■システム情報 <3677> 894円 (+131円、+17.2%) ストップ高
東証プライムの上昇率トップ。システム情報 <3677> [東証P]がストップ高。27日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)の一環として、投資ファンドのベインキャピタルと組み、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ベインキャピタルが設立したBCJ─76(東京都千代田区)による買い付け価格は930円。株価はこれにサヤ寄せする展開となった。買付予定数は1947万4378株で、下限は1177万3700株。上限は設定しない。買付期間は9月28日から11月10日まで。TOB成立後は上場廃止となる見込み。システム情報はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。業界内で豊富な投資実績や知見、ネットワークを持つベインキャピタルが、経営資源の提供者として最適であると判断したという。東京証券取引所は27日、システム情報の株式を監理銘柄(確認中)に指定した。
■ロジザード <4391> 1,128円 (+150円、+15.3%) ストップ高
ロジザード <4391> [東証G]がストップ高。残業規制の強化によってトラック運転手の人手不足が深刻化するとされる物流業界の「2024年問題」に関し、岸田首相が10月上旬に関係閣僚会議を開いて緊急対策を取りまとめる考えを表明したと、28日複数のメディアが報じた。これを受け、倉庫の在庫管理システムを手掛ける同社に思惑的な物色が向かったようだ。物流代行サービスを展開するイー・ロジット <9327> [東証S]はストップ高、関通 <9326> [東証G]も堅調な値動きとなった。
■メディシノバ <4875> 362円 (+48円、+15.3%)
メディシノバ・インク <4875> [東証S]が急反騰。28日、米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携共同開発による、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や急性肺障害(ALI)への治療法・医療対策としての「MN-166(イブジラスト)」の研究成果を開示した。このうち、塩素ガス誘発性ALIに対するMN-166の単回投与と複数回投与の治療効果を評価する研究では、複数回投与スタディーにおいて、肺機能の有意な改善と生存率の向上が確認できたという。開発プログラムの次のステップについて米食品医薬品局(FDA)とミーティングを持つ予定としており、新薬の実用化を期待した買いが集まった。
■デジプラ <3691> 772円 (+100円、+14.9%) ストップ高
デジタルプラス <3691> [東証G]がストップ高。27日の取引終了後、Macbee Planet <7095> [東証G]との間で資本・業務提携すると発表。これを好感した買いが膨らんだ。マクビープラのLTV(顧客生涯価値)マーケティングの一環としてデジプラが提供するデジタルギフトを活用することや、各種データを活用した新サービスの共同開発に取り組んでいく。資本面では、デジプラの菊池誠晃代表取締役社長が保有する株式の一部をマクビープラに譲渡する。マクビープラはデジプラ株の10.27%を保有する大株主になる見通し。
■ペルセウス <4882> 454円 (+43円、+10.5%)
ペルセウスプロテオミクス <4882> [東証G]が急反騰。27日の取引終了後、シングルセル・クローニング技術を活用した新しい抗体研究支援サービスの提供を始めたと発表。同サービスでは、従来必要だった細胞融合やライブラリ構築を行うことなく、抗体産生細胞を1個ずつ単離してスクリーニングし、目的の抗体を産生する細胞を選択して抗体を取得することができる。抗体研究だけでなく、シングルセル遺伝子解析や希少細胞の回収、遺伝子導入後の細胞クローニングなど幅広い用途に対応しているという。
■日東精 <5957> 597円 (+45円、+8.2%)
東証プライムの上昇率2位。日東精工 <5957> [東証P]が急伸。27日の取引終了後、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針を発表しており、これを評価した買いが集まった。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る状況にあるなか、財務戦略として、25年12月期までの中期経営計画期間を対象に、1株18円を下限とした配当維持または増配を行う累進配当を導入する。余剰資金の変動に応じた機動的な自己株式取得を実施する方針も示した。25年12月期にPBR1倍以上を目指す。同社が2月に公表した中期経営計画では、25年12月期に売上高を600億円(22年12月期実績は440億2100万円)、営業利益を51億6000万円(同29億3100万円)に伸ばす目標を掲げた。ROIC(投下資本利益率)は8.0%以上(同5.7%)、ROE(自己資本利益率)は9.0%以上(同6.1%)を目指す。今後、中期計画の戦略と連動させてPBR1倍割れの状況に対処していく方針だ。
■ブリッジ <7039> 1,906円 (+120円、+6.7%)
ブリッジインターナショナル <7039> [東証G]が続急伸。27日の取引終了後、23年12月期から配当を開始すると発表しており、好感されたようだ。従来は無配を計画していたが、期末一括配当予想を35円に設定した。
■ニイタカ <4465> 2,087円 (+116円、+5.9%)
東証プライムの上昇率3位。ニイタカ <4465> [東証P]が急反発。ここ2ヵ月にわたり底値ボックス圏での推移だが、足もとで動きを一変させ、13週・26週移動平均線を一気に上抜いた。同社は業務用洗剤などを手掛けるが23年5月期は営業利益段階で53%減益と落ち込んだ。前日27日の取引終了後に24年5月期第1四半期(23年6-8月)の業績を発表、営業利益は前年同期比19%減の2億8800万円と低調だったが、売上高は同18%増の55億600万円と大幅に伸びた。また、営業利益についても第1四半期は減益ではあったが、通期計画の10億円(前期比17%増)に対する進捗率は29%に達しており安心感につながった。信用買い残も枯れた状態で株式需給面も上値が軽い。
■メディカルN <3645> 381円 (+21円、+5.8%) 一時ストップ高
メディカルネット <3645> [東証G]が続急伸、一時ストップ高となった。27日の取引終了後、遺伝子検査サービスを手掛けるミルテル(広島市南区)が提供するスキャンテスト乳がんの歯科業界における独占販売権を取得したと発表。スキャンテスト乳がんは、乳がん患者で変化する唾液中の「ポリアミン」を解析して乳がんの早期発見をサポートする検査。AI(人工知能)で作成した独自アルゴリズムにより、現在乳がんに罹患している可能性を判定するという。
■アプリックス <3727> 231円 (+12円、+5.5%)
アプリックス <3727> [東証G]が続急伸。業績は低迷しているが、ストックビジネスのMVNO事業に注力し業績立て直しを図っている。また、通信機能付きAIドライブレコーダーの法人向け需要開拓に期待が大きい。23年12月期は営業利益段階で前期比3.1倍の1億5200万円予想と改善色を一気に強める見通しで、24年12月期もストック事業が好調で回復歩調が維持されるとの見方が強い。
■フルヤ金属 <7826> 10,200円 (+480円、+4.9%)
フルヤ金属 <7826> [東証S]が大幅高。27日の取引終了後、東証プライム市場への上場市場区分変更申請を行ったと発表しており、これが好感された。同社は8月4日付でプライム市場への上場市場区分変更予備申請を行っており、現在は同申請に伴う東証の審査対応を継続している。
■乃村工芸社 <9716> 944円 (+42円、+4.7%)
東証プライムの上昇率5位。乃村工芸社 <9716> [東証P]が大幅高で3日続伸。27日の取引終了後、24年2月期の連結業績予想の修正を発表した。今期の最終利益は27億4000万円から31億円(前期比39.1%増)に見通しを上方修正しており、業況の更なる回復を期待した買いを集めたようだ。売上高の見通しは1200億円から1240億円(同11.8%増)に見直した。上期(3-8月)において、複合商業施設市場やホテルなどの余暇施設市場における売り上げが堅調に推移した。下期の採算性は保守的に見積もっており、上期の業績上振れ分を通期の業績予想に反映した。
■クロスフォー <7810> 223円 (+10円、+4.7%)
クロスフォー <7810> [東証S]が大幅続伸。同社は27日、中国市場への本格進出のため、広州市に初の小売第1号店となる「Crossfor x Liber」がグランドオープンしたことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。同店舗は20~30代の女性をターゲットに、ユニークで洗練されたデザインのシルバーアクセサリーの商品を展開。今後は多くのフランチャイズ企業とのビジネス提携など戦略的なパートナーシップ提携を築くため、展示・商談スペースのCrossfor Showroom「Crossfor x VBOSS」を10月1日にオープンする予定だとしている。
■コーセル <6905> 1,252円 (+54円、+4.5%)
東証プライムの上昇率7位。コーセル <6905> [東証P]が5日ぶり大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日、コーセルの目標株価を1700円から1900円に引き上げた。レーティングは「バイ」を継続する。部品の調達状況の改善や、生産能力の増強による受注残高の消化が進んだこと、価格改定効果を踏まえて、同証券は業績予想を見直した。25年5月期は成長鈍化を想定するものの、26年5月期は医療機器向けの拡販効果や半導体製造装置向けの新規受注の回復による成長再加速を予測する。コーセルの25年5月期の営業利益予想について、同証券は57億9000万円から70億円に引き上げた。
■ライフネット <7157> 972円 (+37円、+4.0%)
ライフネット生命保険 <7157> [東証G]が大幅反発。旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメントがライフネット株の買い増しに動いたことが27日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを集めたようだ。同日に財務省に提出された変更報告書によると、エフィッシモの保有割合は15.74%から16.86%に上昇した。保有目的は純投資とする。報告義務発生日は21日。
■キッズバイオ <4584> 200円 (+7円、+3.6%)
キッズウェル・バイオ <4584> [東証G]が大幅反発。今週26日にストップ高に買われた後、前日27日は目先利益確定の売りで反落したが、28日は改めて買いが流入しカイ気配で始まった。北大発の創薬ベンチャーでバイオシミラー(バイオ後続品)を手掛ける。27日取引終了後、眼科治療領域のバイオ後続品「ラニビズマブ」について、販売パートナーの千寿製薬が新たな適応症「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」に対する医薬品製造承認事項一部変更申請の承認を取得したことを発表、これを新たな手掛かり材料として投資資金が攻勢をかけた。
■ヘッドウォ <4011> 7,730円 (+270円、+3.6%)
ヘッドウォータース <4011> [東証G]が大幅反発。同社は人工知能(AI)を活用したソリューションビジネスを手掛けているが、時流を捉え生成AI分野にも積極的に布石を打っている。27日取引終了後、コンサルティング事業を手掛けるマネジメントソリューションズ <7033> [東証P]と協業を開始することを発表した。米マイクロソフト
■三菱自 <7211> 669.9円 (+20.6円、+3.2%)
三菱自動車工業 <7211> [東証P]が3日ぶり大幅反発。日本経済新聞電子版が27日の取引終了後、「三菱自動車は中国の自動車生産から撤退する方針を固めた」と報じた。広州汽車集団と合弁で運営する中国唯一の新車工場での生産から撤退する。同工場では販売低迷を受けて今年3月から新車生産を停止していたという。事業の選択と集中に向けた取り組みが進み、収益性の向上につながるとの受け止めが広がり、株式市場は買いで反応した。報道によると、合弁会社は存続する一方で、三菱自と三菱商事 <8058> [東証P]は出資分を引き上げる見込み。現地では地場企業のブランド力向上で、販売が低迷していたという。
■西松屋チェ <7545> 1,614円 (+41円、+2.6%)
西松屋チェーン <7545> [東証P]が3日ぶり反発。27日の取引終了後、24年2月期第2四半期累計(2月21日-8月20日)の単体決算の発表にあわせて中間配当に関し、これまでの予想から1円増額の14円で決定したと開示した。前期の中間配当に比べて1円増配となる。更に、取得総数22万7000株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.38%)、取得総額3億円を上限とする自社株買いの実施も公表しており、株価の支援材料となったようだ。自社株の取得期間は9月29日から10月13日とする。8月中間期の経常利益は前年同期比1.0%減の71億3000万円となり、微増益を見込んでいた従来の計画を下振れて着地した。また、売上高は同4.7%増の884億7300万円となり、計画をやや下回った。期間中は33店舗を新規出店。退店数は10店舗だった。円安の影響で売上総利益率が低下したほか、積極的な出店を背景に販売費及び一般管理費がかさんだ。
■テスHD <5074> 518円 (+13円、+2.6%)
テスホールディングス <5074> [東証P]が3日続伸。27日の取引終了後、連結子会社のテス・エンジニアリングが、岡山県真庭市による2023年度の「公共施設への太陽光発電設備等設置及び電力供給業務」に関する公募型プロポーザルに、PPA(電力購入契約)事業者として採用され、自家消費型太陽光発電システムによる電力供給を行うことが決まったと発表。これを手掛かり視した買いが株価を押し上げたようだ。テス・エンジニアリングが同市の公共施設に同発電システムを設置。オンサイトPPAモデルとして所有・維持管理をし、再生可能エネルギーによる電力の供給を行う。24年秋ごろから供給を開始する予定。同社はストックビジネスを充実させる戦略を掲げており、今後も地方自治体向け脱炭素ソリューションの拡大を図る。
※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
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