1. 大手不動産会社との差別化領域
LeTech<3497>の代名詞とも言える商品が、立地・デザインに拘った低層マンションシリーズ「LEGALAND」であり、その開発実績は100棟を超える。壁式構造・狭小地での開発など大手が参入困難な市場で事業を拡大してきた。大手不動産会社が中高層の建築物で一般的に採用するラーメン構造は、柱と梁でつくったフレームによって建物を支えているため、壁の位置を動かしたり、取り払ったりなど、リフォーム・リノベーション時の間取り変更の自由度の高さが特徴であるものの、室内に柱や梁が張り出すというデメリットもある。一方「LEGALAND」の採用する壁式構造は、室内に柱や梁が出っ張らないのですっきりとした空間が確保され、入居者にとって使いやすい居住スペースとなる。壁式構造は低層マンションで採用されるのが一般的であり、狭小地に適し、工期や費用の面でも優位性がある。
2. 大阪・東京での事業展開
同社は大阪・東京という2大市場の双方に精通した稀有なデベロッパーである。東京と大阪では市場の動き方も不動産に対する消費者や投資家のスタンスも大きく異なるため、それぞれの事業環境に合わせた異なる事業戦略を立案し、実行することが必要であるが、同社は両エリアにおいて、それぞれ最適の事業戦略を推進し、着実に業績を伸ばしている。東京都心(城南・城西)での「LEGALAND」の集中展開や大阪・京都エリアでの民泊・ホテル展開などが代表例である。
3. 権利調整による多様な選択
同社は、祖業より蓄積する法的整理関連ノウハウを駆使し、大手が敬遠しがちな権利調整案件に強みを持つ。弁護士からの民事訴訟案件や、金融機関・保証会社からのローン延滞案件に関する任意売却の仲介で培った法律知識、問題解決力に基づいた企画・開発力を、仲介、賃貸、開発、売却と不動産に関わる幅広い事業領域に生かしてきた。また、権利調整案件は収益性が高く、結果として同社の仕入案件の選択肢の間口を広げる利点がある。
4. 不動産管理事業展開による開発力向上
同社は不動産管理機能を社内に有し、一気通貫で事業を展開する。賃貸管理に加え、原状回復工事なども手掛ける。特に、自社開発の「LEGALAND」の管理受託に力を入れており、自社物件のパフォーマンスデータを取得・分析し、開発ノウハウを蓄積することができ、「LEGALAND」のキャッシュ・フロー創出力強化が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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