2. 開発計画(パイプライン)の状況
レジデンス(S-RESIDENCE)の開発については53棟(3,586戸)が竣工するとともに、2024年12月期以降の竣工予定分についても、2024年12月期が74棟、2025年12月期が102棟、2026年12月期が33棟(仕入進行中)、合計209物件(約13,500戸)の開発を全国各地で進めており、資産拡大に向けて順調にパイプラインを積み上げている。また、ホテル・オフィスの開発については、ホテル6棟※、オフィス7棟が進行中である。
※そのうち、2024年開業は2棟(シックスセンシズ京都、バンヤンツリー・東山 京都)が予定されている。
3. 2023年11月期の総括
以上から、2023年11月期を総括すると、ここ数年過熱気味であった不動産市況にやや落ち着きが見られるなかで、おおむね計画どおりに物件販売を進め、過去最高水準の業績を更新したことは大いに評価できる。一方、積極的な物件販売の影響もあり、グループ資産の拡大に向けてはやや伸び悩んでいる印象を受けるが、戦略的投資により開発パイプラインは順調に積み上がっていることから、現時点で計画の遅れを懸念する必要はない。海外事業における第2弾プロジェクトが始動したことやホテル事業の黒字化が見えてきたことも今後に向けて明るい材料となった。特にホテル事業の回復は、ホテルREITの上場に向けてフォローとなるため、このあたりの動きにも期待を持たせる結果となった。一方、やや懸念される点をあげるとすれば、高止まりの続く収益不動産の仕入れ環境である。キャップレートや不動産市況の動きなどから難しい判断が要求される局面にあり、今後の動向に注意する必要があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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