―知能だけではなく実体を伴うロボットとしてAIと人間が共生へ、その関連株を探る―
我々人間の姿や動きを模倣しながら、近未来社会において人間との協働体制を定着させるであろうロボット、それがヒューマノイドロボットだ。人間が主体となって使用する従来の機械とは一線を画し、人間のような動作を実現するロボットの登場は、単なる技術革新で終わる話ではない。製造業、飲食業、サービス業の他、医療・介護、教育といった領域での活躍が期待される時代となってきた。今回の特集では「ヒューマノイドロボット」とその関連株に注目してみたい。
●ヒト型ロボットの“社会人デビュー”本番へ
新春恒例の箱根駅伝、第101回となる2025年に総合新記録を打ち立て8度目の総合優勝を果たしたのは青山学院大学だ。駅伝はリレー形式だが、それを1人で走り切るのがマラソンである。「自分との闘い」という位置づけで、このマラソンを趣味にしている人も老若男女を問わず少なくないようだ。この人間の限界への挑戦とも言えるマラソン、そこに新たな存在が参入するという情報が伝わった。
今年北京で開催される「2025北京亦荘ハーフマラソン大会」には、世界的なロボット企業、科学研究機関、大学などから多数の「ヒューマノイドロボット」が参加するもようだ。ヒューマノイドという言葉はhuman(人間)にoid(のような)を組み合わせた合成語である。人工知能(AI)がさまざまな領域に進出してきているが、いよいよその延長線上で実体を持ったヒト型ロボットが現実社会にかかわるようになってきた。
●エヌビディアやテスラが虎視眈々
誰もが知っているソフトバンクグループ <9984> [東証P]の「ペッパーくん」が街中から姿を消してから、直接的にはファミリーレストランの配膳時程度しか、日本ではロボットの存在は明確に意識されていないが、実際は、1月に米ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー見本市「CES」でも、バーテンダーロボット「ADAM」、認知症ケア用ロボット犬「Jennie」などをはじめとして、ロボット関連の展示が大きな注目を集めていたようだ。エヌビディア
米国大統領選でトランプ氏勝利のキーマンとなり、米国の政府効率化省(DOGE)の責任者を務めるイーロン・マスク氏が率いるテスラ
国際ロボット連盟(IFR)が発表した25年のロボット5大トレンドの中にも「ヒューマノイドロボット」は入っており、今後の進化がますます期待されている。株式市場でも「ヒューマノイドロボット」関連の銘柄は、AIの進化とともに今後大きなテーマ性を発揮する場面がありそうだ。高精度なロボット技術を有するファナック <6954> [東証P]や安川電機 <6506> [東証P]、ナブテスコ <6268> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]、三菱重工業 <7011> [東証P]、三菱電機 <6503> [東証P]が注目されるほか、本命格のソニーグループ <6758> [東証P]ではソフトやツールなどの開発キットを備えた「ロボティクスプラットフォーム」を提供しておりマーケットの関心が高い。
そうしたなか、今回はヒューマノイドロボットの要素部品を手掛ける中小型銘柄を中心に有望株を紹介したい。
●目が離せないヒューマノイド関連6選
◆THK <6481> [東証P]~機械の直線運動部分の基幹部品として「LMガイド」を開発。同製品はメカトロニクス産業に不可欠な機械要素部品として、さまざまな産業に使われている。同社の高信頼性部品群をコアに、サービスロボット向けRT(ロボットテクノロジー)システム「SEED Solutions」を提供。SEEDアクチュエーターは小型のモーターを小型分散配置モータードライバーのSEED Driverで動作させることができ、手のユニット内に制御システムまで内蔵が可能だ。
◆CIJ <4826> [東証P]~独立系のシステムインテグレーター。人間とロボットの共生・共存を目指して開発されたヒューマノイド「AYUDA(アユダ)シリーズ」を手掛ける。AYUDAの身長は160センチメートルで人間に近い目線でコミュニケーションを可能としている。感染症対策支援AIロボット「AYUDA-MiraMe(アユダミラーミ)」は非接触コミュニケーションが得意な小型AIロボットだ。また、知見を生かしロボット用ソフトウェアの受託開発も行う。
◆ジェイテクト <6473> [東証P]~自動車のステアリングで高いシェアを有し、軸受と工作機械なども手掛けている。ロボット用では、要素部品であるベアリングで小型化と高容量(長寿命)化という、相反する性能を両立させた超薄肉深溝ボールベアリングを開発しており、多くのロボット製品に導入されている。
◆ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証S]~モーションコントロールなどのメカトロニクス製品と、精密減速機ハーモニックドライブなどを製造する。ヒューマノイドロボットにおいては、ロボットの腕や足の関節部分に同社製品が使われている。ヒト型ロボットの関節に減速機を搭載することで、人間並みの器用な手の動きを再現できる。
◆セック <3741> [東証P]~AIなどをロボットに応用し、ロボットの高付加価値化に向けた研究開発を推進。この研究成果をもとに、ロボットとロボット用ソフトウェアを提供している。また、ロボットの標準化技術であるRTミドルウェアとROS(Robot Operating System)のほか、ロボットの安全性と信頼性を確保する機能安全技術に注力している。
◆川田テクノロジーズ <3443> [東証P]~グループ会社のカワダロボティクスでは汎用性の高いヒト型ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」を手掛けている。ネクステージは、独自開発したソフトウェアを活用しており、動作の指示を日本語で入力することによって稼働することが可能となっている。
株探ニュース
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