェア開発を行っています。

3つ目のその他は、事業のボリュームとしては4パーセント程度ですが、昨今力を入れている農業関連とシステム販売の分野がこちらのセグメントに入ります。

農業関連においては、農作業効率の向上のみならず、RFID(無線ICタグ等)を活用したソリューションも提案するなど、多岐にわたってさまざまな取り組みを行っています。

セグメント別業績ハイライト(累計)

セグメント別業績ハイライトです。まずメイン事業であるソフトウェア開発関連には、ソフトのシステム開発を行うソリューション本部と、「CMMI」のコンサル業務を行うコンサルティング部門が含まれます。売上高は12億8,300万円で、前年同期比プラス25.9パーセントの2億6,500万円増です。営業利益は2億7,300万円で、前年同期比プラス65.3パーセントの1億800万円増となっています。

続いてサービスインテグレーション関連は、クラウドサービス運用サポートを行うSI本部と、子会社のフィット・コムが対象組織です。売上高は2億9,400万円で、前年同期比プラス0.6パーセントの200万円増です。営業利益は8,700万円で、前年同期比プラス3.2パーセントの300万円増となりました。

その他に関しては、農業関連部門と販売関連部門が対象組織となります。売上高は6,900万円で、前年同期比4,600万円増、営業利益はマイナス2,900万円となっています。

得意先の状況

得意先の状況です。当社のソフトウェア開発関連においては、SCSKさまと大塚商会さまの比率が高い状況で長年にわたりお取引が継続しています。両社ともに、直近の業績発表から、堅調な推移をされています。

また、両社さまより当社をコアパートナーと位置づけていただいており、良好な関係を構築、維持継続しています。SCSKさまにおいては、ERPパッケージである「ProActive(プロアクティブ)」関連部門を中心に取引を行っていましたが、近年ではそれ以外の部門との接点やご依頼も増加しています。

大塚商会さまにおいても、同社のパッケージ「SMILE」シリーズの原本開発から、今日まで長きにわたり関与させていただいています。

両得意先との取引量は、年度によって多少のぶれがあります。決算年度をまたぐ際に、その時点で大きなプロジェクトを抱えているのか、あるいは同じボリュームでも小ぶりな案件が多数あるのかなどによって年により異なるものの、当初より、だいたいスライドに示すような比率に収まっています。このように、特に今期において大きな変化があったわけではありません。

また、その他得意先の増加については、従来のビジネス領域以外にも当社が力を入れていることの表れとご理解いただければありがたいと思います。

キャッシュフロー状況

キャッシュフローの状況です。スライドに内訳を示しています。メインとなる営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益が2億8,800万円。減価償却費が1,600万円、減損損失が5,600万円、売上債権の増加に伴う資金の減少が5,200万円、法人税等支払額による減少が1億500万円、その他の減少が3,800万円となっています。

投資活動にかかわるキャッシュフローは、投資有価証券の償還による収入が1億円、財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払額が6,900万円となっています。

自己資本と有利子負債

自己資本と有利子負債について、13年前の2011年に、東日本大震災の状況、その後の影響や経済環境等を踏まえ、その後の対応として約2億5,000万円の借入を実施しました。その結果、その会計年度においては5億6,900万円が有利子負債となりました。

その後、2020年7月期には3,000万円の残となりました。2023年7月期は、新しくできた連結子会社の借入金処理も踏まえ8,500万円となり、当該年度の第2四半期は8,200万円となっています。

今後も同様の財務体質強化を目指すとともに、機動的な財務対応を心がけていきます。また、総資本に対する有利子負債の比率は1.41パーセントです。

2024年7月期 連結業績予想

すでに2月29日に発表していますが、通期の連結業績予想に関してご説明します。

通期業績予想を上方修正しています。理由として、現在の経済状況はさまざまなかたちでいろいろなものが変化しており不透明な状況であるものの、当社の強みである高品質なシステムの提供に注力をした結果、ここまで業績が堅調に推移してきました。

今回、下期に関してもこの傾向を勘案し、今の受注状況等々から、売上高は前期比4.5パーセント増の31億4,000万円、営業利益は前期比11.2パーセント増の5億6,000万円、経常利益は前期比12.6パーセント増の5,800万円、親会社に帰属する当期純利益は前期比3.8パーセント増の3億4,100万円を予定しています。

なお、純利益の増減率が微増となっているのは、浅小井農園ののれん代の償却額が含まれているためです。

外部環境と各セグメントの見通し

これらの見通しに対する外部環境、ならびに先ほどお伝えした各セグメントの状況です。外部環境としては、足元ではベースアップといった人件費の上昇や物価高が予見されています。また、金利に関しても金融政策の変更がささやかれている中で、海外ではインフレ抑止対策がすでに1年前より行われています。

その結果も含めトータルで見ると、残りの下期においても先行きは実に不透明な状況だと判断しています。

各セグメントの見通しとしては、各企業や経済界におけるDX関連への注力、いわゆる見える化、あるいは数値化をベースにしたシステムの構築に向けた高品質なシステムの提供へのニーズがますます高まっており、これらを充実させていきます。

また、サービスインテグレーション、いわゆるSaaSやASPのサービス提供においても、セキュリティの問題あるいはインフラの強化などをさらに促進し、数値を達成していきます。

農業に関しては、IoTやAIなどのIT技術を活用できる分野はまだまだ残されており、今後も深掘りできると考えています。また同時に研究も伴うような取り組みを進めていく所存です。

業績推移(連結)

業績の推移です。スライドには直近6年間の推移をグラフで示しています。コロナ禍で一時的に売上高が下がった時期もありますが、おおむね堅調な成長を続けています。在宅やリモートワークを効率よく進め、さまざまなかたちでの営業努力の結果、この時期でも利益を順調に伸ばしてきました。

株主還元

この営業実績を踏まえ、株主還元に関しては引き続き、企業価値の向上とその水準の維持を可能とする範囲において、事業拡大のための内部留保とのバランスをとって決定していきたいと考えています。

その結果、現時点では、2024年7月期において18円の水準を維持していきたいと考えています。株価に関しても業績の向上が基本だと考えており、経営強化にさらに注力していきたいと考えています。

スライドにも記載のとおり、株式分割も実施しています。株主さまには長い間、当社の株を保有してサポートしていただきたいという思いがあり、過去7回の分割を行ってきました。長期保有していただき、上場以来株式を保有いただいている方で、1株が4.3株以上となっています。これらも踏まえ、株主還元を進めていけるよう検討していきたいと考えています。

2024年7月期 トピックス

今期の主なトピックスを青字で表記しています。後ほども各部門のところで触れますが、スライドに挙げたものが主立ったものです。

中長期目標・戦略と状況

ここまでが上期ならびに下期の予想です。ここから先の中期、長期に関する考え方として、冒頭にお伝えした経営理念のもと、ミッションの遂行、そしてビジョンの具現化を推進します。

そのため、スライドに掲げている1番から6番の項目を推進していきます。これらについて少しご説明したいと思います。

1.ソフトウェア開発関連事業の強化

まず、当社のメイン事業であるソフトウェア開発関連事業では、創業以来の「品質第一主義」を継続していきたいと思います。

なぜ品質にこだわるのかについて、バグやミスが出ると、いわゆる機会損失につながってしまいます。それはひいては業績を悪くし、株主さまにご迷惑をかけるということで、なんとしても避けるため、これをさらに目指していきます。

また、先ほどお伝えしたDXやAIが取り沙汰されています。こちらも従前のソフトウェア開発のみならず、先進的な技術でそれにチャレンジする取り組みを行ってきました。

加えて働き方改革です。コロナ禍以前よりテレワークやリモートワークの推進を掲げてきました。アフターコロナにおいては、何をどのように行うか、さらに反省も踏まえてテレワーク制度を整備し、その柔軟な活用、そして新たな生活様式の実践と多様性により、多くの社員がさまざまな働き方ができるよう取り組んでいきたいと考えています。

2.CMMI関連ビジネスの強化

「CMMI」関連ビジネスについてです。こちらは当社のソフトウェア開発の幹となる部分で、1999年に米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所が開発した、ソフトウェア開発プロセスの能力成熟度を改善・判断するモデルです。世界的な基準として、各国で採用されています。

組織の成熟度を5段階で評価しており、当社においては、2002年にレベル3、2005年にレベル4、2019年に、その当時の最新モデルであるバージョン2の成熟度レベル5を達成しています。同業あるいはソフトウェアに関わる分野の方にも伝承したいと考え、コンサルを行っています。

アプレイザル審査は2種類あり、スライドにも記載のとおり、2023年の実施数は国内1位を維持しています。2024年も堅調に推移している状況です。加えて最新バージョンの国内展開も、いち早く手がけていく所存です。

3.クラウドビジネスの推進

クラウドサービスの分野においては、「健康」と「学び」のキーワードを掲げています。「プラチナ・フィットネス(Platinum Fitness)」については、フィットネスクラブ等の会員管理を行っており、スイミングスクールやゴルフスクール、ダンススクールなどのスクールを対象としたサービスを提供しています。

「プラチナ・スクール(Platinum School)」では、各種スクールならびにインターネットを通じたスポーツ教室のほか、企業の内部研修にも適用範囲を広げて、会員管理やプログラム管理を提供します。

これらは、いわゆるストックビジネスに位置づけており、当社における主要な利益を上げる分野です。今後もセキュリティならびにインフラの強化を進めていきたいと考えています。

4.「RFID」ビジネスの推進

RFIDに関するビジネスについてです。RFIDとは無線ICタグであり、当社以外にも無線ICタグを扱い、ビジネスにしている企業もあります。

当社の特徴的な部分は、国際機関GS1(ジーエスワン)が提供する世界標準のコード体系を利用し開発していることです。

4.「RFID」ビジネスの推進

このRFIDビジネスの推進について説明します。

RFIDビジネスには約10年取り組んでいます。2014年より社交ダンス向け、運輸業などへの実用化モデルを構築してきました。具体的には、「社交ダンス向け衣装製造販売業」向けにRFIDシステムを実用化、製造業での「物品持出管理システム」構築、運輸業での「入荷検品システム」構築などの実績があります。

さらに特徴的な部分として、2015年から日本酒業界への普及を目指して継続的に活動を行ってきました。2代目、3代目の若い蔵元に非常に興味を持っていただき、促進できる兆しが顕在化してきたと考えています。

4.「RFID」ビジネスの推進

RFIDを利用した社会貢献の取り組みの一環として、「Loopach」事業のパートナー企業に参画しました。聞き慣れない言葉だと思いますが、「Loopach」は「Loop」「Pach」「Tech」を組み合わせた造語です。「『EGO BAG』にならないような『ECO BAG』」をコンセプトとしたパッキングプラットフォームです。詳細は「Loopach」で検索していただければと思います。

こちらも、無線ICタグのRFIDを使ったストックビジネス展開に関与しています。

5.農業に関する活動

農業に関する活動です。「農業の後継者不足をICTで補いたい」、「日本の農業を強くしたい」という思いで、2008年から現状の活動を始めました。

5.農業に関する活動

静岡県袋井市のメロン農家との出会いから、2009年よりメロンの栽培委託を開始し、2011年にSEだった社員3名がメロン農家に弟子入りしてスタートしています。

今でこそ働き方改革と叫ばれていますが、その当時から、当社はコンピューターに向かって仕事をする、いわゆるバーチャルな部分が多くを占めていました。これに対して、「一次産業の農業体験や農業実習等を踏まえて、働き方の多様化を目指していきたい」「ライフワークバランス等にも注力していきたい」という思いでスタートしました。

直近では、2023年4月に浅小井農園を子会社化し、2024年1月に子会社であるルーツ社が、A-SAPの第19期プロジェクトに採択されました。こちらもすでにPR・IR等でご説明していますので、ぜひ当社HPをご覧いただければと思います。

また、スライド右側に記載の「ポケットマルシェ(ポケマル)」で、当社のメロンやトマトをECで販売しています。まだ途上のため、こちらがメインというわけにはいきませんが、このようなところも多様化し、農業における収益性のさらなる向上に努めていきたいと考えています。

5.農業に関する活動

農業への取り組みは、生産の効率化のみならず、当社では「i-農業」への取り組みというかたちで、①統合環境制御システム、②農場管理システム、③出荷調整システム、④トレーサビリティシステム、⑤養液潅水システム、⑥AIを利用したメロンの等級判断、⑦データ収集装置の試作を進めています。

生産性に関わる部分は、⑥AIを利用したメロンの等級判断、⑦データ収集装置の試作です。直近では静岡大学との共同研究で、AIを利用したメロンの等級の判断においても実績を上げることができました。

今後はビジネスとして展開できるようチャレンジしていきたいと考えています。

5.農業に関する活動

その他の取り組みです。農業だけではなく、そこから派生したさまざまな通信関係についても、スライドに記載している活動を続けています。具体的には、農作物の流通トレーサビリティの構築、生産性向上スマート農業実証コンソーシアムに参加、などさまざまな取り組みを通じて、知見を蓄えています。

5.農業に関する活動

当社グループに加わった浅小井農園は滋賀県近江八幡市を拠点に、オランダ型環境制御ハウスでトマトを栽培しており、農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理基準のJGAP認証も取得しています。浅小井農園を昨年4月に関連子会社化し、現在は経営統合に取り組んでいます。「朝恋トマト」というブランドにて、関西の大手スーパー等にトマトを卸しています。

6.持続可能な成長を目指して

当社は継続的な成長を目指して、経営理念である「安心・安全・信頼」と「品質・環境・技術」のもと、SDGs等を念頭に置いたさまざまな取り組みを行っています。

6.持続可能な成長を目指して

その1つとして、人的資本に関しても、2017年に「Daiwa Computer 未来プロジェクトチーム」を発足し、「バックキャスティング」の方式で、人材の教育・育成に取り組みました。2022年には「人材育成センター」と銘打って、これらをさらにブラッシュアップし、社員のキャリアアップにつなげていく取り組みを本格化させてきました。

6.持続可能な成長を目指して

創業当時より、エンジニアに優しいオフィスの環境作りにも注力してきました。

開発ルームはフローリングですので、靴をぬいでリラックスして仕事に就くことが出来、床下には活性炭・備長炭を敷き詰め「爽やかな空間」を作っています。

また、フロアの天井からマイナスイオンを発生させ、森林浴効果、空気の活性化により、パソコンやコピー機など電子機器類から出る不快感の元となるプラスイオンを中和させ、活性炭と合わせさらにより良い空間を設計しています。

さらに、東京本社3階は壁、柱、床に木曽のひのきを用いており、ひのきによる保温・保湿性や殺菌効果に加え、癒し効果も提供しています。

スライドに掲載しているものはごく一部ですが、今後もオフィス環境の整備には注力していきたいと考えています。

社内外に対し、生成AIなどのテクノロジーをどのように展開していくのか、Next transformationの推進を、当社も下期より本稼働させていく予定です。これらを今後のビジネスの展開につなげていきたいと考えています。

以上で、2024年7月期第2四半期の決算説明を終わります。ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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