2. 第五次中期経営計画の位置付けと長期ビジョン
第五次中期経営計画の策定にあたっての外部環境認識として、国内の市場環境は人口減少と少子高齢化が進み、食の外部化及び家事省力化、健康意識や衛生・安全意識の高まりが続くなかで、リスク要因としては農家の減少、気候変動・天候不順による調達難、人手不足や「物流2024年問題」による物流難が挙げられ、一方でポジティブ要因として食の外部化進展による販売機会の増加、健康意識の高まりによる野菜の消費拡大・研究データの活用、安全・安心・衛生意識の高まりによる同社のサプライチェーン機能の再評価といった点が挙げられる。
同社ではこうした環境の変化などを踏まえて、新たに「野菜の未来を変える。野菜で未来を変える。」をパーパスに設定した。農業と青果物の価値を高める、青果物の廃棄をなくす商品開発、青果物による豊かな食生活の提案など野菜の未来を変える取組みを進め、持続可能な農業、フードロス削減、健康寿命の延伸など野菜で未来を変えていくことを自社の存在意義としている。
また、今回は10年後(2034年)のありたい姿として長期ビジョンも発表した。今後10年間で野菜の総合加工メーカーとしてのポジションを確立し(野菜の価値と可能性を徹底的に追求し、農業と健康に貢献)、持続可能な農業の実現(社会課題・環境課題に真摯に向き合い持続可能な農業の実現に貢献)と個人の幸福と会社の繁栄の両立を実現(人々から選ばれ、社会から必要とされる企業)を目指す。
10年後の経営数値目標として、売上高1,000億円、経常利益率4~5%、ROE10~15%を掲げており、第5次中期経営計画「keep on trying 2027」は長期ビジョンを達成するために、収益力の強化を図るとともに新市場の開拓や新規事業の育成など様々な取り組みに挑戦(try)する期間と位置付けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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