1. 前中期経営計画の振り返り
No.1<3562>は、これまで中期経営計画「Be a Platformer」(2021年2月期~2024年2月期)を推進してきた。ビジネスモデルの変革と事業領域の拡大に向けて、1) アレクソンとのシナジー効果発揮、2) ソリューション営業の深化(ストック収益の拡大)、3) ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)、4) クラウド型サービスの開発、5) M&A・事業提携・新規事業を重点戦略に掲げ、最終年度の売上高13,373百万円、営業利益1,280百万円、EBITDA 1,367百万円を目指してきた。
(1) 業績目標の達成度
最終年度における先行費用の影響により営業利益(及び営業利益率)は若干届かなかったものの、その点を除けば、売上高、親会社株主に帰属する当期純利益、EBITDA、ROEの各指標はそれぞれ計画を上回ったほか、自己資本比率も高い水準を確保しており、業績・財務面ではほぼ計画どおりの実績をあげたと言える。4年間の平均成長率は売上高が11.1%、営業利益が35.8%となり、業績は飛躍的に拡大した。
(2) 重点戦略の成果
戦略面についても、1) アレクソンとのシナジー効果発揮により、アレクソンの売上高が大きく拡大※したほか、時流に沿ったネットワークセキュリティ商材のラインナップも大幅に増加した。また、2) ソリューション営業の深化についても、2020年9月より「No.1ビジネスサポート」の提供を開始すると、契約数、売上高ともに順調に積み上げ、ストック収益の拡大につながった。3) ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)については、コロナ禍の在宅ワーク及び改正電子帳簿法などに対応した商材を販売した。一方、4) クラウド型サービスの開発については、「デジテラス」の拡販にやや苦戦したものの、既述のとおり、ハイパーとの業務提携を締結し、今後の販路拡大に目処をつけることができた。5) M&A・事業提携・新規事業については、アレクソンのグループインに加え、SOICOとの業務提携やクレディセゾンとの合弁会社設立などに取り組んだ。以上から、戦略面でも一定の成果を残せたと評価できる。
※アレクソンの売上高は28億円(2020年3月期)から47億円(2024年2月期)に拡大した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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