今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+6.31%だったのに対して、グロース市場指数は-1.95%、グロース市場250指数は-1.93%。日経平均株価が半導体や人工知能(AI)関連株への物色が強まる形で連日の最高値を更新する一方、新興市場からは資金が流出した。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで-3.15%だった。
時価総額上位銘柄では、Aiロボティクス<247A>の週間上昇率が20%を超えた。同社スキンケアブランド「Yunth」において、21世紀のポップアイコン「BTS」のV氏を新たなブランドアンバサダーに迎えるとの発表が材料視された。スリー・ディー・マトリックス<7777>は同14%超の上昇。先週のハーバード大との共同研究論文がScience誌に掲載との発表を手掛かりとした物色が継続。一方、コンヴァノ<6574>は先週に韓国企業と鼻筋形成用糸リフト素材の共同開発を材料に急騰した反動で、下落率が19%を超えた。FFRIセキュリティ<3692>は同9%超の下落だった。
その他、ジェネレーションパス<3195>が週間で69%超の上昇。伊藤忠商事<8001>との機能性繊維技術を基盤としたアパレル向け製品開発などでの提携が好材料視された。JIG-SAW<3914>は同45%超の上昇だった。JIG-SAW USによるAI製品の発表を手掛かりとした物色が続いている。一方で、マクアケ<4479>の下落率は23%を超えた。26年9月期の営業減益見通しがネガティブ視された。ククレブ・アドバイザーズ<276A>は公募・売り出しの発表が嫌気され、同22%超の下落だった。
今週はIPOがなかった。23日に上場したサイバーソリューションズ<436A>は軟調な推移が続き、連日で上場来安値を更新。24日に上場したインフキュリオン<438A>は31日に1131円まで売られた後に、5営業日ぶりの反発となった。
■出遅れている新興市場銘柄を見直す動きに
来週の新興市場は、日米金融イベントや日米・米中首脳会談を消化したことから、決算などを手掛かりとした個別物色が強まりやすいだろう。プライムの半導体やAI関連株などが主軸となる流れは大きく変わりにくいものの、過熱感も警戒されている中、出遅れている新興市場銘柄を見直す動きが意識されそうだ。ベガコーポレーション<3542>、クラシル<299A>、ネットイヤーグループ<3622>などが10月31日に決算を発表したが、特にネットイヤーGは通期計画の上方修正が好感されそうだ。
そのほか、来週は4日にJIG-SAW、サンクゼール<2937>、5日にユニフォームネクスト<3566>、6日にコラボス<3908>、エーアイ<4388>、デコルテ・ホールディングス<7372>、BASE<4477>、フォースタートアップス<7089>、7日にカルナバイオサイエンス<4572>、アドバンスト・メディア<3773>、サスメド<4263>、HENNGE<4475>、オンコリスバイオファーマ<4588>、ENECHANGE<4169>などの発表が予定されている。
来週は、4日にHamee<3134>からのスピンオフ上場となるNE<441A>と、5日にクラシコ<442A>がいずれもグロース市場に上場する。NEはスピンオフ案件のため需給は読みにくいが、クラシコは公開規模に軽量感があり初値上昇が期待されそうだ。そのほか、中小建設事業者向けITサービスを提供するBRANU<460A>、未上場企業エクイティプラットフォーム事業を展開するFUNDINNO<462A>のグロース市場への新規上場が承認された。
<FA>
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