4. 知財戦略
同社は、設立当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、知財を獲得し保有する戦略を推進してきた。一例を挙げると、2011年に日米で特許取得された通称「Tiger」は、デバイスの特定精度を飛躍的に向上させる検知技術として傑出したものである。また、2018年に特許取得した「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」は、令和元年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を、2018年に特許取得した「契約書AI解析・管理システム」は、令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した。このほか、「OPTiM Cloud IoT OS」は、あらかじめ定めた条件に基づき、最適なAIやAPIを自動選択するプログラム(登録番号JP6404529)、建設における測量を効率化する「OPTiM Geo Scan」は、位置情報と3次元点群データを自動連係し、高精度3次元測量を簡単に実現するプログラム(登録番号JP6928217)、「OPTiM Digital Marketing」は、カメラ画像をAIが解析し、空席率に応じた割引率のクーポンを提供するプログラム(登録番号JP6246446)など、キラーサービスは知財で保護されている。2025年3月時点の同社の特許出願数は1,171件、登録数は569件に達する。これらの知財は、新規事業分野での参入障壁を構築するだけでなく、大企業が安心して同社と提携関係を構築できるメリットもある。
5. 販売・チャネル戦略
同社は、販売・チャネルにおいても強固な基盤を保持している。累計18万社以上のサービス利用者を開拓してきたのは、主にパートナー企業である。大手通信キャリア、複合機メーカー、ISP、SIer、携帯販売会社など、いずれも多くの顧客企業を抱えており、全国的な販売網が確立されている。特に、KDDIグループやNTTグループとは合弁会社の設立なども行っており、つながりが強い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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