3.経営数値目標
第五次中期経営計画の経営数値目標として、最終年度となる2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、EBITDA28億円、ROE10.2%を掲げた。3年間の年平均成長率は売上高で4.3%、経常利益で12.7%、EBITDAで9.5%となり、経常利益率は2024年3月期の2.4%から3.0%に引き上げていく。2025年3月期は大阪FSセンター稼働に伴う減価償却費や立ち上げコストの負担増により経常利益は減益となるものの、2026年3月期以降は後述する各種ポートフォリオ変革の取り組みを推進することで2ケタ増益が続く見込みとなっている。売上成長率については直近5年間が6.9%成長だったことからするとやや物足りない感もあるが、ここ数年間は拠点拡大を積極的に進め売上を拡大してきたのに対して、今後3年間は大型拠点の新設を予定していないためで、既存の生産能力で対応可能な堅実な売上計画となっている印象だ。同社の安心・安全なサプライチェーン機能に対する顧客からの評価は高く、今後は顧客の選択と集中も図りながら、収益性を高めていく戦略となっている。
また、非財務指標の目標として、野菜残渣のリサイクル率を2024年3月期実績の50%から2027年3月期は60%に引き上げるほか、物流部門のCO2排出量を売上高当たり原単位で10%削減に取り組んでいく。また、従業員のエンゲージメントスコアや女性管理職比率の向上、従業員の声を集める「4つの箱」※への投稿件数を増やし、社内の活性化につなげる取り組みも推進していく。
※「ヘルプライン」「投稿箱」「改善アイデアボックス」「リスペクトカード」の4つ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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