八洲電機<3153>は、電機制御システムの設計から納入、設置工事、アフターサービスまでを一貫して手掛けているエンジニアリング会社。また、産業用システムの販売なども行っている。取扱分野は、鉄鋼・石油・エネルギー・化学・紙パルプ・鉄道のほか、電子部品など幅広く、日立製作所<6501>及び日立グループの国内最大の特約店として発展を遂げてきた。東京オリンピック・パラリンピックを控え、インフラ整備が加速している状況にある一方、首都圏の再開発事業も活発化しているなど、収益環境の見通しは明るい。また、製造業の設備投資が拡大すれば、更なる収益の伸びが期待できそうだ。
現在、仕入先のうち、日立製作所並びに日立グループ企業が50%強を占める。主な日立グループ企業としては、(株)日立産機システム、日立グローバルライフソリューションズ(株)(旧 日立アプライアンス(株))、(株)日立ビルシステムなどがある。日立グループ最大の特約店としての機能を果たしつつ、顧客ニーズに対応することを基本とし、日立グループ以外の製品も取り扱う。事例としては、力を注いでいるLED照明に関しては、様々なメーカーの製品が取扱可能で、品ぞろえを充実させている。
5月15日に発表した2019年3月期連結決算は、売上高が前期比5.0%減の69,828百万円、営業利益が同17.2%増の2,347百万円、経常利益が同16.2%増の2,523百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.5%増の1,836百万円となった。主力のプラント事業、産業・交通事業とも売上高は減少しているものの、採算性の高い工事関係の案件が増加した結果、2ケタ増益を確保できた。
2020年3月期連結決算見通しは、売上高が前期比6.0%増の74,000百万円、営業利益が同2.2%増となる2,400百万円、経常利益が同3.0%増の2,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.4%減の1,700百万円を想定している。プラント事業、産業・交通事業ともに、全体的に受注が増加する見通しだ。配当金については前期が期初の計画である年18円から20円へ増額したが、今期も20円配当を継続する方針でいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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