2. 事業セグメント別動向
(1) ウェーハ再生事業
ウェーハ再生事業の第2四半期累計売上高は前年同期比14.1%増の11,035百万円(内部売上高または振替高含む、以下同様)、営業利益は同17.3%増の4,232百万円と好調に推移した。国内外で再生ウェーハの需要が堅調に推移したほか、主要顧客であるTSMCの国内及び米国の新工場向けの新規受注が入り始めたことも増収に寄与した。増収効果に加えて、前下期に値下げ要求に応じたメモリメーカーとの値戻し交渉が一部進んだこともあり、営業利益率は同1.1ポイント上昇の38.4%となった。
四半期ベースでは、第2四半期の売上高が前年同期比20.2%増の5,804百万円と過去最高を更新し、営業利益も同24.4%増の2,163百万円となった。前四半期比でも増収増益となったが、再生ウェーハの平均単価が上昇したことに加えて、新品のモニタウェーハ用途の販売ウェーハ※の需要が新工場向けに増えたことが要因である。半導体の新工場立ち上げ期はモニタウェーハとして新品ウェーハ※を使うケースが増加する傾向にあり、第3四半期以降も継続した受注が見込まれている。なお、第2四半期の営業利益率が前四半期比で2.3ポイント低下したが、例年どおり、第2四半期に国内及び台湾工場でメンテナンスのため稼働を一時停止したことが要因である。
※ 同社は販売ウェーハとして、プライムウェーハ(B級品)を仕入れ、自社工場で磨いて新品のテストウェーハ用途として出荷している。販売単価や収益性は再生ウェーハよりも高い。
(2) プライムウェーハ事業
プライムウェーハ事業の第2四半期累計売上高は前年同期比1.1%減の10,111百万円、営業利益は同15.4%減の2,206百万円と減収減益となったが、四半期ベースで見ると前期の第4四半期を底にして上向き、第2四半期は売上高で同4.4%増の5,578百万円と4四半期ぶりの増収に転じた。営業利益は同8.8%減の1,371百万円となったが、営業利益率は24.6%と4四半期ぶりに20%台に回復した。材料の調達戦略を見直し、コストが低減したことに加え、生産効率も向上したことが要因だ。
当セグメント売上高の7割を占めるプライムウェーハについては、車載及び家電製品向けパワー半導体の需要回復によって8インチ品を中心に販売数量は増加したものの、前下期から価格引き下げが続いた影響で若干の減収減益となった。8インチ品についてはシェア拡大を目的に第2四半期に前四半期比で約10%の価格引き下げを実施したが、第3四半期以降は現状を維持する見込みである。8インチ品の月産能力は前期末の13万枚から第2四半期中には18万枚まで増強する予定だ。既に需要の回復があり、第2四半期中には、出荷数量は17万枚近くまで達し、フル稼働している。2024年度末までに18万枚までさらに増強する予定だ。
一方、エッチング装置用消耗品等に使われるシリコン部材については、メモリ市況の回復もあって第2四半期から上向き始めたが、米国向けが顧客先の在庫調整の影響で低迷が続いており、減収減益となった。米国については顧客先の在庫調整もあり、回復に転じるのはもうしばらく時間がかかりそうだ。
(3) 半導体関連装置・部材等事業
半導体関連装置・部材等事業の第2四半期累計売上高は前年同期比37.7%増の9,408百万円、営業利益は同25.4%減の454百万円となった。第1四半期に半導体製造ライン一式を商社からバルクで仕入れ、海外メーカーに販売するといった大型案件の売上を計上したことが主たる増収要因である。ただ、製造ライン一式といった大規模な販売は初めてで、検査コスト等を入念にかけたため、利益への貢献は僅少となった。
また、子会社の業績動向はドライエッチング装置用消耗部材を手掛けるDG Technologiesの第1四半期の収益は僅かとなったが、市況回復に伴い第2四半期は売上高も上向いた。ユニオンエレクトロニクスソリューションでは、前期に取り引きを開始した顧客向けにレーザーダイオードの販売が引き続き堅調に推移した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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