今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+0.37%だったのに対して、グロース市場指数は+4.98%、グロース市場250指数は+5.20%とグロース市場の強さが目立った。注目された衆議院議員選挙は政権与党が過半数を割り込む結果となったが、市場は織り込み済みだったことから、東京市場は買い戻し優勢の展開となった。躍進した国民民主党が政権入りするといった思惑も高まり、関連銘柄が上昇。グロース市場も主力株を中心に買われ、グロース市場指数、グロース市場250指数ともに週初から4日続伸した。売買代金も連日で1000億円台に乗せるなど投資家は戻りつつある。
時価総額上位銘柄では、隙間バイト最大手のタイミー<215A>が国民民主党関連銘柄の一角として上昇。好業績が材料視されてシーユーシー<9158>も買われたほか、カバー<5253>も好業績や証券会社のポジティブなレポートなどが材料視されて大幅高となった。また、売りが強まっていたGENDA<9166>も買戻し優勢に。このほかの銘柄では、フルッタフルッタ<2586>がアサイー販売好調で急騰。一方、低位銘柄のグローバルウェイ<3936>、夢展望<3185>が売られたほか、石破関連銘柄の雨風太陽<5616>も売り優勢となった。なお、28日グロース市場に上場したHmcomm<265A>の初値は、公開価格を32.7%上回る1128円。29日に同じくグロース市場に上場したSapeet<269A>の初値は、公開価格を52.3%上回る2285円となった。Sapeetはその後3日連続でストップ高と短期資金が流入している。
■直近IPO銘柄への関心は高い
来週の新興市場は、5日の米大統領選挙の結果を横目に見る展開となろう。6日の東京時間に大勢が判明する可能性があることから、プライム市場、グロース市場ともに、この日は乱高下する可能性がある。グロース市場はプライム市場ほど影響を受けないと考えるが、仮にプライム市場や日経平均が急落となれば投資家心理には影響が及ぶだろう。グロース市場250指数は25日移動平均線(25MA)手前まで上昇したが、この水準突破を試すのは米大統領選通過後となりそうだ。売買代金が増加傾向にあることから、上値抵抗ラインをしっかりと上回れば投資家心理はより改善されよう。
引き続き主力株物色を想定しているが、米大統領選が重しとなることや、11月中旬に決算発表を予定している企業が多いことなどから、値動きの軽い銘柄に資金は向かうだろう。まだ決算発表銘柄が少ないことや、IPOが11月下旬まで予定されていないことなどから、直近IPO銘柄への関心は高いと考える。足下では、3日連続でストップ高となったSapeetや、上場来高値を更新しているグロースエクスパートナーズ<244A>は需給面が良好だ。また、下げ止まったキッズスター<248A>、ROXX<241A>はじりじりと反発しており注目したい。
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