＜話題の焦点＞＝外国人労働者関連、観光だけでなく労働力もウェルカム

　デフレ脱却を看板に掲げるアベノミクスは景況感を刺激し求人需要の回復をもたらせたが、その裏側では色濃く経済に影を落としている部分もある。

　「需要はあれども人手が足らず」という状況が、今の日本にはあちらこちらで目立っている。建設現場ではそれが特に顕著であり、建設資材の高騰に加え、人材確保のための人件費上昇で四苦八苦している業者も多い。

　労働力不足は建設業だけではない。「すき家」では人材調達に難航して閉店が相次いだように、外食産業でも経営する側にとって厳しい環境が続いている。

　このほか、高齢化社会が進展する日本にとって介護分野の人手不足も深刻な問題だ。

　安倍政権は、今年６月に閣議決定した新成長戦略のなかで、労働力不足への対応策として、外国人労働力を積極的に活用するための新たな方策を打ち出している。

　外国人技能実習生を受け入れる職種の拡大に加え、実習期間を最大でこれまでの３年から５年に延長するほか、受け入れ人数枠の拡大なども決定した。また、外国人に対する新たな就労制度の創設なども決めており、多方面で外国人の雇用増加を促す社会基盤が整いつつある。

　労働力を確保できずに収益機会を逃すのは企業にとってもゆゆしき事態であろう。外国人の労働力を取り込むことで成長力を維持し、株価面の評価につながる銘柄に注目してみた。

◆外国人労働力確保で成長維持へ

大成建<1801.T> ゼネコン代表格、即戦力重視で中途採用前向き
ツクイ<2398.T> 通所介護などで全国展開、人材派遣も手掛ける
ブックオフ<3313.T> 古本販売トップ、衣料・雑貨など業容広げる
ダスキン<4665.T> 清掃具レンタルで家事代行業も、ミスドＦＣ展開
ワタミ<7522.T> 居酒屋と有料老人ホーム、宅配弁当など展開
ゼンショーＨＤ<7550.T> 牛丼大手、すき家の人手不足閉店が話題に
セコム<9735.T> 警備最大手。高齢者事業や家事代行サービスも


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）