1. 2023年12月期の業績見通し
GMOペパボ<3633>の2023年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%増の11,064百万円、営業利益で同17.1%増の857百万円、経常利益で同8.3%増の830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.4%増の573百万円と3期振りの増益に転じる見通し。市場環境としては、エネルギー価格の高騰による電気料金の値上げや製造工程における原価等のコスト上昇に加え、コロナ禍以降の消費動向の変化や外出抑制の解除によるEC物販への影響等を考慮した計画となっている。けん引役となるのは金融支援事業で、売上高で前期比522百万円の増収、営業利益で同277百万円の増益を見込んでいる。また、ホスティング事業もコスト増加分を価格改定によって吸収し増収増益を見込んでいるほか、EC支援事業は減収となるもののプロモーション費用の削減効果で増益に転じる見通し。ハンドメイド事業のみ若干の減収減益を計画している。
費用面について見ると、プロモーション費用は全体で前期比横ばい水準を計画している(「SUZURI」は減少するが、その他の事業で増加を見込む)。また、人件費については採用数を一旦、抑制する方針のため、前期よりも増加率は縮小する見込みだ。2023年春の新卒社員数もGMOインターネットグループ全体で「新卒年収710万プログラム※」を導入したこともあり、前年の22名から4名と大幅に絞り込んだ。2022年12月期は期初計画から業績下方修正を強いられたこともあり、今回は前期に苦戦した事業を中心に保守的に策定したようで、国内の消費動向が一段と冷え込むようなことが無ければ計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。
※2023年度の新卒採用から導入したプログラムで、新卒者の年収を国内最高水準となる710万円に設定(2年目まで担保)することで、高度な専門技術や知識、能力を持つ人財や、100年単位での企業グループの成長を担う「次世代リーダー」となりうる人財を募集・採用する取り組み。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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